小論文

小論文における評価の高い体験談の書き方【本論】

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ハイク先生

こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!

・小論文の本論に何を書けばいいかわからない

・体験談はどうやって書けばいいの?

このような疑問を解決するために、小論文の本論に主に用いられる「体験談」の具体的な書き方をまとめました!

さくら

体験談を書いているうちに、どんどん本題からずれていっちゃう…。

小論文を書いていて、このような状態になってしまった人は少なくないと思います。

それは体験談の書き方を知らないからで、書き方さえ知っていればなんのことはありません!

さくら

体験談ってこう書けばいいんだね!

あなたも体験談の書き方を知って、小論文試験に合格しましょう!

著者 新堂ハイク 29歳

・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任)
・難関大受験、小論文指導実績500人以上
・教育メディア運営6年(月間10万PV)
・執筆300記事以上、掲載企業50社以上

実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!

小論文における体験談の役割

小論文の構成の中で大部分を占めるのは「本論」です。

本論には序論で述べたことの展開という重要な役割があり、本論に何を書くかによって説得力が変わります

説得力のある文章は、高い評価を受けますので本論の内容は合格を左右します。

では本論には何を書けばよいのでしょうか。

本論に書くこと

小論文の構成のコツを徹底解説!の記事でも詳しく解説していますが、基本的に本論は「問題に対する原因分析」を行う段落です。

①知識・情報
②体験・経験
③引用・資料

このような要素を使って問題に対する原因を分析し、解決策につなげます。

このとき①「知識・情報」は正確なデータを記憶している必要があり、③「引用・資料」はそもそも資料がなければ書くことはできません。

➡小論文の引用の書き方を徹底解説!

つまり基本的に本論は②「体験・経験」を使って書いていくことになります。

本論における体験談の役割

小論文のメイン部分が本論であり、本論のメインになるのが「体験談」です。

体験談は小論文における核となる部分です。

体験談をしっかり書くことができれば、論理的で評価の高い小論文になるのです。

さくら

体験談が重要なのは分かりました。
でも私、小論文にかけるようなすごい体験なんてしたことないです…。

ハイク先生

大丈夫です!
3つの要素を覚えれば誰でも「評価の高い体験談」が書けます!

評価の高い体験談の書き方

説得力がある「評価の高い体験談」を書くには3つの要素が重要です。

①自分の体験と照らし合わせる
②具体例をあげる
③課題の問題点を自分なりに考える

これらの要素が抜けている体験談は、ダラダラと長くなったり、なぜそれを書いたのか分からないような内容だったりと評価が下がっていしまいます。

さくら

部活・委員会・学校行事・留学・ボランティア活動・バイト・テスト・資格などなど何の実績もありせん…

という人も①~③のことを意識すれば、評価の高い体験談が書けます!

では具体的に①~③を詳しく解説していきます。

①自分の体験と照らし合わせる

「自分の体験」というものは「自分独自の視点」になります。

こちらの記事でも解説していますが、「意見の独自性」は採点基準でも重要視されています。

この「自分の体験」とは誰かから聞いたり、本やテレビで得たような「第三者の体験」(間接的な体験)より、自分が現場で見聞きした直接体験のほうが望ましいです。

直接体験を自分の中から引っ張ってくるためには、自分の今までの活動を整理しておく必要があります。

・部活
・委員会
・学校行事
・留学
・ボランティア活動
・アルバイト
・テストの成績
・資格

何の実績もないという人は、「人との関わり」という万能カードを使いましょう。

・友人、先輩、後輩との関わり
・先生との関わり
・家族、親族との関わり
・地域の人との関わり

小論文の頻出テーマ一覧でも解説していますが、小論文では社会問題に関するテーマが多く出題されます。

社会問題のほとんどは「人との関わり」の中で起こる出来事です。

自分の「人との関わり」を整理しておけば、学校生活でこれといった実績を残していなくても評価の高い体験談を書くことができます。

②具体例をあげる

自分の体験談は、具体的であればあるほど評価が高いです。

具体的に書けるということは、体験談の信頼性にもつながります。

ここで言う具体的とは、「いつ・どこで・誰が・何を・どうした」というようなデータ的なものではありません

できるだけ簡潔に分かりやすく、エピソードの概要をまとめることが求められます。

この「簡潔にまとめる」ということができていない小論文は、ダラダラと体験談が長くなり話が本題からそれてしまいます。

簡潔にまとめるためには、テーマに素早く入ることを意識しましょう。

良い例と悪い例をあげます。

例題
SNSの実名制導入について、あなたの意見を述べなさい。

私はTwitterとインスタグラムというSNSを使っており、どちらも匿名でアカウントを持っている。SNSは携帯電話を買ってもらった高校1年生から始めた。SNSを始めようと思ったきっかけは友人に誘われたからで、最初は興味本位で始めたのですが、今では生活の中心になってしまっている。

私は現在SNSで匿名のアカウントを持っている。匿名で発信できることにより少し偏った意見や、攻撃的な発言をしてしまうときもある。しかしSNS上の誹謗中傷が問題になっている現在、自分も匿名のアカウントから誹謗中傷のような意見を言われたこともある。もしSNSが実名制ならこのようなことは起きたのだろうか。

悪い例では、余計な情報が多く「SNSの実名制導入」という問題に対する自分の意見になかなか入ることができていません。

良い例のように自分の体験は、簡潔にまとめてテーマに対する意見に素早くつなげていくことが大切です。

③課題の問題点を自分なりに考える

具体的な体験談を通して自分なりに考えることが、小論文の本論では最重要です。

問題提起(序論)
 ↓
・原因分析
(本論)
 ↓
・解決策
(結論)

参考:小論文の書き方・構成のコツ

小論文の基本的な段落構成は上記の通りです。

本論では具体的な体験談を通して、テーマの原因分析をし、最終段落の解決策につなげると論理的な構成になります。

自分なりの原因分析をするためには、「反論」を用意するとやりやすいです。

例題
SNSの実名制導入について、あなたの意見を述べなさい

(自分の経験から考えたこと)
自分が匿名のアカウントから誹謗中傷を受けた経験から、SNSは実名制を導入するべきだと考える。

(反論)
しかし、実名制になると正しい批判が行えなくなるのではないかという意見がある。

(反論に対する意見)
人格否定は批判ではない。正しい批判を実名ですることはその人の信頼性につながる。

あなたの意見に対する反論を、乗り越えて論を進めることができれば説得力が上がります。

「小論文における反論の重要性」について解説したページのありますので、ぜひ参考にしてください👇

小論文の勉強の仕方でも触れていますが、普段から社会問題に対する自分の意見を持ち、それに対する反論を考えておくことが大切です。

体験談の例文

ここまでの内容をまとめておきます。

①自分の体験と照らし合わせる
②具体例をあげる
③課題の問題点を自分なりに考える

①で重要なのは「人との関わり」を整理することです。
②では具体的かつ簡潔にエピソードをまとめることを意識しましょう。
③では自分の意見に対する反論を用意すると、最終段落につなげやすくなります。

最後にまとめとして以上の3つの要素を意識した、例文を紹介します。

例題
SNSの実名制導入について、あなたの意見を述べなさい

 私は現在SNSで匿名のアカウントを持っている。匿名で発信できることにより少し偏った意見や、攻撃的な発言をしてしまうときもある。しかしSNS上の誹謗中傷が問題になっている現在、自分も匿名のアカウントから誹謗中傷のような意見を言われたこともある。見ず知らずの人に心ない言葉を浴びせられ私の心は深く傷ついた。もしSNSが実名制ならこのようなことは起きたのだろうか。
 SNSが実名制になれば、いきすぎた人格否定や脅迫などは法律で禁じられているため、誹謗中傷問題はある程度抑えられると私は考える。
 しかし、実名制になると正しい批判が行えなくなるのではないかという意見がある。誰も批判ができなくなれば、権力者の暴走など実生活に被害が出る可能性がある。
 私は「批判」と「中傷」の線引きの明確化をすればその問題は解決できると考える。人格否定は批判ではないという認識を各個人が持つことが大切である。さらに、正しい批判を実名ですることはその人の信頼性にもつながる。

ここから最終段落の「解決策」につなげていきます。

ハイク先生

これで本論はバッチリだね!

序論の書き方も解説しています!👇

無料で読める!【小論文の書き方完全ガイド】はこちら!👇

質の良い「体験談」で評価を高めよう!

評価の体験談の書き方をおさらいします。

①自分の体験と照らし合わせる
②具体例をあげる
③課題の問題点を自分なりに考える

体験・経験は自分だけのものです。

その独自性が独創性のあるアイディアを生み、採点者を唸らせる小論文に仕上がります。

貴重な体験をすることが一番大切ですが、「人との関わり」をしっかり意識すればどんな人でも質の良い体験談を書くことができますので、覚えておきましょう。

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ハイク先生

以上で本記事は終了です!

さくら

最後までご覧いただきありがとうございました!