こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!
大学受験で漢字の勉強は必要?
現役国語教師の僕が結論から言うと、大学受験での現代文の漢字の勉強は必要です。
なぜなら毎年大学入試では、1~2点の差で合格・不合格が決まる人が数多くいるからです。
でも、現代文の漢字って配点が低いし、勉強する時間もないです。
1点を笑うものは、1点に泣きます。
このページでは、効率的な漢字の勉強法も紹介します!
・漢字の勉強は必要か?
・効率的な漢字の勉強法
・漢字はいつから勉強する?
・漢字のおすすめ参考書
このページを読めば、1~2点の差で不合格になることはありません!
ぜひ最後までご覧ください!
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
大学受験で漢字の勉強は必要か?
大学受験での現代文の漢字の勉強は、絶対にやるべきだと僕は思います。
手始めに、大学入試の漢字の頻出問題を10個用意したので、解けるかどうか考えてみてください。
例題
1.文明のオンケイを受ける。
2.圧倒的な力でクンリンする。
3.フダンの努力を続ける。
4.恩師のクントウを受ける。
5.社会のチツジョを守る。
6.流暢にフランス語を話す。
7.忽然と姿を消す。
8.故人を忍ぶ弔問客が訪れた。
9.しっかりと咀嚼してから飲み込む。
10.大工の棟梁の指示を待つ。
いくつ解けたでしょうか。
もしすべて余裕で解くことができるのであれば、漢字に勉強時間をとる必要はありません。
1問でも解けなければ、入試本番で点を落とすことになるかもしれませんので、勉強を始めましょう。
でも、どれくらい勉強すればいいんですか?
文系とか理系とか、私立とか国公立とかで人によって違うんじゃないですか?
もちろん漢字の勉強は得意・不得意以外にも、人によって違いがあるので、詳しく解説します。
例題の解答
1.恩恵 2.君臨 3.不断 4.薫陶 5.秩序
6.りゅうちょう 7.こつぜん 8.ちょうもん 9.そしゃく 10.とうりょう
理系と文系による違い
・国公立理系
→共通テストでのみ現代文を使う
・国公立文系
→共通テストと二次で現代文を使う
国公立理系の場合は、共通テストでのみ現代文があるので、共通テストの漢字問題対策をしていく必要があります。
国公立文系の場合は、共通テストと二次でも現代文を使う場合が多いので、二次試験の漢字対策もしなければなりません。
・私立理系
→現代文を使わない入試が可能
・私立文系
→一般入試で現代文を選択可能
私立理系の場合は、入試で現代文を使わなくても良いので、漢字の対策は不要です。
私立文系の場合で、一般入試で現代文を選択する場合は、漢字の対策が必要になります。
対策の重要度としては、
国公立文系>私立文系>国公立理系>私立理系
このようになります。
共通テストの現代文の漢字問題
国公立文系、国公立理系、私立文系(共通テスト利用)で受験する人は、共通テストの漢字問題を対策していく必要があります。
共通テストの現代文の漢字問題
・1問2点の問題が5問 計10点分
・選択式
共通テストの現代文では、10点分の漢字問題が出題されます。
選択方式なので記述する必要はありませんが、しっかりと漢字の知識が頭に入っていないと解けないような問題になっています。
例題 2019年センター試験現代文 第一問
個別の文章や単語をタンネンに検討する。
①イッタン休止する。
②タンレンを積む。
③タンセイを込める。
④タンカで運ぶ。
⑤計画がハタンする。
共通テストの国語は1問1問の配点が4点~8点とかなり高く、東大志望の受験生でも失敗することが多いやっかいな科目となっています。
そのため漢字の問題で確実に得点しなければ、高得点を目指すことは不可能です。
解答 ③
個別の文章や単語を丹念に検討する。
①一旦 ②鍛錬 ③丹精 ④担架 ⑤破綻
解答のコツとしては、消去法でガンガン消していくことが大切です。
共通テストの国語は、短時間で大量の文章を理解して処理していかなければなりません。
いちいち全部の漢字を書いていたら時間が足りなくなるので、書く前から違うと分かっている選択肢をすぐに消して、迷った選択肢のみ実際に書いてみることがオススメです。
私立一般・国公立二次の現代文の漢字問題
国公立文系・私立文系で現代文を選択して受験する人は、共通テストとは違う対策をしていく必要があります。
私立・国公立の現代文の漢字問題
・各大学で違うが、5点~15点程度
・私立は選択式、国公立は記述式
共通テストの漢字問題と違う点は、記述問題がある点です。
実際に漢字を書く必要があるので、確実に漢字を覚えておかなければなりません。
ただ、私立一般でもマークシート方式の大学は選択式で、共通テストと同じような問題が出ます。
また、国公立二次でも難関大学になればなるほど、漢字の出題率は下がってきます。
自分の志望校がどれくらい漢字問題を出題しているか、を過去問で分析しましょう。
漢字を勉強するメリット
ん~、でもなんか漢字の勉強って気が進まないな~。
特に漢字が苦手な人は、たった10点程度の配点のために勉強するのは気が進まないですよね。
そんな人に向けて、少しでもモチベーションが上がれば良いと思って「漢字を勉強するメリット」を現役国語教師の僕が解説します!
・国語の成績が上がる
・語彙力がついてコミュ力が上がる
・漢検などの資格に挑戦できる
国語の成績が上がる
漢字に強くなれば、文章に強くなれるので国語の成績はアップします。
これは現代文だけでなく古典・漢文でも同様で、特に漢文は漢字を知っていれば知っているほど有利になる科目です。
手っ取り早く「国語の成績を上げつつ、受験対策がしたい」という人は、漢字の勉強がオススメです。
さらに言うと国語だけでなく「日本史」「地理」「公民」「小論文」などの科目でも、受験レベルの漢字を身につけていることが役に立ってくれます。
語彙力がついてコミュ力が上がる
漢字をたくさん知るということは、日本語をたくさん知るということです。
日本語をたくさん知れば、会話のバリュエーションが増えてコミュニケーション能力が高くなります。
特に、自分より年上の人と話す機会があれば、難しい言葉を知っている方が会話がスムーズになります。
漢字を勉強したら、コミュ力が上がるのは意外です!
漢検などの資格に挑戦できる
漢字を勉強しているうちに、全国的な知名度抜群の漢字検定に挑戦するという選択肢も出てきます。
漢検を持っていれば、願書や履歴書の資格欄に書くことができます。
漢検のレベル
・3級 中学校卒業程度
・準2級 高校在学程度
・2級 高校卒業程度
就活では2級から資格欄に書くことができ、レベルも高校卒業程度なので、時間があれば受験対策を並行して受けてみると履歴書に書ける資格が増えて充実します。
もちろん、大学入試でも漢検は評価されるのでぜひ受けてみてください。
大学受験の漢字の勉強法
漢字の勉強で重要なのは、スキマ時間を有効活用することです。
漢字の配点は10点程度と、見逃すことはできませんが決して高くありません。
漢字の勉強に時間をかけすぎるのは効率的ではないので、最小限の時間で最大限の効果が得られるような勉強法を解説します。
・参考書を使う
・間違えた漢字を中心に復習
・スキマ時間にアプリで勉強
参考書を使う
大学入試で頻出の漢字は決まっているので、それをまとめた参考書を使うことで効率よく勉強することができます。
参考書は1冊と決めて、その1冊を何周もして完璧に仕上げる勉強法がオススメです。
また漢字を覚えていく際に、熟語の意味についてもセットで覚えておくと語彙力の向上につながります。
評論文の読解では、難しい語句の意味を理解できるかどうかで解きやすさが大きく違います。
たくさんの言葉の意味を知ることで、入試現代文に確実に強くなることができます。
間違えた漢字を中心に復習
・模試、過去問、定期テストで間違えた漢字
・参考書で間違えた漢字
・日常生活で分からなかった漢字
これらの「自分が間違えた漢字」を中心に復習することで、知識の定着率が上がって漢字に強くなります。
特に模試や過去問で出題された漢字は、入試頻出の物が多いので本番でも出題される可能性は高いです。
オススメなのは漢字用の「復習ノート」を作って、それに自分が間違えた漢字をオレンジのペンなどで書いていき、赤シートで消しながら暗記する方法です。
古典的な方法ですが、かなり効果が高い方法です。
スキマ時間にアプリで勉強
漢字の勉強は必要最小限で抑えたいので、スキマ時間を活用することが大切です。
もちろん参考書などを使ってスキマ時間に勉強するのもいいのですが、アプリを使えばかなりお手軽に勉強することができます。
アプリを使って勉強する際の注意点ですが、スマホを使うのでSNSやYouTubeなどの娯楽に流れないように時制することが大切です。
また、記述問題の試験がある人は、アプリだけでなく実際に書いて覚える必要があるので、書いて覚える勉強も欠かせないようにしましょう。
大学受験の漢字はいつから勉強する?
大学受験に向けた漢字の勉強はいつからすればいいのか、学年別で解説します。
・高校1年生の場合
・高校2年生の場合
・高校3年生の場合
高校1年生の場合
・漢字が得意
→余裕があれば漢検に挑戦しよう
・漢字が苦手
→すぐに勉強を開始しよう
漢字が苦手な人は少しずつでいいので勉強しないと、受験生になってから対策するのではかなり厳しくなります。
1日10分程度でもいいので漢字に触れておいて、苦手意識をなくすところから始めましょう。
漢字が得意な人は、余裕があれば今のうちに漢検などの資格に挑戦していると漢字の基礎力が固まります。
高校2年生の場合
・漢字が得意
→資格取得を兼ねて漢検準2~2級を受けよう
・漢字が苦手
→漢検3級から受けてみよう
高校2年生が資格取得の余裕のある最後の年になりますので、あらゆる資格の中でも取得難易度がかなり低い漢検を受けてみることをオススメします。
漢検と大学受験ではもちろん出題形式も異なりますが、漢検を受けることで確実に対策になります。
大学の願書にも資格を記入できるので、ニガテでも得意でも受験を考えてみてください。
また、高校2年生の最後の方までには、大学受験用の漢字の参考書を買って1周は解くようにしましょう。
高校3年生の場合
・漢字が苦手
→夏休み前ごろから計画的に勉強しよう
・漢字が得意
→夏休み明けからスキマ時間に少しずつでOK
高校3年生の受験生の場合は、夏休み前後から漢字の勉強をスタートさせましょう。
漢字は基礎の分野に当たるので、直前に勉強するには遅すぎます。
受験生は夏休みを利用して基礎固めを行うのが受験の定番なので、苦手な人は夏休み前から1日10分程度でも勉強すると夏休み明けの受験勉強がスムーズに行えます。
漢字が得意な場合は、夏休み中は漢字の勉強時間を他の苦手な科目にあてて、夏休み明けから少しずつやればOKです。
大学受験の漢字のオススメ参考書3選
大学受験の漢字の参考書は内容自体はどれも似たり寄ったりなので、目的別で選ぶようにしましょう。
・何冊も買わずに1冊に絞る
・自分に合った難易度、収録範囲のものを選ぶ
・志望大学の出題内容を見て決める
そうは言っても、本屋さんに行くとたくさんあってどれがいいのか選べません…。
そんな人に、現役国語教師の僕がオススメ参考書を3つまで絞って紹介します。
ほとんどの人は「入試漢字マスター1800+」をやれば十分です!
入試漢字マスター1800+
難易度 | 普通 |
値段 | 900円 |
漢字の「読み」と「書き」がそれぞれレベル別に分けられており、どちらか一方が苦手や得意の場合は、対策がしやすい参考書です。
共通テストにも対応しおり、最新の入試データを分析して入試に必要な約1800個の漢字問題が収録されています。
つくりがシンプルで1800字もの頻出漢字に対応しているので、この1冊で共通テスト~国立二次までの受験漢字はカバーできます。
この参考書の大きな特徴としては、漢字の意味が横に書いてあることです。
漢字とその意味を同時に覚えられることで、語彙力の強化にもつながります。
迷ったらこれで間違いない!と言える定番の参考書です!
銀の漢字
難易度 | 簡単 |
値段 | 660円 |
短期間で集中して、漢字の対策がしたいならオススメの1冊です。
収録語は1,200と「入試漢字マスター」には少し劣りますが、大学受験に必要な漢字を厳選しているので、基礎力をつけるには十分なレベルと言えます。
デザインがきれいで見やすく、漢字が苦手な人にもオススメできる参考書です。
理系の人や、入試まで時間がないという人はこれにしましょう!
生きる漢字・語彙力
難易度 | やや難しい |
値段 | 2,500円 |
漢字を覚えながら、語彙力も身につく参考書で、2300語という収録語数が特長です。
類義語や対義語についても同時に学習できるので、漢字だけでなく現代文の対策としても十分活用できます。
例文がユニークで、漢字が苦手な人でも取り組みやすい反面、ボリュームがかなり多いので、時間がある人向けと言えます。
国公立二次や難関私大一般で、現代文の記述問題がある人はこれを解きましょう!
現代文の漢字を甘く見てはいけない!
〇漢字の勉強が必要な理由
・漢字の配点は10点~15点
・毎年1~2点差で不合格になる受験生はいる
〇入試形態別漢字の対策
・漢字の対策の重要度
→ 国公立文系>私立文系>国公立理系>私立理系
・共通テストは選択式
・国公立二次は記述式
〇漢字の勉強法
・参考書1冊を完璧に仕上げる
・間違った漢字の復習はマスト!
・スキマ時間を有効活用
現代文のお悩みをすべて解決します!
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!