小論文

小論文とは何か?評価基準は?国語のプロがお答えします!

ハイク先生

こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!

・小論文ってなに?

評価されるポイントは?

・どうやって勉強するの?

・合格にはどんな力が必要?

この記事では、このような疑問が解決します。

小論文は高校入試や大学入試で試験として課しているところもたくさんあるのに、授業では教えてくれません

小論文は独学で学ばなければならない科目の一つなのです。

僕は現在私立高校で国語の教師をしており、小論文指導も行っています。

この記事を読んで、まずは「小論文とは何か」についてしっかりと理解していただければと思います!

小論文とは何か

小論文とは自分の意見や主張を、筋道を立てて論理的に説明し読み手を説得する文章のことです。

さくら

「筋道を立てて論理的に説明し、読み手を説得する」?
それだけ言われても分かりません…。

要は読んでいて「なるほど!」と納得できるような文章のことです。

客観的な根拠にもとづいて説明しなければならないので、作文や感想文とは違います。

作文や感想文との違い

小論文の課題なのに、作文や感想文を書いてしまう生徒がよくいます。小論文と作文・感想文は明確に違います。

作文や感想文は個人の経験や心境をもとに、豊かな表現を使って読み手に「伝える」ための文章です。

小論文は自分の意見を論理的に説明し、読み手を納得させ「説得する」ための文章です。

例を挙げて説明します。

僕は最近寝る直前までスマホを見ている。すると朝起きるのが遅くなり、遅刻が増えてしまった。スマホが原因だと思うから、寝る前にスマホを見るのは良くない。

スマホの光に含まれるブルーライトの刺激を受けると脳は「メラトニン」という睡眠を司るホルモンの分泌を抑制するので、睡眠の質が下がる。だから寝る前にスマホを見るのは良くない。

上の文章が作文、下の文章が小論文です。

客観的な事実にもとづいた説得力のある文章は、下の文章ですね。

このように自分の主観的な感想のみで文章を書いてしまうと、作文や感想文になってしまうので注意が必要です。

意見と感想の違い

ここで意見と感想の違いについても整理しておきます。

どちらも「自分の考えである」という点では同じです。

感想は「個人の主観をただ述べる」だけであり、そこに目的は存在しません。

意見には「個人の主張を述べて、提案をする」という目的があります。

廊下を走るのは、危ないからよくないなと思った。

廊下を走ると人にぶつかってけがをする可能性があるから、廊下を走るのはやめよう。

上が感想で、下が意見です。

意見は「どうするべきか」という提案を相手に投げかけるものです。

ここでは「廊下を走る」ことが「けがにつながる」ので「廊下を走るのはやめよう」と相手に提案しています。

この「提案」が大切で、難しい言葉を使えば意見、簡単な言葉を使えば感想、というように理解しないようにしましょう。

小論文に書いてはいけないこと

小論文と作文の違い、意見と感想の違いが分かったところで、最後に書いてはいけないことをまとめます。

具体的には、読み手の感性に訴えかけるようなことは書いてはいけません。

自分の想い

これは自分の感情、心境、心情がベースの主張です。
例えば、自分の「好き」であったり「嫌い」といったような、読み手にとって関係のないことを書いてしまうと、説得力がなくなります。

自分の気持ちを伝えるのは作文なので、できるだけ書かないようにしましょう。

小説のような表現技法

小論文では論理的に読み手の心を動かすことが求められるので、小説のような情緒的な表現などは使ってはいけません。

比喩表現や擬人法、擬音語・擬態語・擬声語などは論理的な文章で使用するのには適さないので、書かないようにしましょう。

さらに詳しく小論文で使ってはいけない言葉を解説した記事がこちらです👇



ハイク先生

次は「小論文ってどこを見られているの?」という疑問を解決します!

小論文の評価基準は?

小論文試験は高校入試や大学入試で行われており、決まった正解が存在しないので、「何をどう勉強すればよいのか分からない」という悩みを持った生徒が多いです。

課せられた試験内容に対する自分の意見・考えを主張する試験という性質上、100人いれば100人分の意見・考えがあるので、模範解答というものはありません。

ただ、入試という公式な場で採用されている試験方式なので、必ず基準をもって採点しなければなりません。
実際に僕も小論文を採点していますが、1~100点までしっかりと点数をつけています。

つまり、採点基準を理解すればどんな文章が評価されるのかが分かり、合格にグッと近づくというわけです。

では主な小論文の評価基準について解説します。

文章の読みやすさ

少し抽象的な話になりますが、読みやすい文章は評価が高いです。

得点の高い小論文ほど読みやすく、低い小論文ほど読みにくいです。

「読みやすさ」というのは、要は違和感や引っかかりなく最後まですらすらと読めるということです。

構成がしっかりしていて意見のブレがなく、誤字脱字等もない独自性のある文章は読みやすく、読んでいて納得できる文章です。

まずは「文章の読みやすさ」を意識しましょう。

問題を理解しているか

課題文の要約・具体的な解決策の提案、という課せられた問題を理解して答えているかが一つの採点基準です。

「課題文を400字で要約しなさい」という内容なのに、自分の意見を書いてしまったり、「具体的な解決策を提案しなさい」という内容なのに、問題点を挙げるだけで終わってしまったりと、意外にも問題を理解していない人が多いです。

まずは問われている内容をよく理解できるように、問題文をしっかりと読みましょう

自分の意見の独自性

「問題に対する自分独自の意見があるか」は小論文における最大の評価ポイントです。

さらに言えば、自分の意見が具体的であればあるほど良いです。

例えば「少子高齢化に対する解決策を論じなさい」という試験があったとして、出題者側は「本気で少子高齢化に悩んでいて、解決策を受験生に求めている」というわけではありません。

提示された問題に対して受験生は「どのような意見をもっているのか」と「どんな論理で説得してくるのか」を見ているのです。

先ほど述べたように、100人いれば100人分の解答があるので、差しさわりのない意見を書くと他の受験生と比較されるので不利になります。

かといってオリジナリティ全開でぶっ飛んだ意見を書くのもいけないので、現実的で具体的な意見を書くようにしましょう。

自分の意見の書き方はこちら👇
小論文における評価の高い体験談の書き方【本論】

文章表現・文字数・字の丁寧さ

文章の内容ではない部分も評価対象です。

・規定通りの文字数か
 →8割以上は必ず書く

・文体は統一されているか
 →小論文は「~だ」「~である」

・正しい文章表現か
 →若者言葉、略称、俗語はNG

・誤字脱字はないか
 →漢字に自信がなければ別の表現を使う

・改行は適切か
 →段落は必要最低限

・丁寧な字で書かれているか
 →読めない字は論外

ここは読みやすさに大きく関わってくる部分なので気を付けましょう。

小論文試験には制限時間があるので、一つ一つ確認している時間はありません。

普段から正しい言葉遣い、原稿用紙の使い方、丁寧な字を心がけましょう。

最後に具体的な採点基準の例をのせておきます。

さらに詳しく採点基準について解説したページもありますので、そちらもぜひご覧ください👇

さくら

ちゃんと1点1点採点されるんですね!

ハイク先生

次は「どうやって勉強するの?」という疑問に答えます!

1 2