こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!
小論文の構成はどうやって決めればいいの?
このような疑問を解決するために、具体的な手順を解説します!
小論文はいきなり書き出さずに、まず構成メモという「小論文の設計図」を作らなければなりません。
この構成メモがないと途中で意見がブレてしまったり、指定字数に満たなかったりしてしまうからです。
合格する小論文を書くためには、正しい「構成メモ」の作り方を学ぶ必要があります。
推薦入試やAO入試で受験する生徒の小論文指導を毎年行っている僕が、実際に教えている構成メモの書き方の手順を解説していきます!
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著者 新堂ハイク 30歳
・現役高校教師 勤続9年(特進クラス担任)
・難関大受験、小論文指導実績500人以上
・教育メディア運営7年(月間10万PV)
・執筆300記事以上、掲載企業50社以上
実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
小論文は構成で決まる!

あなたは小論文に取り組むときに、いきなり解答用紙に書き始めてはいませんか?
もしそうなら、それは絶対にしてはいけないやり方です。
「小論文試験に合格したい!」と考えているのなら、今から説明することをしっかりと読んで、「構成」の大切さを肝に銘じてください。
構成は小論文の設計図
設計図もなしに家を建て始める建築会社はありませんよね。
もし設計図もなしに始めると、途中で寸法が合わなくなったり、材料が足りなくなったりしてしっかりとした家は完成しません。
これは小論文でも同じことが言えて、「構成」がないと途中で意見がブレたり、字数が足りなくなってしまい、得点の高い小論文は書けません。
評価の高い小論文を書くためにも、原稿用紙に書く前に必ず「構成」を作るようにしてください。
小論文の構成とは
ここで言う構成とは段落構成のことです。
与えられた課題文やテーマに対して
・自分の意見はこうである
・最初の段落の書き始めはこうする
・次の段落ではこれを書く
・最後の段落ではこうまとめる
というように具体的にどこに何を書くかをあらかじめ決めたものです。
構成は普通メモとして問題用紙の空いている部分や、配布されるメモ用紙などに書きます。
原稿用紙に本書きするのは、構成が完全に整ってからです。
小論文の構成は「序論・本論・結論」
う~ん、構成の大切さは分かったけど…構成を考えている間に時間終わっちゃうよ!
大丈夫です!
小論文の構成には型があり、その型通りに書いていけば時間が無くなることはありませんし、見当違いな文章になることもありません。
今から紹介する構成の型を覚えておけば、あらゆる出題形式の小論文に対応することができます。
その型とは、
・序論
↓
・本論
↓
・結論
の三段落構成です。
指定字数が1000文字以上と長い場合は、本論の部分を二段落に分けて四段落構成にすることもできます。
ただ、「小論文の構成は『序論・本論・結論』です!」といわれてもそこに何を書けばよいのか分かりませんよね。
次の章では「序論・本論・結論」の三段落構成の中に、具体的に何を書くのかを解説していきます。
小論文の正しい構成

「序論・本論・結論」は、あらゆる小論文の出題形式に対応できる万能な構成の型です。
ただ、間違った「序論・本論・結論」の使い方をしている人がとても多いです。
・序論
これから論じることを簡潔に紹介する
・本論
序論を詳しく解説する
・結論
全体を総括して簡潔にまとめる
このような内容で書いてしまうと
あ、あれ?
さっきから同じことを何度も書いてる気がする…
こんな風になってします。
正しい「序論・本論・結論」の使い方は
・問題提起(序論)
↓
・原因分析(本論)
↓
・解決策(結論)
このような内容で書くことです。
各段落の内容はそれぞれ別になるので、同じことを何度も書くことはなくなります。
では各段落に具体的に何を書けばよいのかを解説します。
序論は問題提起
最初の段落である序論には「問題提起」を書きます。
「問題提起」とは与えられた課題に「どのような問題点があるか」を明確にすることです。
さらに具体的に言うと「問題点」とは「お金」や「命」に実害が出るような重大な要素の方が説得力が高いです。
例
電車内のマナーについてあなたの意見を述べなさい。
このようなテーマ型の課題が与えられたとします。
近年電車での携帯電話のマナーの悪さが目立っている。特に電車内で化粧をする女性は見苦しく、見ていて不快感を覚える。
👆の問題提起は、確かに電車内のマナーについて述べていますが「実害」があるわけではないし人によって見方も変わってきます。
こうした主観が強い問題点を挙げてしまうと、説得力の弱い小論文になってしまいます。
電車内でマスクもせずにせきやくゃみをしている人がいる。密閉された空間である電車内ではウイルスの感染リスクが高まるので、マスク着用を義務化すべきだ。
👆の問題提起は幼児から高齢者まで「命」に関わり、「実害」が発生する問題です。
このような問題提起だと、解決策の重要性が高まるので小論文全体の説得力も高まります。
問題提起(序論)では、「命」や「お金」に実害がでるような重大な問題を取り上げましょう。
本論は原因分析
原因分析(本論)は、問題提起(序論)で取り上げた「問題点」について「なぜそのような問題が起こるのか」を詳しく論じて解決策(結論)につなげます。
原因分析の段落が小論文のメイン部分で、600字程度であれば一段落、800字以上であれば二段落にすると文全体のまとまりが良くなります。
原因分析で具体的に使える材料は、3つあります。
①知識・情報
取り上げた問題点に関する自分の知識や、情報から原因を分析します。
知識・情報を用いる場合は確実に正しいということが分かっているものを使うようにしましょう。
自分の主観やイメージだけで書いてしまうと、説得力のある文章にはなりません。
特に数字を使う場合は、確実なデータを明記しなければなりません。
ただ、確実なデータの説得力は最強です。
志望分野の頻出テーマに関するデータは、いくつか覚えておくと有利になるのでおすすめです。
日本の20代の社会人は勉強しない傾向にあり、それが日本が世界に経済的な遅れをとることに繋がるのではないかと思われる。
👆は「日本の20代の社会人は勉強しない」という情報が、確実かどうかは分からないので説得力に欠けます。
日本が世界に経済的な遅れをとっている原因の一つに、日本の20代の社会人の1週間の平均勉強時間は6分であるという調査結果が密接にかかわっていると考えられる。
👆のように具体的な数字のデータを出すだけで、説得力が断然高まります。
嘘のデータはすぐにバレるから、自信がないときは「体験・経験」を使おう!
②体験・経験
取り上げた問題点に使える確実な知識・情報ない場合は「自分の体験・経験」を使うのがセオリーです。
「自分の体験・経験」は具体的であればあるほど良いです。
注意点として体験・経験を書いているうちに長くなり、作文のようにどんどん本筋からずれてしまう傾向があります。
コツとしてははじめに抽象的に書いて、その例として体験・経験を書いていくと作文のようにダラダラしたものになりません。
SNSは実名制のほうがよいと考える。なぜなら実名制にすることで自分の発信内容に責任を持てるからである。私は現在実名・匿名の二つのSNSアカウントをもっており…
というようにすると、体験・経験を書きすぎるということはなくなります。
③引用・資料
資料読解型の小論文では「引用・資料」をうまく使うことが求められます。
取り上げた問題点に関わるデータや筆者の意見を使って、原因を分析します。
注意点としては、資料からデータを用いる場合は要約して重要な所だけを抜き出すこと、筆者の意見を用いるときは自分の意見と明確に区別することが大切です。
データばかり羅列した文章や、ほとんど自分の意見の入っていない文章になってしまうのであくまでも「引用・資料」は必要最低限にとどめることを、心がけてください。
結論は解決策
取り上げた問題点とその原因分析が終わったら、最後に具体的な「解決策」を述べて小論文を締めくくりましょう。
よく結論に全体を総ざらいした「まとめ」を書く人がいますが、「まとめ」が必要なのは1万字を超えるような本格的な論文の場合で、入試小論文に「まとめ」はいりません。
解決策で気を付けるポイントは
・具体的な解決に結びついているか
・現実的に可能な解決策か
上記の2点です。
例
津波の被害を最小限に抑えるための解決策とは?
①津波のない地域に移住する
②沿岸部全域に防潮堤を作る
①の解決策は根本的な解決に結びついていないですよね。
人間そんな簡単に移住することはできません。
②の解決策もコストがかかりすぎるし、漁業にも影響をきたすので現実的ではあません。
災害時の避難マップを作り、高台まで上がれる避難経路を多数確保する。
👆の解決策は具体的かつ現実的な案なので、解決に結びついています。
結論ではしっかりと解決策を提示して、論を締めくくるようにしましょう。
小論文の構成メモの書き方

では書き方の具体的な手順を解説します。
①課題文(テーマ・資料)の分析
②問題点をあげる
③原因を分析する
④知識・体験を加える
⑤解決策を考える
⑥整理して順番、段落構成を決める
以上の①~⑥の手順でメモを作れば、書いている途中でブレることもなく字数制限に引っかかることもありません。
基本的に構成メモは箇条書きをおすすめします。
メモが文章になっていると、文章を原稿用紙に写すという二度手間になってしまいますので、メモには重要な要素だけをシンプルに書いていきましょう。
ここでは具体例を一つあげて解説します。
例題
近年、外国人居住者の増加にともなって、日本人住民とのトラブルが増加している。
これについてあなたの意見を述べなさい。
①課題文(テーマ・資料)の分析
最初に出題形式に応じて、与えられた課題の分析を行います。
長文の課題文やグラフなどの資料があるときは、文章に使いたいところに線を引いたりしてマーキングしていきましょう。
例題の場合、問われているのは「日本人と外国人のトラブルに対して自分が思うこと」ですね。
では書くべきことを具体的に決めていきます。
②問題点を挙げる
小論文試験は「問題提起→原因分析→解決策」の三段落構成であらゆる出題形式に対応できる、ということを解説してきました。
それに沿ってまずは、論じるべき問題点をあげます。
問題点をあげるときのポイントは「お金」や「命」にかかわる「実害」が出ることです。
問題点の実害が大きいほど解決策の重要性が高まり、説得力のある小論文になるからです。
では例題の問題点をあげます。
「外国人と日本人のトラブル」の具体例ですね。
・宗教の違いによる生活習慣の違い
・深夜に騒いだり、地域のルールを守らないこと
ここでより「実害」のある方は後者の「深夜に騒いだり、地域のルールを守らないこと」ですね。
ここでこの問題を論じていくという方針を決めます。
③原因を分析する
次になぜその問題が起きるのかを考えます。
分析するときは、より現実的な解決策が導きやすい原因をあげると論理が破綻しにくくなります。
では外国人居住者が「深夜に騒いだり、地域のルールを守らない」原因とは
1.ルールを守らない国民性だから
2.ルールが正しく伝わっていないから
より解決策を導きやすい原因は2の方ですね。
1の国民性という文化を変えるのは現実的ではないですからね。
これだけでは不十分なので、「なぜルールが正しく伝わっていないのか」を考えます。
日本の社会のルールは「常識」や「暗黙の了解」となり、明文化・数値化されていないから
このような原因が考えられます。
さらに具体例も入れると効果的です。
④知識・体験を加える
次に文章に説得力を加えるための、自分が持っている知識や体験を並べていきます。
知識
・日本の外国人居住者の割合は総人口の2%
・国・地域別の割合は
中国人3割、韓国人2割弱、ベトナム人1割
外国人居住者の割合が分かれば、具体的な解決策に導けます。
こういった知識は、自分の志望分野の情報だけでも集めておくようにすると有利になります。
体験
自分の住んでいる地域では、夜によくホームパーティーをしている外国人居住者がいて騒音問題になっていたが、自治会と連携して地域のルールを明確化したところ、騒音問題は収まった。
自分の体験談から、具体的な解決策まで導くこともできます。
小論文における評価の高い体験談の書き方のページでさらに詳しく解説しています。
⑤解決策を考える
ここまでメモに書いたことを総括して、具体的かつ現実的な解決策を考えます。
・ルールを明文化、数値化する
・自治体と協力する
・中国人、韓国人の専門家と協力する
このような解決策が妥当ですね。
さらに「自分には何ができるか」まで書くとさらに高評価につながります。
大学で語学を学び、地域のルール作りに貢献したい
ここまで書けたら、最後に原稿用紙に写す前の整理をします。
この解決策は小論文における「結論」の部分です。
構成のメモを作る時点で、最後の結論まで決めておくんですね1
⑥整理して順番、段落構成を決める
この段階でだいたい小論文の骨組みは完成しているので、後は文章をどうつなげるか、どこで段落を切り替えるかなどの細かいところを詰めます。
ここまでのメモをまとめると以下のようになります。
問 「日本人と外国人のトラブルに対して自分が思うこと」
問題点・宗教の違いによる生活習慣の違い
・深夜に騒いだり、地域のルールを守らないこと
原因分析・ルールを守らない国民性だから
・ルールが正しく伝わっていないから
↓なせか
・日本の社会のルールは「常識」や「暗黙の了解」となり、明文化・数値化されていないから
知識
・日本の外国人居住者の割合は総人口の2%
・国・地域別の割合は
中国人3割、韓国人2割弱、ベトナム人1割
体験
自分の住んでいる地域では、夜によくホームパーティーをしている外国人居住者がいて騒音問題になっていたが、自治会と連携して地域のルールを明確化したところ、騒音問題は収まった。
解決策
・ルールを明文化、数値化する
・自治体と協力する
・中国人、韓国人の専門家と協力する
自分にできること
大学で語学を学び、地域のルール作りに貢献したい
指定字数を確認して、文量を決めるのも忘れてはいけません。
段落構成は600~800字程度なら三段落、800字~1200字程度なら四段落がおすすめです。
これだけメモを書いていても、なかなか書き出せません。
小論文は書き出しが難しいですよね。
上記のページで、苦手な人でもすぐに書き出せる方法を解説していますので参考にしてください。
構成メモのよくある質問
構成メモについて良く受ける質問に回答しています!
構成メモは絶対に必要?
構成メモがなくても小論文は書けます。
ただ、合格する小論文を書くなら構成メモは絶対に必要です。
なぜなら本番で原稿用紙に書き直しをする時間はないからです。
マス目の決まっている原稿用紙では途中に文をはさんだり、余計な文や文字を消すことはできません。
最初から完璧な文章を仕上げるのはプロのライターでも無理です。
なので合格したければ必ず構成メモを作りましょう。
構成メモにかける時間は?
制限時間の1/4~1/3の時間をかけるのが一般的です。
60分/800字の試験→15分~20分程度
80分/1200字の試験→20分~30分程度
上記が目安の時間配分ですが制限時間が少なく、指定字数が多い場合はもう少し減らしても大丈夫です。
ただの日本人の平均的な筆記スピードは10分/400字といわれていますので、見直しの時間を含め800字なら25分、1200字なら35分残せば十分です。
構成メモはどこに書くの?
構成メモには具体的な様式は存在しません。
あくまでメモなので、自分の分かりやすいように書いて大丈夫です。
大学入試ではメモ用の紙が渡されることがほとんどですが、ない場合は問題用紙の空きスペースに書きましょう。
構成メモは必須!
構成メモは合格する小論文に必須で、制限時間の1/4~1/3の時間をかけるのが一般的です。
構成メモの具体的な取り方の手順は6つあります。
①課題文(テーマ・資料)の分析
②問題点をあげる
③原因を分析する
④知識・体験を加える
⑤解決策を考える
⑥整理して順番、段落構成を決める
以上の手順を踏まえれば、合格する小論文は誰にでも書けます!
総合型選抜で受験予定の方へ
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だとしたら、専門の塾を検討することをおすすめします。
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・小論文対策は独学では難しい
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以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!