こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!
・小論文の書き方が分かりません…
・小論文って何を書けばいいの?
この記事ではこのような疑問が解決します。
小論文と聞くと、堅く難しいイメージを持つ人が多いと思います。
論文って字ばっかりの難しい文章でしょ?
小論文も似たようなものなんじゃないの?
確かに学会で発表されるような論文は、何万字というような超長文で難しいものというイメージがありますが、小論文は違います。
「構成」という設計図代わりのメモを作ることで、誰でも簡単に書くことができます。
小論文は文章を書く作業がメインだと思われがちですが、実は「構成」を決める作業が一番重要で、「構成」によって小論文が決まるといっても過言ではありません。
僕は私立高校で国語の教師をしており、推薦入試やAO入試で受験する生徒の小論文指導を毎年行っています。
その経験の中から「これから小論文の勉強を始めていこう」という受験生のために、僕が実際に教えている小論文の書き方を解説していきます!
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
小論文は構成で決まる!
あなたは小論文に取り組むときに、いきなり解答用紙に書き始めてはいませんか?
もしそうなら、それは絶対にしてはいけないやり方です。
「小論文試験に合格したい!」と考えているのなら、今から説明することをしっかりと読んで、「構成」の大切さを肝に銘じてください。
構成は小論文の設計図
設計図もなしに家を建て始める建築会社はありませんよね。
もし設計図もなしに始めると、途中で寸法が合わなくなったり、材料が足りなくなったりしてしっかりとした家は完成しません。
これは小論文でも同じことが言えて、「構成」がないと途中で意見がブレたり、字数が足りなくなってしまい、得点の高い小論文は書けません。
評価の高い小論文を書くためにも、原稿用紙に書く前に必ず「構成」を作るようにしてください。
小論文の構成とは
ここで言う構成とは段落構成のことです。
与えられた課題文やテーマに対して
・自分の意見はこうである
・最初の段落の書き始めはこうする
・次の段落ではこれを書く
・最後の段落ではこうまとめる
というように具体的にどこに何を書くかをあらかじめ決めたものです。
構成は普通メモとして問題用紙の空いている部分や、配布されるメモ用紙などに書きます。
原稿用紙に本書きするのは、構成が完全に整ってからです。
小論文の構成は「序論・本論・結論」
う~ん、構成の大切さは分かったけど…構成を考えている間に時間終わっちゃうよ!
大丈夫です!
小論文の構成には型があり、その型通りに書いていけば時間が無くなることはありませんし、見当違いな文章になることもありません。
今から紹介する構成の型を覚えておけば、あらゆる出題形式の小論文に対応することができます。
その型とは
・序論
↓
・本論
↓
・結論
の三段落構成です。
指定字数が1000文字以上と長い場合は、本論の部分を二段落に分けて四段落構成にすることもできます。
ただ、「小論文の構成は『序論・本論・結論』です!」といわれてもそこに何を書けばよいのか分かりませんよね。
次の章では「序論・本論・結論」の三段落構成の中に、具体的に何を書くのかを解説していきます。
小論文の正しい構成
「序論・本論・結論」は、あらゆる小論文の出題形式に対応できる万能な構成の型です。
ただ、間違った「序論・本論・結論」の使い方をしている人がとても多いです。
・序論
これから論じることを簡潔に紹介する
・本論
序論を詳しく解説する
・結論
全体を総括して簡潔にまとめる
このような内容で書いてしまうと
あ、あれ?
さっきから同じことを何度も書いてる気がする…
こんな風になってします。
正しい「序論・本論・結論」の使い方は
・問題提起(序論)
↓
・原因分析(本論)
↓
・解決策(結論)
このような内容で書くことです。
各段落の内容はそれぞれ別になるので、同じことを何度も書くことはなくなります。
では各段落に具体的に何を書けばよいのかを解説します。
序論は問題提起
最初の段落である序論には「問題提起」を書きます。
「問題提起」とは与えられた課題に「どのような問題点があるか」を明確にすることです。
さらに具体的に言うと「問題点」とは「お金」や「命」に実害が出るような重大な要素の方が説得力が高いです。
例
電車内のマナーについてあなたの意見を述べなさい。
このようなテーマ型の課題が与えられたとします。
近年電車での携帯電話のマナーの悪さが目立っている。特に電車内で化粧をする女性は見苦しく、見ていて不快感を覚える。
👆の問題提起は、確かに電車内のマナーについて述べていますが「実害」があるわけではないし人によって見方も変わってきます。
こうした主観が強い問題点を挙げてしまうと、説得力の弱い小論文になってしまいます。
電車内でマスクもせずにせきやくゃみをしている人がいる。密閉された空間である電車内ではウイルスの感染リスクが高まるので、マスク着用を義務化すべきだ。
👆の問題提起は幼児から高齢者まで「命」に関わり、「実害」が発生する問題です。
このような問題提起だと、解決策の重要性が高まるので小論文全体の説得力も高まります。
問題提起(序論)では、「命」や「お金」に実害がでるような重大な問題を取り上げましょう。
本論は原因分析
原因分析(本論)は、問題提起(序論)で取り上げた「問題点」について「なぜそのような問題が起こるのか」を詳しく論じて解決策(結論)につなげます。
原因分析の段落が小論文のメイン部分で、600字程度であれば一段落、800字以上であれば二段落にすると文全体のまとまりが良くなります。
原因分析で具体的に使える材料は、3つあります。
①知識・情報
取り上げた問題点に関する自分の知識や、情報から原因を分析します。
知識・情報を用いる場合は確実に正しいということが分かっているものを使うようにしましょう。
自分の主観やイメージだけで書いてしまうと、説得力のある文章にはなりません。
特に数字を使う場合は、確実なデータを明記しなければなりません。
ただ、確実なデータの説得力は最強です。
志望分野の頻出テーマに関するデータは、いくつか覚えておくと有利になるのでおすすめです。
日本の20代の社会人は勉強しない傾向にあり、それが日本が世界に経済的な遅れをとることに繋がるのではないかと思われる。
👆は「日本の20代の社会人は勉強しない」という情報が、確実かどうかは分からないので説得力に欠けます。
日本が世界に経済的な遅れをとっている原因の一つに、日本の20代の社会人の1週間の平均勉強時間は6分であるという調査結果が密接にかかわっていると考えられる。
👆のように具体的な数字のデータを出すだけで、説得力が断然高まります。
嘘のデータはすぐにバレるから、自信がないときは「体験・経験」を使おう!
②体験・経験
取り上げた問題点に使える確実な知識・情報ない場合は「自分の体験・経験」を使うのがセオリーです。
「自分の体験・経験」は具体的であればあるほど良いです。
注意点として体験・経験を書いているうちに長くなり、作文のようにどんどん本筋からずれてしまう傾向があります。
コツとしてははじめに抽象的に書いて、その例として体験・経験を書いていくと作文のようにダラダラしたものになりません。
SNSは実名制のほうがよいと考える。なぜなら実名制にすることで自分の発信内容に責任を持てるからである。私は現在実名・匿名の二つのSNSアカウントをもっており…
というようにすると、体験・経験を書きすぎるということはなくなります。
③引用・資料
資料読解型の小論文では「引用・資料」をうまく使うことが求められます。
取り上げた問題点に関わるデータや筆者の意見を使って、原因を分析します。
注意点としては、資料からデータを用いる場合は要約して重要な所だけを抜き出すこと、筆者の意見を用いるときは自分の意見と明確に区別することが大切です。
データばかり羅列した文章や、ほとんど自分の意見の入っていない文章になってしまうのであくまでも「引用・資料」は必要最低限にとどめることを、心がけてください。
結論は解決策
取り上げた問題点とその原因分析が終わったら、最後に具体的な「解決策」を述べて小論文を締めくくりましょう。
よく結論に全体を総ざらいした「まとめ」を書く人がいますが、「まとめ」が必要なのは1万字を超えるような本格的な論文の場合で、入試小論文に「まとめ」はいりません。
解決策で気を付けるポイントは
・具体的な解決に結びついているか
・現実的に可能な解決策か
上記の2点です。
例
津波の被害を最小限に抑えるための解決策とは?
①津波のない地域に移住する
②沿岸部全域に防潮堤を作る
①の解決策は根本的な解決に結びついていないですよね。
人間そんな簡単に移住することはできません。
②の解決策もコストがかかりすぎるし、漁業にも影響をきたすので現実的ではあません。
災害時の避難マップを作り、高台まで上がれる避難経路を多数確保する。
👆の解決策は具体的かつ現実的な案なので、解決に結びついています。
結論ではしっかりと解決策を提示して、論を締めくくるようにしましょう。
小論文の正しい構成をしっかりと覚えてから勉強を始めよう!
小論文は構成が大事!
・問題提起→原因分析→解決策
・問題提起(序論)
どのような問題点があるか
「命」「お金」に実害が出ること
・原因分析(本論)
なぜそのような問題が起こるのか
①知識・情報
②体験・経験
③引用・資料
・解決策(結論)
・具体的な解決策か
・現実的に可能な解決策か
小論文を書く前には必ず「構成」を作るようにしましょう。
これがなければ必ず失敗します。
合格する人は全員この「構成」を作ってから書きだしているので、合格したければ絶対にやりましょう。
最初にも触れましたが「構成」は必ず「メモ」にして、問題用紙などの空きスペースに書いてください。
➡【具体的な構成メモの書き方】を例文付きで徹底解説したページはこちら
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