こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!
小論文の書き始めが分からない…。
このような疑問を解決するために、小論文の書き出しの方法についてまとめました!
書くことは決まったけど、どう書き始めていいか分かりません…。
小論文は書き出しが難しいですよね。
自分の意見や結論はまとまったのに、なかなか書き出せない生徒を僕は何人も見てきました。
書き始めることができれば、スラスラかけるのに…。
そんな悩みを解決する方法として、書き出しのパターンを7つ紹介します!
覚えておけばあらゆる出題形式に対応できるので、ぜひ最後までご覧ください。
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
小論文の書き出しの方法7選
小論文の書き出しをスムーズに行うために、典型的な7つの書き出しの方法をまとめました。
1.意見提示をする
2.賛成、反対を示す
3.一般論から広げる
4.自分の経験から始める
5.具体例を出す
6.課題文を引用する
7.テーマの解説をする
小論文の構成は「序論・本論・結論」の三段落構成が一般的で、書き出しは序論の部分にあたります。
序論は採点者の印象を決める重要な部分なので、変な書き方をして減点されないように注意しましょう。
上にあげた7つの方法で書き始めれば、減点されることはまずありません。
ここでは一つのテーマをもとに、例文を使って解説するので参考にしてください。
例題
「SNSの実名制の導入」についてあなたの意見を述べなさい。
1.意見提示をする
意見提示とは簡単に言うと、結論を先に示すことです。
~に対して私は○○と考える
~の問題点は○○と主張する
このように問題点やテーマに対して、自分の意見を一番最初に述べます。
え、先に結論言っちゃっていいんですか?
大丈夫です!
最終的に結論で同じ内容を述べることになっても、「なぜそのような考えに至ったのか」という部分が大事だからです。
この意見提示は一番オーソドックスな書き出し方で、ほぼすべてのテーマや出題形式に応用できます。
また応用として
○○について私は3つの点について論じていく。
1点目は~で、2点目は…
というように全体の構図を示す方法も、採点者に読みやすさがアピールできるのでおすすめです。
論じる内容について列挙した後に、本論で詳しく解説しましょう。
例題
「SNSの実名制の導入」についてあなたの意見を述べなさい。
書き出しの例文
SNSの実名制の導入について、私は現在の技術力では難しい問題であると主張する。SNSを実名制にすることは、個人情報を公開し続けることと同義であり、個人情報保護の観点から安全性が疑わしいと考える。その根拠は3点ある。(105字)
2.賛成、反対を示す
テーマに対する自分の立場を明確にする方法です。
私は○○に賛成である。以下に理由を述べる。
私は○○に反対の立場である。なぜなら~
このように取り上げたテーマに、賛成・反対のどちらかの立場であることを表明し、その理由を論じていきます。
問題文に「賛成・反対の立場を明確にして述べよ」と指定がなくても、このように書き出して大丈夫です。
一度立場を決めたら文中で意見がブレないようにしっかりと構成し、反対の立場の意見(反論)にも触れると、高得点になります!
例題
「SNSの実名制の導入」についてあなたの意見を述べなさい。
書き出しの例文
SNSの実名制の導入について、私は賛成の立場である。近年、SNS上の誹謗中傷を苦に自殺する有名人のニュースが後を絶たない。SNSを使用するためには、実名を公開しなければならない社会になれば、このような痛ましい事件は減少すると考える。では、SNSの実名制が社会にどのような影響を与えるかを考える。(139字)
3.一般論から広げる
世間一般の考え方ではどうか、という視点で始める方法です。
一般的に○○については、~と考えられているが、私は一概には言えないのではないかと考える。
世間では○○というと~なイメージがあるが、果たしてそれは正しい認識といえるのだろうか。
一般的な考え方から、少し視点をずらした意見を提示するときに有効な方法です。
注意点としては、知識が頭にしっかり入ってないとできないということです。
テーマに自信があるときに使ってみよう!
例題
「SNSの実名制の導入」についてあなたの意見を述べなさい。
書き出しの例文
SNSの実名制が導入されると、「言論統制である」や「表現の自由が侵害される」などという意見が出ると考えられる。しかし、私は、SNSに実名制が導入されようとも、そうした問題は起こらないのではないかと考える。SNSの匿名性、実名制の両方の良さについて触れながら論じる。(129字)
4.自分の経験から始める
与えられたテーマに対する、自分の体験談から書きだす方法です。
□□について私は中学生の時に実際に○○をしたことがあり、そこから得られたことは~
この方法も「賛成・反対」と同じように問題文に「自分の経験・体験から述べよ」と指定がなくても、このように書き出して大丈夫です。
留学や生徒会長などの希少な体験がある人は、さまざまな活動に取り組んでいることもアピールできるのでおすすめです。
例題
「SNSの実名制の導入」についてあなたの意見を述べなさい。
書き出しの例文
私はSNSは実名制を導入はすべきであると考える。私自身もSNSアカウントを所持し、ネット上でのコミュニケーションを日々行っているが、匿名のアカウントに誹謗中傷を受けたことがある。これは匿名性の弊害であり、同じような経験をもつ人も多いと思う。SNSの匿名性における問題点を指摘し、実名制の利点について論じる。(147字)
5.具体例を出す
ニュースなどから、テーマに関する実際の出来事を提示して書き始める方法です。
近年○○という問題が世間を騒がせているが、この背景には□□という要素があり~
一般論と似た構成になりますが、これも知識が必要不可欠です。
また具体例を序論に出してしまうので、本論では自分の意見中心の内容を構成しなくてはいけません。
ただ書き出しの方法としては、他よりも採点者の目をひけるので、自分の意見に自信がある場合に使ってみることをおすすめします。
例題
「SNSの実名制の導入」についてあなたの意見を述べなさい。
書き出しの例文
SNSの実名制の導入と関係して、誹謗中傷を苦に自殺した有名人のニュースが記憶に新しい。言葉は時に人を傷つけ、死に至らしめる凶器となってしまう。SNSで匿名の誹謗中傷を受けても、発信者を特定することは難しく、今後似たような事件が起きることも想定される。私たちはSNSの実名制とどう向き合うべきなのだろうか。(147字)
6.課題文を引用する
課題文読解型や、資料読み取り型の出題形式で使える書き出しの方法です。
筆者は「○○」と結論づけているが、私はこの考え方には問題点が二つほどあると考える。
「○○について」の図1と図3を比較した結果、□□という問題が浮かび上がってきた。これについて私の考えを述べる。
ポイントとしては、引用部分を明確にすることです。
課題文の文章を自分の意見のように使っているとみなされてしまうと、減点となるので、「」や””を使って引用部分が採点者に分かるようにしましょう。
例題
「SNSの実名制の導入」について課題文を読んで、あなたの意見を述べなさい。
書き出しの例文
SNSの実名制の導入について、筆者は「実名制が導入されることによって、コミュニケーション能力が低下する」と述べているが、私はこの考え方に反対である。理由は3つある。(80字)
7.テーマの解説をする
テーマがモノやサービスなどの場合、書き出しに解説を入れると知識をアピールできるのでおすすめです。
IoTとはモノをインターネットに接続する技術のことで、遠隔地からモノを動かしたり、モノ同士で通信を行えるので、さまざまな分野・領域での活用が期待されている。では、IoTのもたらす未来にはどのようなことが期待されるだろうか。
「○○とは」という説明から入ると非常に書き出しやすいです。
特にこれから論述していく部分の説明を入れると、スムーズに本論に入ることができます。
注意点としては、テーマに関する知識が必要で、説明が長ったらしくならないように簡潔にまとめることが大切です。
例題
「SNSの実名制の導入」についてあなたの意見を述べなさい。
書き出しの例文
現在実名制を導入しているSNSは「Facebook」である。「Facebook」とは、顔写真付きの実名を公開することを条件に、アカウントを作成できるSNSで、日本では2000万人が利用している。実名制を導入して成り立っているSNSがある以上、私はSNSの実名制の導入は問題ないと考える。(118字)
同じ問題でも、7つも書き出し方を変えることができるんですね!
今回紹介した7つの書き出しパターンを使えば、どんな問題が出てきても対応できます!
最後に、覚えておいて欲しい「書き出しの注意点」を解説します!
書き出しの注意点
小論文を書き出すときに気を付けることをまとめています!
書く前に必ず構成をつくる!
試験開始と同時にいきなり解答用紙に書きだしてはいけません!
書く前に構成のメモをつくって、完全に書くことが決まってから解答用紙に清書していくのが小論文の基本的な解き方です。
書き出しも採点者の印象を左右する大切な要素ですが、合格したいなら構成が何よりも大切です。
簡潔に書くことを意識!
長々と序論を書いても高得点にはつながりません。
あくまでも序論は問題提起です。
今から論じることの「何が問題」で「自分はどう考えているのか」がメインになるので、序論は必要最低限で大丈夫です。
序論は1行2行程度でも大丈夫です!
分からなければ意見提示
どうしても書き出せない…。
そんなときは、一番はじめに紹介した意見提示が一番失敗なく無難です。
私はこの問題に対して○○と考える。
↓
問題の原因分析
意見の理由
↓
解決策
このような流れは一般的な小論文でよく見られます。
小論文に芸術点なんてないので、書き出しや構成は典型的なもので十分です。
大切なのは内容です!
書き出しに悩むくらいなら典型的なものにして、内容を考える時間を増やしましょう!
減点される書き出しは?
最後に減点される書き出しについて解説します。
・課題文の引用が長い
→引用はあくまでも補足!
自分の意見が大事です。
・私は~、を繰り返す
→同じ表現を使うのは極力避けよう
文章を書いているのは自分なので、何度も「私は~」という必要はありません。
・指定された答え方になっていない
→書き出しにこだわりすぎて、賛成・反対か立場を明確にしていなかったり、引用を忘れているなどは減点です。
まずは落ち着いて問題文の答え方を確認しよう。
文章表現の美しさは採点基準にありません!
フレーズにこだわる前に、内容にこだわろう!
書き出しは採点者の印象を決めます!
1.意見提示をする
2.賛成、反対を示す
3.一般論から広げる
4.自分の経験から始める
5.具体例を出す
6.課題文を引用する
7.テーマの解説をする
書き出しの方法は7つあり、一番オードックスなのは意見提示です。
できるだけ簡潔に書きましょう。
1行2行でもかまいません。
書き出しももちろん大事ですが、一番大事なのは内容です。
書き出しにこだわりすぎて、肝心の内容を考える時間が取れなかったのではもったいないです。
上記の7つの方法を覚えれば、時間短縮にもなりますのでぜひ参考にしてください!
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以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!