こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!
小論文の採点基準ってどうなってるの…?
小論文の採点基準って気になりますよね。
100点満点の試験のように明確に点数がつけられているのか、それともABCのように評価されているのか。
このページではそんな「小論文の採点基準」について、実際に小論文の試験の採点をしている国語教員の僕が解説します!
採点基準を知っていれば、合格にグッと近づくことができます!
志望校に小論文試験がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
小論文の採点基準とは
結論から言いますが、実は小論文の採点基準に一律のものは存在しません。
採点基準が明確に公開されているところもありますが、ほとんどは非公開です。
公開されている例で言えば、こちらはある大学の評価基準です。
項目 | 配点 |
タイトルの正確さ | 16点満点(5段階) |
内容の独創性など | 28点満点(5段階) |
論旨(段落構成)の明確さ | 28点満点(5段階) |
文章表現 | 16点満点(5段階) |
漢字・仮名遣い | 12点満点(5段階) |
計100点満点 | |
文字数による減点 | |
95%以上 | 減点なし |
90%以上 | 6点減点 |
89%以下 | 9~15点減点 |
タイトルも評価に入るんですね。
それに文字数も細かく決まってる。
このように細かく採点基準が決まっている大学もあれば、以下のような大学もあります。
平成30年度上越教育大学一般入試(前期日程)
採点方法
複数の採点者が以下の採点基準に従い,各自90点満点で採点し,その平均点を受験者の得点とする。
採点基準
1 読解力
筆者の論旨を的確に読み解き要旨としてまとめられているか。
2 独自性
「経験」の意味について,自分自身の反省や考察に基づいた議論が行われているか。
3 表現力
論述に一貫性や明晰性があり,適切な表現を用いて文章がまとめられているか。
上越大学HPより引用 https://www.juen.ac.jp/060admissions/020faculty/080examold/exam/files/30syoronbun-saitenkijyun.pdf
こっちは90点満点なんですね。
基準は大まかな感じがします。
このように各大学により、採点基準が違ってきます。
僕の勤務する高校も、独自の評価基準を用いて採点を行っています。
じゃあ、採点基準って結局分からないんですか?
そんなことはありません!
「合格する小論文」には共通のポイントがあり。それをおさえれば失敗することはありません!
合格する小論文には共通する3つのポイントがあります。
このポイントをおさえておけば、どんな志望校の採点基準でも大きく減点されることはなくなります。
そのポイントとは以下の通りです。
①問題文を正しく読み解いているか
②自分独自の意見か
③正しい文章構成・表現か
では上から順番に解説します。
①問題文を正しく読み解いているか
「問題文を正確に読み取り、正しく答えられているか」が第一の評価基準になります。
問題に対して的外れな意見を述べていたり、”要約せよ”と問われてるのに自分の意見を述べたりすることは大幅な減点になります。
まず小論文試験に求められることは、問題に対して正しく答えられているかという基本的なところです。
②自分独自の意見か
小論文試験では「自分で問題点を見つけ解決していく力」も試されます。
つまり「誰もが最初に思いつくようなありきたりな意見」「当たり障りのない提案」というものは評価されにくいのです。
小論文の採点者は一度に何十人、何百人の答案を採点します。
同じテーマで書いたとしても、内容に独創性のあるものは採点者の目に留まりやすく、評価も高くなります。
「ありきたりな解答」は多くの受験生とかぶる可能性が高いので、評価も低くなります。3
③正しい文章構成・表現か
内容ではなく形式の面での採点基準です。
問題文を正しく読み取り、独創的な意見が書けていても、段落がなかったり誤字脱字だらけでは評価が下がります。
また、「字の濃さ・丁寧さ」も評価に入ります。
採点者が読みにくいと思うような文章では、評価が下がってしまうということです。
小論文で合格基準を満たす方法
合格する小論文に共通する3つのポイントをおさらいします。
①問題文を正しく読み解いているか
②自分独自の意見か
③正しい文章構成・表現か
では、上記のポイントを踏まえた小論文を書くための対策を解説します。
①読解力をつける
まず「問題文を正しく読み解いているか」の対策は、「読解力」をつけることです。
読解力というと、国語で身につける能力と思われがちですが「小論文の読解力」というのは国語と少し違います。
「小論文の読解力」を身につけるためには次の3つの読み方を意識しましょう。
・筋道を理解して読む
・自分の体験に照らし合わせて読む
・独自の見解を見出しながら読む
上から順番に解説します。
筋道を理解して読む
前後の文章が、反対なのか同じことの繰り返しなのか、原因と結果なのか、対比になっているのか、主張なのか、具体例なのかという文のつながりを意識して読むということです。
これは課題文型の出題形式だけでなく、他の出題形式でも対応できます。
・課題文型・要約型
→筆者の考えを理解すること
・テーマ型・志望理由型
→出題者の意図を理解すること
・資料読解型
→図やグラフの対比や特筆すべき点を理解すること
「筆者の考えを理解する」とは、文章の筆者が「自分に何を伝えたいのか」を考えることです。
「出題者の意図を理解する」とは試験を作った人が「どのように答えて欲しいのかを考えること」です。
「図やグラフの対比特筆すべき点を理解する」とは「図やグラフで説明すべき(利用すべき)点はどこか」を考えることです。
与えられた条件に対して、まずは考えや意図を理解するということを理解しましょう。
自分の体験に照らし合わせて読む
筆者の考えや出題者の意図を理解したら、それを自分の中に落として自分なりの考えを引き出していく読み方です。
この「自分の体験」は、誰かから聞いたり何かを読んだりして得られた「間接的な体験」より、自分が実際に見聞きした「直接的な体験」の方が良いです。
この「自分の直接的な体験」は、自分独自の意見につながります。
自分のこれまでの体験・活動をしっかり整理しておきましょう。
独自の見解を見出しながら読む
自分なりの意見をまとめて、筆者とは異なる視点や筆者の見解を乗り越えた意見を見出すことができれば、かなり高い評価を得ることができます。
本来このような読解ができることが、小論文試験に求められる最終的なゴールです。
筆者の気づいていない視点に気づくためには、日ごろから「あらゆることに疑問をもち、自分で考えること」が大切です。
・筋道を理解して読む
・自分の体験に照らし合わせて読む
・独自の見解を見出しながら読む
次は「自分独自の意見か」というポイントの対策です!
オリジナリティある意見を考えるのが苦手です…。
今から解説することを意識すれば、誰でも独創的な意見が書けるよ!
②独自性のある意見を考える
「自分独自の意見か」という評価ポイントへの対策は「独自性のある意見を考える」ことです。
これは、他の人にはない希少な活動や経験があればとても有利になります。
・留学、ホームステイ
・生徒会長、部長、委員長
・コンテスト等で優秀な成績を修める
いや、こんな経験ないですよ!
という方でも大丈夫です。
これに関して誰でもできる対策が3つあります。
・志望分野の知識を深める
・常に問題解決意識をもつ
・他者の意見を取り入れる
上から順番に解説します。
志望分野の知識を深める
「型」を覚えなければ「型破り」ができないように、まずは志望する分野の知識を深めましょう。
志望分野の知識をあることは、評価にもにつながるので深めておいて損はありません。
基本的な知識を覚えることも良いですが、志望分野の「社会問題」や「時事問題」を中心に勉強するのが効率的です。
小論文はそうした「社会問題」や「時事問題」がテーマとして出題されやすいので、普段からニュースをチェックする癖をつけましょう。
常に問題解決意識を持つ
「この問題はどうすれば解決するのか」という意識を常に持つことが大切です。
その過程でさまざまなアイディアを思い浮かべ、実行するための手段や方法を考えましょう。
それが独自性のある意見を考える土台になってくれます。
ただ、「実現不可能なアイディア」や「突拍子もない思いつき」は試験で減点されてしまうので、「その考えに現実味があるか」をよく確かめましょう。
他者の意見を取り入れる
ある問題について他の人を意見交換を行うと、自分になかった考えに触れることができるので視野が広がります。
視野が広いほど様々な視点で物事を見ることができるので、誰も考えつかないような視点に気づくことができ、「意見の独自性」につながります。
自分一人だけで考えていても視野に限界があり、ありきたりな答えしか見出せなくなります。
そこで、友達でも先生でも親でもいいので、普段から誰かと何かの問題について意見交換を行ってください。
他者の意見は自分の知見を広めてくれるのでおすすめの方法です。
・筋道を理解して読む
・自分の体験に照らし合わせて読む
・独自の見解を見出しながら読む
最後は「正しい文章構成・表現か」というポイントの対策です!
③正しい文章構成・表現を身につける
「正しい文章構成・表現」の対策としてはそのまま「正しい文章構成・表現を身につける」ことになります。
小論文の評価に芸術点はないので、文豪のような美しい文章表現で心を動かす必要はありません。
小論文は「論理で相手を納得させる」ための文章です。
余計な表現は全てそぎ落として、無駄のない文章を作ることを心がけましょう。
注意するポイントは3つです。
・正しい構成で書く
・正しい文章表現で書く
・正しく解答用紙を使う
正しい構成で書く
小論文にはある程度決まった型があります。
よく聞くのが「序論」「本論」「結論」の3段落構成ですね。
構成や段落なしに書くとかなり減点されますので、「構成の型」は知っておく必要があります。
段落構成について詳しく解説した記事もありますのでぜひご覧ください👇
正しい文章表現で書く
小論文で使うべきではない言葉や表現を知ることで、細かいところで減点されずに済みます。
特に気を付けるべきことは以下の通りです。
・文体を統一する
→「です、ます」ではなく「だ、である」
・使ってはいけない言葉
→「話し言葉」「略語」「カタカナ言葉」
・一人称は男女とも「私」
→「僕」や「自分」などは使わない
・一文は短く
→長くても3行(60字以内)に収める
文章表現について詳しく解説した記事もありますのでぜひご覧ください👇
正しく解答用紙を使う
解答用紙のルールも減点されないように覚えておきましょう。
主なルールは以下の通りです。
・書き出しは一字下げる
・段落を変える場合も改行して一字下げる
・「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」は一文字として扱う
・句読点「、」「。」
かぎかっこ「」は一文字として扱う
→ただし、行の一番上にくる場合は、前の行の一番下に入れる
・「!」「?」「…」などの記号的表現は使わない
・縦書きの場合、数字は必ず漢数字を使う
横書きの場合は、漢数字、算用数字どちらでも可
・アルファベット
大文字は一マスに一つ
小文字は一マスに二つ
・正しい構成で書く
・正しい文章表現で書く
・正しく解答用紙を使う
採点基準を知れば合格に近づく!
小論文の採点基準のポイントは3つです。
①問題文を正しく読み解いているか
②自分独自の意見か
③正しい文章構成・表現か
各ポイントの対策は以下の通りです。
①読解力をつける
②独自性のある意見を考える
③正しい文章構成・表現を身につける
採点基準を知ればそこから逆算して、「落とされない小論文」を書くことが可能です。
各採点基準のポイントに気を付けて、しっかりとした対策を練ってください。
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