小論文

【SDGsの小論文】書き方・例文を国語教師が徹底解説!

新堂ハイク

こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!

SDGsがテーマの小論文はどう書く?

大学入試・高校入試の小論文では、社会問題が出題される傾向が強く、なかでも「SDGs」は世界全体に関わる問題なので、出題確率がかなり高いテーマです。

僕は現在私立高校の国語教師を務めており、毎年小論文指導に取り組んでいます。

そんな僕が「SDGsの小論文」の書き方を徹底解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

SDGsは小論文の頻出テーマ

小論文は「解決すべき社会問題」に対する自分独自の解決策を提案する試験です。

SDGsは近年注目されている世界全体に関わる社会問題なので、入試小論文での出題確率はかなり高いといえます。

さくら

そもそもSDGsって何ですか?

という方のために、まずは「SDGsとは何か」について、軽く解説します。

SDGsとは?

将来の世代の欲求を満たしつつ、現代の世代の欲求も満足させるような開発

一言でザックリと表すとこのような考え方になります。

言葉自体の意味としては「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」で、17個の具体的な目標があり、2030年までに世界全体で実現していこうという考え方です。

SDGsの17の目標

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.人々に保健と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基礎をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

さくら

もしかして、これ全部覚えないといけないんですか!?

大丈夫です!これらの目標を正確にすべて覚える必要はありません。

SDGsの考え方が分かっていれば、SDGsの小論文で困ることはありません。

SDGsの具体例

・化石燃料から自然エネルギーへの移行

・プラスチックストローを紙ストローに

・リサイクル材料を使用した服や靴など

このように「現在だけでなく未来を視野に入れた取り組み」という風に理解しておけば、大ハズレした解答をすることはありません。

SDGsの小論文の例題

さくら

入試ではどのように出題されますか?

SDGsが関連している、小論文の入試問題の例題です。

例題

持続可能な社会を実現するために解決しなければならない問題を一つ挙げなさい。また、その問題をどのように解決するか、問題を解決するためにどのような技術を開発する必要があるか、そしてその技術を開発するために本学でどのようなことを学びたいかを400字以内で述べなさい。

平成31年度 長岡技術科学大学 推薦入試

例題

「持続可能な開発目標」の視点から、自分ならばどのような経営課題を設定し、地域的戦略を進めていくのか、2030 年の社会像にも検討を加え、600 字程度で論じなさい。

平成29年度 広島県立大学大学院 入学者選抜試験

例題

SDGsの目標達成のために、自分自身が取り組みたい、または取り組むことが可能なことを、まず目標の番号を挙げて、さらにその具体的な内容について、800時から1000字程度で記述しなさい。ただし、本学に入学後、学習または研究したいと考えていることと結び付けて記述すること。

令和2年度 琉球大学農学部 推薦入試

出題の特長

解決すべき課題を提案させている

自分ができる解決法を提案させている

3つの例題とも「SDGsの実現のために、あなたは何ができますか?」という趣旨の内容ですね。

新堂ハイク

「課題に対する解決策の提案」がSDGsの小論文の極意です!



SDGsの小論文の具体的な書き方

具体的にどのような流れで、SDGsの小論文を書いていくのかを解説します。

具体的な書き方の流れ

1.出題に対する答え方を考える

2.構成メモを作成する

3.解答用紙に本書きする

通常の小論文を書くときと大まかな流れは変わりませんが、2の「構成メモ」を作るときにSDGsの要素をしっかりと入れることがポイントです。

ここでは以下の例題で、具体的に書いていきます。

例題

「持続可能な開発」を実現するために、あなたの志望分野が貢献できることは何か、またあなた自身ができることな何か、800字以内で答えなさい。

1.出題に対する答え方を考える

まずは「何を聞かれていて、何を答えるのか」を明確にします。

これは、小論文の採点基準の一つである「読解力」にも関係することです。

テーマ…「持続可能な開発」を実現する

①志望分野が貢献出来ること

②自分ができること

①②の二つの要素が解答に含まれていなければ、大幅な減点となり不合格です。

➡【小論文の採点基準】を徹底解説!

2.構成メモを作成する

小論文を書くときは、いきなり解答用紙に書き始めずに必ず「構成メモ」を作りましょう。

構成メモは、問題用紙などの空いているスペースなどに走り書きでOKです。

では、例題について具体的に構成メモを作る手順を解説します。

ここでは志望分野のところを「看護」にして解説していきます。

書き出し(序論)の書き方

まずは書き出しの部分で、志望分野とそれがSDGsの実現にどうつながるかを示すことを考えます。

「 看護」に関係するSDGsの目標

SDGsの第3の目標「すべての人に健康と福祉を」

「すべての人に健康と福祉を」を実現するうえでの、課題となっている社会問題を取り上げます。

実現に向けて解決すべき課題

在留外国人は増加しているのに、医療通訳者の数は少ないという問題

この社会問題を解決する方法を提案することができれば、SDGsの実現に向けて前進するので例題の趣旨に沿っています。

序論はこのように「問題提起」で始めると、書き出しやすいのでオススメです。

➡【小論文の書き出し】簡単に書ける7つの例文【序論の書き方】

本論の書き方

序論で提起した「医療通訳者の数が少ない」という問題に対する、看護系統の学問ができる貢献を考えていきます。

①の「志望分野が貢献出来ること」

①医療通訳者の数を増やすという解決策

→静岡県立大学の取り組み
 ・医療通訳者養成研修の実施
 ・県内の総合病院での勤務
 ・具体的な内容の講義

参考:静岡県立大学HP

②の「自分ができること」

②在留外国人に対応するために、英語の学習に力を入れている

→英検準2級を取得済み
 ・高校在学中に2級取得を目標にする

→大学では英語圏外の地域へ留学を検討

本論は具体的なことを書いていく段落で、小論文のメインになるところです。

①②のどちらの要素も抑えつつ、指定字数内でまとめていきます。

➡小論文における評価の高い本論の書き方

結論の書き方

結論は希望を持たせる形で終えると、読後感がよく評価が落ちることもありません。

医療従事者がグローバル社会を意識し、他国の言語や文化に理解を示すことは、次世代につながる持続可能な社会の実現に欠かせない大切な取り組みであると私は考える。

今回は本論で基本的な考え方を述べているので、結論は短めで大丈夫です。

➡【小論文の結論の書き方】例文付きで徹底解説

では、これらの構成メモを使って800字の小論文を書いていきます。

何度も言いますが、小論文は構成が絶対に必要です。

書き始める前に「構成メモ」を必ず書くようにしてください。

➡小論文の構成の基本を徹底解説

➡具体的な構成メモの作り方を丁寧に解説



SDGsの小論文の例文

前述した構成メモを使って書いた、SDGsの小論文の例文がこちらです。

例題

「持続可能な開発」を実現するために、あなたの志望分野が貢献できることは何か、またあなた自身ができることな何か、800字以内で答えなさい。

 私の志望分野は医療系で、将来の夢は看護師である。医療がSDGsの実現に貢献出来ることとして、在留外国人の増加と医療通訳者の問題について述べたいと思う。日本は2019年4月に外国人労働者受入れを拡大する改正入管法を施行し、外国人は日本の社会を構成する大きな要素となっている。しかし、日本で医療通訳者のいる病院は全体のわずか4.3%で在留外国人に対する十分な対応ができる体制が整っているとは言えない。SDGsの第3の目標である「すべての人に健康と福祉を」を実現するためには、医療通訳者を増やすことが重要であると私は考える。

 医療通訳者の増加や充実を図るために、静岡県立大学の看護学部では医療通訳者養成研修という取り組みが行われている。静岡県在住ブラジル人28名を対象に研修会を実施し、その中から県内の総合病院で医療通訳者として勤務する人も輩出している。また看護学部での講義で学生に対し、実際に看護師になった際に最低限調べてほしいこととして自分が勤務している病院がある市町村に居住している外国人の国籍を多い順に5か国ほど、それらの国の医療制度、習慣、好きな食べ物、食べてはいけないもの、医師に対して「ノー」と言えるかを確認するように指導している。私個人としても、在留外国人とのコミュニケーションが円滑に進むように、まずは共通語である英語の学習に力を入れている。具体的には高校2年生のときに英検準2級を取得し、現在は高校在学中に2級を取得できるように勉強中である。また、英語圏以外の外国人の文化を学ぶために貴学に入学した際には留学を検討している。

 在留外国人は医療支援が必要なときに、言葉の壁によって正確な情報が得にくいことから不安が大きいと思われる。医療従事者がグローバル社会を意識し、他国の言語や文化に理解を示すことは、次世代につながる持続可能な社会の実現に欠かせない大切な取り組みであると私は考える。

指定時間別の時間配分の目安

800字/60分はスタンダードな制限時間と文字数ですが、その他の場合の時間配分の目安をまとめておきます。

指定時間分析構成清書見直し
30分5分5~10分10~15分5分
60分5~10分15~20分20~30分5~10分
90分5~15分20~30分30~40分5~10分
120分10~15分25~30分40~60分15~20分

あくまで目安ですが、この通りに進めれば無理なく最後まで書き切ることができます。

問題を分析する

構成をつくる

解答用紙に清書する

見直しをする

小論文は具体的に上記の手順にそって書いていくので、練習の時から意識するようにしましょう。

➡小論文の書き方の手順と時間配分のコツを解説します!

新堂ハイク

特に「構成メモ」を作る段階に時間をかけましょう!



SDGsの小論文の対策・勉強法

最後にSDGsの小論文の対策・勉強法ということで、重要なポイントを解説していきます。

SDGsの小論文の対策・勉強法

志望学部と関係のあるSDGsの目標を頭に入れておく

まず「SDGs」が話題になっているからと言って、入試小論文で必ず出るとは限りません

なので、SDGsの勉強に時間をかけすぎるのは良くないと言えます。

もちろん一般教養として知識を身につけておけば入試以外でも活用できるので、SDGsについて調べておくことは重要です。

ただ、効率的に小論文の勉強をするなら「志望分野と関係のあるSDGsの目標」だけを頭に入れておけばOKです。

SDGsの17の目標と関係する学部

目標学部
1.貧困をなくそう社会学部・経済学部
2.飢餓をゼロに農学部・栄養学部
3.人々に保健と福祉を医学部・看護学部・福祉学部
4.質の高い教育をみんなに教育学部
5.ジェンダー平等を実現しよう人間科学部・社会学部
6.安全な水とトイレを世界中に工学部・理学部
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに工学部・理学部
8.働きがいも経済成長も経済学部・商学部・経営学部
9.産業と技術革新の基礎をつくろう工学部・情報学部
10.人や国の不平等をなくそう心理学部・国際学部
11.住み続けられるまちづくりを観光学部
12.つくる責任つかう責任工学部
13.気候変動に具体的な対策を理学部
14.海の豊かさを守ろう海洋学部
15.陸の豊かさも守ろう理学部
16.平和と公正をすべての人に法学部
17.パートナーシップで目標を達成しよう外国語学部・国際学部

ざっと目標と対応する学部をあげましたが、自分でも気になる目標をしっかりと調べておくことが大切です。

小論文自体の勉強はかかせない

SDGsの小論文を書くためには「小論文の勉強」が絶対に必要です。

小論文の勉強法などを解説したページもありますので、ぜひ参考にしてください。

新堂ハイク

以上で本記事は終了です!

さくら

最後までご覧いただきありがとうございました!