大学受験

失敗しない過去問の効率的な使い方を徹底解説します!

ハイク先生

こんにちは、高校教師の新堂ハイクです!

大学受験において「過去問を解くことは必要不可欠であり、ただ漫然と使うより効率的な使い方をすることで志望校への合格率が格段に上がります

本記事の内容は過去問について

いつ解けばいいの?
何年分解けばいいの?
・解くときに気を付けることは?
解き終わったらどうすればいいの?
全然解けないです。どうすればいいですか?

といったことが分かるように解説しております。

読み終わってからすぐ使えるような、現実的な情報を掲載しておりますのでぜひご覧ください。

失敗しない過去問の効率的な使い方

ここでの過去問の使い方については、あくまで参考程度にとどめてください。

というのも、過去問というものは一切生徒の学力を上げようと思って作られてはいません
そこが参考書や問題集との違いです。

なのでただ漫然と人の言うとおりにやっても効果は薄いです。

この記事の方法を読んで、自分に合っていると思うところだけを取り入れて過去問を有効活用してください。

ハイク先生

はじめに大学受験における過去問には、どのようなものがあるかを紹介します。

大学受験における3種の過去問

そもそも大学受験に使う過去問ってどんなものがあるの?」という人向けに、赤本・青本・黒本という定番の3種類の過去問を簡単に紹介します。

赤本とは

「赤本」とは教学社が毎年出版している、大学の過去問題を数年分まとめて解答解説を掲載した問題集のことです。

表紙が赤いので「赤本」と呼ばれています。

特徴としては、ほぼすべての大学の過去問に対応している網羅性と収録年数の多さにあります。

短所としては解説があまり丁寧ではないことです。

自分の志望校があるか確認したい方はこちら➡教学社公式HP

青本とは

青本とは駿台が出版している過去問とその解答解説を掲載した問題集です。

表紙が青いので「青本」と呼ばれています。

特徴は赤本よりも解答の解説が充実しているという点です。

短所は対応している大学と収録年数が少ないことです。

自分の志望校があるか確認したい方はこちら➡駿台出版HP

黒本とは

河合塾が出版している、センター試験の過去問と解答解説を掲載している問題集です。

表紙が黒いので「黒本」と呼ばれています。

「黒本」といえばどちらかというと「センター試験予想問題集」を指す場合が多いですが、過去問も有名なので紹介しておきます。

センター試験特化の過去問で、20年分以上という収録年数の多さが魅力の過去問です。

解説も充実しており、センター試験の過去問といえば黒本が人気です。

河合塾黒本の公式HPはこちら➡河合出版HP

どの過去問を使えば良いか

赤本と青本は、収録年数と解説の充実差で比較されます。

・たくさん過去問を解きたい→赤本
・じっくり過去問を分析したい→青本
・センター試験の過去問演習がしたい→黒本

このように過去問題集を使い分けると効果的です。

過去問はいつ解けば良いのか

僕のおすすめする過去問を解くタイミングは高3の9月ごろです。

受験年度の流れとしては

夏休みで基礎力をつける

9月ごろに2年前から5年分解き、傾向を分析

12月初旬に最新の問題を解いて力試し

残りの時間で最終調整

が効率的でおすすめです。

基礎力をつけることを優先する

現在あなたはどれくらい過去問と戦える力がありますか。

自分の志望校の過去問をパッと見て、6~7割の問題を理解できるなら、今すぐ過去問に取り組みましょう。

4~5割ほどしか理解できない」という場合は、まだ過去問を解くタイミングではありません

基礎力過去問と戦える力」をつけることが優先です。

問題を半分程度しか理解できない状態で、過去問を解くとどうなるか。

さくら

どうしよう・・・行きたい大学の過去問が全然解けない・・・。
私もしかして○○大に行けないのかも・・・。

というように自信を失ってしまう可能性があります。

ハイク先生

なので、夏休みなどの長期休暇で各教科の基礎力を底上げしてから、過去問に取り掛かることをおすすめします!

高校生でまとまった勉強時間を確保できるのはおそらく、部活を引退した夏休みだと思います。


夏休みを使い、各教科の苦手な分野を総ざらいして力をつけ、夏休み明けの9月に志望校の過去問に挑戦するのが理想的な過去問を解くタイミングです。

過去問は何年分解けばよいか

僕のおすすめする過去問を解く年数は5年分です。
理由を解説します。

過去問はあくまで出題傾向を知るためのもの

これを理解しているかいないかで、過去問に対する意識は変わってきます。

過去問はあくまで過去に出題された問題であって、次の入試問題に同じ問題は出てきません

大学によっては良問が過去問から出題される場合もありますが、それを狙って過去問を10年も20年もさかのぼるのは、非常に効率が悪いです。

過去問をする意味は

志望校の出題傾向を知り、残された期間で何をどのくらい勉強すれば合格点に届くのかを逆算して計画を立てる

ことです。

過去問だけ解いていても絶対に合格しません。

ハイク先生

出題傾向を知るのに必要な年数として、5年分がおすすめです。

5年分の過去問を解けば、各大学の出題傾向はつかめてきます。
あとは、参考書・問題集を出題傾向に合わせて選び、勉強に取り掛かりましょう。

新テストの場合

2021年度入試から始まる大学入学共通テスト(新テスト)の過去問は、10年分解くことをお勧めします。

なぜなら、新テスト(旧センター試験)は、試験そのものに慣れる必要があるからです。

旧センター試験は「膨大な情報を短時間で処理する」テストでした。
おそらく新テストでもこの特徴は引き継がれると思います。


※2021年3月現在 文部省は新テストに導入予定だった記述問題の2021年度入試の廃止を明言しています。なので、2021年度の新テストは旧センター試験と同様のマークシート方式になります。


この「膨大な情報を短時間で処理する」というのは、慣れが必要です。
新テストの出題範囲は高校1~3年生の教科書の内容なので、高3になったらある程度は解ける力がついています。

新テストは本番の時間配分を慎重に設定する必要があるので、10年分は解きましょう。

過去問の効率的な使い方

実際の試験時間に合わせて解く

過去問を解くときは本番を想定することが大切です。
理由を解説します。

本番を想定することの大切さ

私立大学は受験料を払えば何回も受験することができますが、国立大学の受験は1回しかありません。
中期・後期日程は倍率も高くなり難易度も上がるので合格する可能性は格段に低くなります。

国立大学に行きたいのであればチャンスは1回です。

合格する人はそのたった1回きりのチャンスをつかみ取る人です。

そのたった1回のためにできることは何でもやりましょう。

実際の試験時間に合わせて問題を解く

過去問には過去の入試の日程や試験時間が記載されています。
その時間に試験本番だと思って問題を解いて、試験時間に慣れましょう。

あえて集中できない環境で解く

入試本番のプレッシャーを想定するために、家や学校、塾の自習室などの慣れ親しんだ場所ではなく、普段勉強しない場所で解きましょう。

カフェやファーストフード店、図書館などのあえて人目や雑音がある環境で過去問に取り組んでみてください。
本番のプレッシャーを再現するためには、集中できない環境を用意することが有効です。

2年前の問題から解く

これは先ほどの「実際の試験時間に合わせて解く」に関連します。
本当に本番を想定してシミュレーションしたいという方にお勧めの方法です。

最新の過去問を力試しに活用する

この方法は実際に僕が受験生のころ活用していた方法です。
ここまで過去問は「出題傾向を知る」「本番をシミュレートする」ために活用すると解説してきました。
その集大成となる過去問活用法です。

最新の過去問(昨年の入試問題)を残して、4年分過去問を解く。

出題傾向を分析し、適切な参考書と問題集を使い実力をつける。

実際の試験時間に合わせ、一度も勉強したことのない場所で本番を想定して昨年の過去問を解く。

ここまですれば、ほぼ入試本番と同等の経験を積めます。

ここで大切なのは、合格点に達しなくても落ち込まないことです。
むしろ、「去年受験じゃなくてラッキー!」程度に思いましょう。

本番までにすることは、「なぜ点が取れなかったのか」をよく考えて、「勉強計画の見直し」や「使用する参考書や問題集の選び直し」をすることです。

志望校の過去問を解き終わったら

志望校の過去問を解き終わってしまった場合は同じくらいの偏差値帯の大学の過去問を解きましょう。

同じ偏差値帯の大学の過去問を解く

志望校の過去問を解き終わった場合は同じ偏差値帯の大学の過去問を解いてみましょう。

同じ偏差値帯の大学群を表す言葉があります。

有名なものとしては、

旧帝大

北海道大学
東北大学
東京大学
名古屋大学
大阪大学
京都大学
九州大学

早慶上智(理)

早=早稲田大学
慶=慶応義塾大学
上=上智大学
理=東京理科大学

GMARCH

G=学習院大学
M=明治大学
A=青山学院大学
R=立教大学
C=中央大学
H=法政大学

日東駒専

日=日本大学
東=東洋大学
駒=駒澤大学
専=専修大学

関関同立

関=関西大学
関=関西学院大学
同=同志社大学
立=立命館大学

産近甲龍

産=京都産業大学
近=近畿大学
甲=甲南大学
龍=龍谷大学

このあたりの大学群は偏差値が近いので、時間があれば解くのをお勧めします。

ただ、旧帝大レベルになると各大学で出題傾向がまるで違ったりするので慎重に見極めて解いてください。

過去問を解く際に気をつけること

最後に過去問を解く上での心構えを伝えます。

結果に一喜一憂しない

過去問はあくまで傾向を知るためのものです。

結果に一喜一憂する必要はありません。

大切なのは自分があと、何を、どれくらい勉強すれば合格できるのかを分析することです。

過去問はあくまで「過去の問題」

過去の問題だから「過去問」です。
それを肝に銘じてください。

さくら

よっしゃー!
過去問8割とれた!これで余裕で受かったわ!

で落ちた人もいます。

さくら

結局最後まで7割もいかなかった・・・。
もう無理かも・・・。

で受かった人もいます。
(受験生の頃の僕がこれでした。)

模試の判定にも同じことが言えますが、受験は本番の1回で成功するか失敗するかです。

過去問でどんな点数をとっても、客観的に冷静に「なぜその点数になったか」だけを考えましょう。
これが受験期のメンタル的にはすごく難しいんですけどね。

ただ、僕が言いたいのは「最後まで気を抜くな」ということです。

受験を恐れましょう。
「恐れ」は人に「勇気」あたえ、
「勇気」は人に「前に進む力」を与えてくれます。

だから、過去問の結果にいちいち喜んだり、悲しんだりする必要は一切ありません。

過去問の有効活用法

1.解く時期は高3の9月ごろ
2.解く年数は5年分でOK!
3.一度は実際の試験時間に合わせて解く
4.2年前の問題から解く方法もアリ
5.志望校以外の同偏差値帯の大学の問題も解いてみる
6.結果に一喜一憂しない

ハイク先生

以上6つが過去問の有効活用法です!
ぜひ、自分の受験勉強に取り入れて下さい!

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ハイク先生

以上で本記事は終了です!

さくら

最後までご覧いただきありがとうございました!