こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!
・小論文ってなに?
・評価されるポイントは?
・どうやって勉強するの?
・合格にはどんな力が必要?
この記事では、このような疑問が解決します。
小論文は高校入試や大学入試で試験として課しているところもたくさんあるのに、授業では教えてくれません。
小論文は独学で学ばなければならない科目の一つなのです。
僕は現在私立高校で国語の教師をしており、小論文指導も行っています。
この記事を読んで、まずは「小論文とは何か」についてしっかりと理解していただければと思います!
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
小論文とは何か
小論文とは自分の意見や主張を、筋道を立てて論理的に説明し、読み手を説得する文章のことです。
「筋道を立てて論理的に説明し、読み手を説得する」?
それだけ言われても分かりません…。
要は読んでいて「なるほど!」と納得できるような文章のことです。
客観的な根拠にもとづいて説明しなければならないので、作文や感想文とは違います。
作文や感想文との違い
小論文の課題なのに、作文や感想文を書いてしまう生徒がよくいます。小論文と作文・感想文は明確に違います。
作文や感想文は個人の経験や心境をもとに、豊かな表現を使って読み手に「伝える」ための文章です。
小論文は自分の意見を論理的に説明し、読み手を納得させ「説得する」ための文章です。
例を挙げて説明します。
僕は最近寝る直前までスマホを見ている。すると朝起きるのが遅くなり、遅刻が増えてしまった。スマホが原因だと思うから、寝る前にスマホを見るのは良くない。
スマホの光に含まれるブルーライトの刺激を受けると脳は「メラトニン」という睡眠を司るホルモンの分泌を抑制するので、睡眠の質が下がる。だから寝る前にスマホを見るのは良くない。
上の文章が作文、下の文章が小論文です。
客観的な事実にもとづいた説得力のある文章は、下の文章ですね。
このように自分の主観的な感想のみで文章を書いてしまうと、作文や感想文になってしまうので注意が必要です。
意見と感想の違い
ここで意見と感想の違いについても整理しておきます。
どちらも「自分の考えである」という点では同じです。
感想は「個人の主観をただ述べる」だけであり、そこに目的は存在しません。
意見には「個人の主張を述べて、提案をする」という目的があります。
廊下を走るのは、危ないからよくないなと思った。
廊下を走ると人にぶつかってけがをする可能性があるから、廊下を走るのはやめよう。
上が感想で、下が意見です。
意見は「どうするべきか」という提案を相手に投げかけるものです。
ここでは「廊下を走る」ことが「けがにつながる」ので「廊下を走るのはやめよう」と相手に提案しています。
この「提案」が大切で、難しい言葉を使えば意見、簡単な言葉を使えば感想、というように理解しないようにしましょう。
小論文に書いてはいけないこと
小論文と作文の違い、意見と感想の違いが分かったところで、最後に書いてはいけないことをまとめます。
具体的には、読み手の感性に訴えかけるようなことは書いてはいけません。
自分の想い
これは自分の感情、心境、心情がベースの主張です。
例えば、自分の「好き」であったり「嫌い」といったような、読み手にとって関係のないことを書いてしまうと、説得力がなくなります。
自分の気持ちを伝えるのは作文なので、できるだけ書かないようにしましょう。
小説のような表現技法
小論文では論理的に読み手の心を動かすことが求められるので、小説のような情緒的な表現などは使ってはいけません。
比喩表現や擬人法、擬音語・擬態語・擬声語などは論理的な文章で使用するのには適さないので、書かないようにしましょう。
さらに詳しく小論文で使ってはいけない言葉を解説した記事がこちらです👇
次は「小論文ってどこを見られているの?」という疑問を解決します!
小論文の評価基準は?
小論文試験は高校入試や大学入試で行われており、決まった正解が存在しないので、「何をどう勉強すればよいのか分からない」という悩みを持った生徒が多いです。
課せられた試験内容に対する自分の意見・考えを主張する試験という性質上、100人いれば100人分の意見・考えがあるので、模範解答というものはありません。
ただ、入試という公式な場で採用されている試験方式なので、必ず基準をもって採点しなければなりません。
実際に僕も小論文を採点していますが、1~100点までしっかりと点数をつけています。
つまり、採点基準を理解すればどんな文章が評価されるのかが分かり、合格にグッと近づくというわけです。
では主な小論文の評価基準について解説します。
文章の読みやすさ
少し抽象的な話になりますが、読みやすい文章は評価が高いです。
得点の高い小論文ほど読みやすく、低い小論文ほど読みにくいです。
「読みやすさ」というのは、要は違和感や引っかかりなく最後まですらすらと読めるということです。
構成がしっかりしていて意見のブレがなく、誤字脱字等もない独自性のある文章は読みやすく、読んでいて納得できる文章です。
まずは「文章の読みやすさ」を意識しましょう。
問題を理解しているか
課題文の要約・具体的な解決策の提案、という課せられた問題を理解して答えているかが一つの採点基準です。
「課題文を400字で要約しなさい」という内容なのに、自分の意見を書いてしまったり、「具体的な解決策を提案しなさい」という内容なのに、問題点を挙げるだけで終わってしまったりと、意外にも問題を理解していない人が多いです。
まずは問われている内容をよく理解できるように、問題文をしっかりと読みましょう。
自分の意見の独自性
「問題に対する自分独自の意見があるか」は小論文における最大の評価ポイントです。
さらに言えば、自分の意見が具体的であればあるほど良いです。
例えば「少子高齢化に対する解決策を論じなさい」という試験があったとして、出題者側は「本気で少子高齢化に悩んでいて、解決策を受験生に求めている」というわけではありません。
提示された問題に対して受験生は「どのような意見をもっているのか」と「どんな論理で説得してくるのか」を見ているのです。
先ほど述べたように、100人いれば100人分の解答があるので、差しさわりのない意見を書くと他の受験生と比較されるので不利になります。
かといってオリジナリティ全開でぶっ飛んだ意見を書くのもいけないので、現実的で具体的な意見を書くようにしましょう。
自分の意見の書き方はこちら👇
小論文における評価の高い体験談の書き方【本論】
文章表現・文字数・字の丁寧さ
文章の内容ではない部分も評価対象です。
・規定通りの文字数か
→8割以上は必ず書く
・文体は統一されているか
→小論文は「~だ」「~である」
・正しい文章表現か
→若者言葉、略称、俗語はNG
・誤字脱字はないか
→漢字に自信がなければ別の表現を使う
・改行は適切か
→段落は必要最低限
・丁寧な字で書かれているか
→読めない字は論外
ここは読みやすさに大きく関わってくる部分なので気を付けましょう。
小論文試験には制限時間があるので、一つ一つ確認している時間はありません。
普段から正しい言葉遣い、原稿用紙の使い方、丁寧な字を心がけましょう。
最後に具体的な採点基準の例をのせておきます。
さらに詳しく採点基準について解説したページもありますので、そちらもぜひご覧ください👇
ちゃんと1点1点採点されるんですね!
次は「どうやって勉強するの?」という疑問に答えます!
小論文の勉強の仕方
小論文の勉強は早いうちから始めれば始めるほど有利です。
なぜなら伸びが遅いからです。
1ヶ月程度では論理的な文章を書く力はつきません。
早いうちから学校の授業と並行して、少しずつ勉強していきたいところですが、小論文の勉強にあまり時間をかけていられないのも現実。
ここでは今日から使える具体的かつ、負担の少ない勉強方法を4つご紹介します。
本を読む
本と言ってもここでは「小説」・「雑誌」などの娯楽目的で読むものではなく、世の中の話題や問題について論じられた本や教養を身につけられる本のことです。
このような本を読むことで、読解力・語彙力・知識が付きます。
論理的な文を書くためには、論理的な文章を読むのが1番です。
さらに身についた知識は、地歴公民の科目にも還元できるので一石二鳥ですね!
小論文のおすすめ参考書30選はこちら👇
時事問題に関心を持つ
上に挙げた「本を読む」と連動して普段からニュースなどを見て、時事問題や社会問題に関心を持つようにしましょう。
小論文試験は、時事問題や社会問題に対しての意見や解決策を問う問題がほとんどです。
ニュースで取り上げられるような問題には常にアンテナを張っておきましょう。
情報源はテレビだけでなくアプリや本なども活用していくべきですが、ネット上の情報にはフェイクニュースもあふれているので、何が本当の情報かを判断する力を養う訓練にもなります。
常に自分の意見を持つ
本を読んで教養を身につけ、ニュースなどで社会問題に関心を持ったら、それに対しての自分の意見を持つようにしましょう。
評価基準の項目でも触れましたが、自分独自の意見というのは採点基準の重要ポイントです。
小論文は社会問題を知っているだけでなく、意見も言えて初めて評価されるのであらゆる問題に対して自分の意見を持つことがすでに小論文の勉強になっているのです。
自分の意見を持つためには問題について詳しく調べる必要があるので、普段から分からないことは調べる癖をつけておきましょう。
さらに自分の意見に対する反論まで考えると効果的です。
小論文は自分の意見に対する反論に対抗できると説得力がアップします。
現代文の勉強をする
現代文(特に評論文)の勉強と小論文の勉強は親和性が高いです。
現代文の記述問題や要約問題は、そのまま小論文の対策になります。
知識をいくら入れたところで書かなければ小論文の実力はつかないので、現代文の記述問題を通して少しずつ論理的な文章を書く練習をしましょう。
現代文の記述問題の勉強法も紹介していますので、ぜひ対策に役立ててください👇
さらに詳しい小論文の勉強法やおすすめの参考書を知りたい方はこちらもぜひご覧ください👇
最後に「小論文にはどんな力が必要なの?」という疑問を解決します!
小論文に必要な力
最後に小論文に必要な力を解説します。
勉強する際に、以下の力を身につけることを意識しながら対策していきましょう。
読解力
問題文や資料、データを読み取り、論じるべきは何かまで考える力です。
「何が問われているのか」を理解するのが、小論文のはじめの一歩になりますので、本を読んだりするときも「何がどう論じられているのか」を意識するように心がけましょう。
こちらのページもおすすめです👇
知識
例えば「待機児童問題」について論じなさいという問題が課されたとして、「待機児童」が何かを知らなければ答えようがないですよね。
そうした最低限の社会的知識は必要不可欠です。
特に小論文の頻出テーマは押さえておきましょう。
論理的思考力
筋道を立てて論理的に説明する力です。
書いた文章に説得力を持たせるには、論理が必要です。
普段から感覚的ではなく論理的に物事を考えるようにしましょう。
文章力
論理的に考えたことを文章にして、読み手に届かせる力です。
文章力は文章を書くことでしか身につかない力なので、新聞の200時要約など少しずつでも毎日文章を書く訓練をしましょう。
また、現代文の記述問題に取り組むのもおすすめです。
まとめ
小論文とは、自分の意見や主張を筋道を立てて論理的に説明し、読み手を説得する文章のことで作文や感想文とは違います。
評価基準は、自分独自の意見があることが重要ポイントで、読みやすい文章を書くと高い評価が得られます。
小論文の勉強にはあまり時間をかけられないので、普段から本を読んで教養を磨いたり時事問題や社会問題に関心をもち、それに対する自分の意見をもつことが大切です。
また、現代文の勉強と親和性が高く、文章力や読解力を鍛えることで小論文に必要な力が身につきます。
総合型選抜で受験予定の方へ
あなたが小論文を勉強する理由は、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)ですか?
だとしたら、専門の塾を検討することをおすすめします。
専門塾が必要な理由
・小論文対策は独学では難しい
・総合型選抜は学校や塾では対策困難
・各大学ごとに必要な対策が違う
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以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!