こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!
高校生が漢検を受けるなら何級から?
漢字検定のレベルは準2級が高校在学程度、2級が高校卒業程度です。
高校生は、卒業までに準2級か2級の取得をオススメします。
このページでは、高校の現役国語教師の僕が「高校生の漢検対策」について詳しく解説します!
・高校生に漢検がオススメな理由
・漢検のレベルと合格率
・高校生の漢検勉強法、おすすめ参考書
・高校生の漢検合格体験談
・受験までの流れ、日程、受験料
高校生が漢検を受験するために必要な情報がすべてありますので、漢検を受験したいと考えている人はぜひ最後までご覧ください!
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著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
漢検が高校生にオススメな理由
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漢検が高校生にオススメな理由は、3つの大きなメリットがあるからです。
・大学入試、就活で評価される
・比較的カンタンな資格
・語彙力がついてコミュ力アップ!
僕も勤務校で、漢検を生徒にオススメしまくってます!
漢検は大学入試・就活で評価される
大学・短期大学の入試方法が多様化し、取得している資格でも受験者を評価する学校が増えています。
![](https://shindohaiku.com/wp-content/uploads/2020/12/漢検メリット-高校生.png)
上の画像は漢検協会公式サイトの物ですが、全国の大学・短期大学の約57%が漢検を評価・活用していることが分かります
具体的には、点数加算などの能力評価・人物評価などの基準の一つに活用されています。
![](https://shindohaiku.com/wp-content/uploads/2020/12/漢検メリット-大学生.png)
また、上の画像では就職活動時に企業が漢検を評価活用しているかのアンケート結果で、435社が評価指標として活用しているという回答をしていることが分かります。
もちろん、漢検を取得してさえいれば大学入試も就活も余裕というわけではありませんが、有利に働くのは間違いないです。
また、高校生は3級以上でないと願書や履歴書に書けないので、必ず3級以上を取得しましょう。
比較的カンタンな資格
漢字検定は知名度の高さの割に、取得難易度が低いのでかなりコストパフォーマンスが良い資格と言えます。
・暗記のみの勉強
・普段から使う漢字がメイン
漢検には計算問題や文章読解問題などの、思考系の問題は無く暗記のみです。
覚えたことをそのまま解答すればいいので、英検や数検と違って勉強すればするほど確実に点が伸びます。
また、出題範囲も決まっていて「常用漢字」と呼ばれる、日常生活で使う漢字からしか出題されません。
日本人なら日常的に漢字を使っているので、勉強も頭に入りやすく負担も少ないです。
漢検は取得難易度が低いので、初めて挑戦する資格検定としてかなりオススメです。
漢検で資格検定の勉強法や試験の雰囲気に慣れて、上位の資格を取得する足掛かりにしましょう。
語彙力がついてコミュ力アップ!
漢字を勉強することで日本語の言葉をたくさん知るので、確実に語彙力がアップします。
使える語彙が増えるということは、様々な言葉で会話をすることができ、コミュニケーション能力の向上につながります。
特に年上の人と会話するときには、難しい言葉を知っておくとスムーズに話をすることができます。
このように、漢検取得がコミュニケーション能力の向上に役立つのは間違いありません。
他にも国語のみならず、他教科の成績アップにもつながります!
・国語
→語彙力がついて読解力が上がり、長文に強くなる
・地理歴史公民
→重要語句などの漢字間違いや、読み間違いが無くなる
・小論文
→文章で使える漢字や表現が増えて有利になる
漢検受けてみたくなってきました!
でも、どの級から受けたらいいか分かりません…。
次は高校生が受けるべき級を解説します!
高校生が漢検を受けるなら何級から?
![](https://shindohaiku.com/wp-content/uploads/2021/11/漢字-練習.png)
実際に高校生が漢検を受けるなら、何級から受ければ良いかを解説します。
・漢検のレベル
・漢検の合格率
・学年別オススメ受験級
・準1級以上は受けていい?
漢検のレベル
各級ごとのレベルは以下の表の通りです。
級 | レベル | 出題漢字数 |
10級 | 小学校1年生修了程度 | 80字 |
9級 | 小学校2年生修了程度 | 240字 |
8級 | 小学校3年生修了程度 | 440字 |
7級 | 小学校4年生修了程度 | 642字 |
6級 | 小学校5年生修了程度 | 835字 |
5級 | 小学校6年生修了程度 | 1026字 |
4級 | 中学校在学程度 | 1339字 |
3級 | 中学校卒業程度 | 1623字 |
準2級 | 高校在学程度 | 1951字 |
2級 | 高校卒業・大学・一般程度 | 2136字 |
準1級 | 大学・一般程度 | 約3000字 |
1級 | 大学・一般程度 | 約6000字 |
願書や履歴書に書いて評価されるのは、3級以上です。
高校生が受験するなら、最低でも3級からにしましょう。
ちなみに公式では2級が高校卒業レベルで「常用漢字がすべて読み書き活用できるレベル」といわれています。
高校卒業までに、2級取得を目指して取り組みましょう。
漢検の合格率
各級ごとの合格基準は以下の表の通りです。
合格率は2020年第3回検定結果のものです。
(2021年4月6日最新)
級 | 合格基準 | 合格率 |
10級 | 150点満点中80%程度 | 96.0% |
9級 | 150点満点中80%程度 | 92.2% |
8級 | 150点満点中80%程度 | 85.9% |
7級 | 200点満点中70%程度 | 89.1% |
6級 | 200点満点中70%程度 | 83.1% |
5級 | 200点満点中70%程度 | 76.5% |
4級 | 200点満点中70%程度 | 54.2% |
3級 | 200点満点中70%程度 | 48.8% |
準2級 | 200点満点中70%程度 | 40.6% |
2級 | 200点満点中80%程度 | 29.7% |
準1級 | 200点満点中80%程度 | 30.1% |
1級 | 200点満点中80%程度 | 9.9% |
7級~準2級は200点満点中140点程度で合格です。
2級~1級は200点満点中160点程度で合格です。
”○○点程度”という表現は合格基準±1~3点の変動幅があるということです。
この変動幅はその回の平均点により上下します。
3級から合格率が50%を下回ってきているので、勉強無しで3級以上に合格するのはかなり難しいと言えます。
学年別オススメ受験級
まず最初に「漢字が苦手」か「漢字が得意」かで同じ学年でも受ける級が変わってきます。
漢検公式ホームページにも「受験級の目安チェック」というものがあるので、利用してみてください。
高校1年生が漢検を受けるなら
・漢字が得意
→準2級から受験
・漢字が苦手
→3級から受験
漢字が得意なら準2級のテキストを少し見て「行けるな」と思ったら、準2級でも大丈夫です。
漢字が苦手な人はとにかく漢検に慣れるために、中学校卒業レベルの3級から受験しましょう。
高校2年生が漢検を受けるなら
・漢字が得意
→準2級~2級から受験
・漢字が苦手
→3級~準2級から受験
高校2年生で漢字が得意なら準2級から受けてみましょう。
2級からでもいいですが、2級の合格率は最新で29.7%と3割を切っているので、自信がなければ準2級で様子見が妥当です。
高校2年生で漢字が苦手なら迷わず3級と言いたいところですが、高3になると受験勉強がメインになるので、時間のあるうちに一気に飛ばして準2級もアリです。
高校3年生が漢検を受けるなら
まず漢検を受ける前に、自分の大学受験や就職活動に余裕があるかどうか確認しましょう。
漢検は、それさえあれば合格が保証されるものではないので、高3は進路の受験が最優先ということをお忘れなく。
・漢字が得意
→2級から受験
・漢字が苦手
→準2級から受験
2級は高校卒業レベルなので、高3で受験するなら2級をオススメします。
苦手な人も高校在学レベルの準2級から受験しましょう。
高校3年生での漢検受験は、進路が決まってからにしましょう!
準1級以上は受けていい?
準1級以上は「日常では使わない漢字」からも出題されるので、完全に趣味の世界です。
さらに準1級以上からは2級以下と比べて、取得難易度も段違いに難しくなります。
・漢字が本当に好きで勉強が全く苦痛にならない
・将来文章を扱う仕事に就くことが目標
・時間にかなり余裕がある
こういった条件を満たす人でなければ、一般的には2級取得がゴールとして問題ないです。
国語の先生でも、準1級以上を取得している人は多くないです。
準1級以上は取得がかなり難しいので、履歴書に書いてあると「おっ?」と注目される可能性は高いです。
高校生の漢検勉強法
![](https://shindohaiku.com/wp-content/uploads/2021/06/受験.jpg)
漢検の勉強量はそれほど多くないので、時間をかけずに効率的に行いましょう。
・絶対に書いて覚える
・参考書、過去問に取り組む
・スキマ時間を利用して暗記
絶対に書いて覚える
漢字は覚えているつもりでも、正確に書けないこともあります。
あれ、ここって「日」だっけ?「目」だっけ?
ここの横棒って一本だっけ?二本だっけ?
漢字を書く際にこういった経験は誰にでもあるはず。
「覚えていること」と「正確に書けること」は別なのです。
試験本番でこういったことを避けるために、必ずノートなどに書き取りの練習をしましょう。
参考書、過去問に取り組む
一発で合格したいなら、以下のものを揃えるようにしましょう。
・頻出度順の暗記系の参考書
・書きこみ式のワーク形式の問題集
・漢検公式の過去問
・ノート
暗記系の参考書は、スキマ時間などを使って効率よく暗記していくために重要です。
このような参考書を1冊用意して、赤シートなどを使って漢字を覚えていきましょう。
書き込み式の問題集は、実際に書いて漢字の形を覚えるために重要です。
日本漢字能力検定協会が公式に出している書き込み式のワークブックで、書き込んで漢字を練習するのにオススメです。
暗記系の参考書を使って、市販のノートに書いていくのもOKです。
漢検公式の過去問を解くのも忘れずに行いましょう。
本番と同じ時間配分や、自分の苦手な問題を分析するのに過去問は最適です。
過去問に取り組むタイミングとしては、受験級を決める前・勉強を開始する前・検定日の1週間前などがおすすめです。
また、過去に出題された問題はまた出題される可能性が高いのが漢検なので、過去問演習がそのまま漢検の勉強になります。
最後にノートを1冊用意して、自分が間違えた漢字や分からなかった漢字を練習するようにしましょう。
試験前にそれを読み返せば、本番で失敗する確率が低くなるのでオススメです。
スキマ時間を利用して暗記
パナソニック株式会社が調査した結果では、現代人の隙間時間は1日に平均1時間9分もあるそうです。
・登下校中
・休み時間
・授業が始まって先生が来る間
・朝食、昼食の時間
・トイレ中
・風呂の中
・歯磨き中
このような1日の中にあるスキマ時間をうまく活用して、暗記系の参考書でどんどん暗記しましょう。
漢検の勉強は「暗記」のみです。
とにかく時間を見つけて、漢字の知識を詰め込みましょう。
合格までの勉強時間の目安
個人差はありますが、以下の勉強時間で十分に合格可能と言えます。
・3級→1ヶ月程度
・準2級→1ヶ月半程度
・2級→2ヶ月程度
「漢字が苦手」という人は、上記の期間に「+1~2週間」追加した期間を確保してください。
1日当たりの勉強時間は1~2時間程度で十分です。
・1日のうちにまとまった勉強時間1時間
→問題集やワークを解く勉強中心
・1日の中のスキマ時間を使って1時間
→通勤通学等の時間に暗記中心
このように勉強時間を分けると、効率的に勉強できます。
高校生にオススメの漢検参考書
![](https://shindohaiku.com/wp-content/uploads/2021/11/参考書1.png)
勉強法のところでも述べた通り、漢検一発合格には以下のものを揃えれば十分です。
・頻出度順の暗記系の参考書
・書きこみ式のワーク形式の問題集
・漢検公式の過去問
・ノート
この中で一番オススメの参考書を紹介するので、それを解いていけば間違いありません!
分野別漢検でる順問題集 準2級
値段 | 880円(税込み) |
迷ったらこれで間違いない!という参考書です。
僕も実際に使いましたし、僕が教えている生徒も多数愛用しています。
この参考書は過去約10年間の漢字検定で出題された漢字を分析し、頻出度順にランク付けされた問題(A、B、Cランク)が分野別で掲載されているもので、本当によく出ます。
特徴としては、付属の赤シートを使って隠しながら書いたり隙間時間に暗記したりすることができます。
使い方は以下の通りです。
①A,B,Cすべてのランクを1巡
②間違った問題にチェックをつける
③A,Bランクの正答率を高める
④Cランクの要点をおさえる
⑤試験直前にチェックした問題の確認
時間がないというときは、Aランクの漢字だけを集中的にやればOKです。
この参考書はかなり当たります!
漢検 漢字学習ステップ 準2級
値段 | 1,100円(税込み) |
漢字検定を主宰している日本漢字能力検定協会が公式に出している問題集です。
漢検の新出配当漢字を五十音順に配列した漢字表で、一字ずつ学習できる書き込み式ワークブックになっています。
漢字をしっかり書いて覚えていくなら、漢検公式のワークブックが一番です。
直接書き込む勉強の仕方もいいですが、市販のノートに写して書いていけば何回も書いて覚えることができます。
時間がないときは、直接書き込んで覚えていけばOKです。
漢検 過去問題集 準2級
漢検は過去問演習が必須です。
こちらも日本漢字能力検定協会が出している過去問題集で、過年度実施の検定問題13回分がすべて収録されています。
実物大の解答用紙が付属しているので、本番に近い環境で予行演習ができるのも魅力です。
高校生の漢検合格体験談
![](https://shindohaiku.com/wp-content/uploads/2021/05/成功.png)
ぜひ参考にしてください!
30代女性 準2級合格
受験当時の学年 | 高校生 |
合格点 | 180点 |
受験のきっかけ、理由
高校生だったので、友人から受けようと誘われて一緒に受けることになりました。それとよくテレビのバラエティー番組などで漢字の問題を解いていたのもあり、それが楽しく自分の漢字のレベルがどのくらいなのかも知りたかったので受けました。
具体的な勉強法
友人と問題を出しあったり、テキストで過去問題を見て勉強していたのと、高校生だったのもあり、学校の先生に練習問題を作ってもらったりして勉強もしていました。個人ではネットで漢字検定、準二級、過去問題、など検索して個人的にテストをしていました。元々漢字に強かったのですが、スラスラ解ける問題とそうでない問題があったため、主に苦手な問題の方に力を入れて勉強していました。ちなみに友人とはそれぞれ苦手な漢字や文章で問題を作り合い、勉強していたのでおかげで合格できました。
使った参考書、問題集
漢検 過去問題集 〜年版、というような日本漢字能力検定様から出ている公式的なテキストを使っていました。
10代女性 2級合格
受験当時の学年 | 高校生 |
合格点 | 181点 |
受験のきっかけ、理由
漢字検定を受けようと思ったきっかけは、通っていた高校で先生から受けてみないかと声をかけられ、希望者は受けることになったからです。
元々小学生の頃から漢字が好きで、漢字検定に興味があったため、受けることにしました。
具体的な勉強法
参考書、問題集をいくつか買って、問題を解き、間違えた漢字を漢字ノートに書いて、を何度も繰り返して覚えました。
漢字検定の受験を決めてから、受けるまでの期間が数ヶ月だったので、はじめは、漢字検定2級頻出度順問題集などを見て、頻出度が高い順に、ひとつひとつ漢字ノートに書いて覚えていました。
それから色々な問題集を解き、間違えたところをまた漢字ノートに繰り返し書いて、記憶を定着させていきました。
試験の数日前からは、とにかく問題を解いて、一つでも多く覚えようとしました。
使った参考書、問題集
漢字検定2級頻出度順問題集
漢検の検定料・申し込み方法・日程
![](https://shindohaiku.com/wp-content/uploads/2022/08/期間.png)
最後に実際に漢検を受験するまでの流れを解説します。
漢検の検定料
3級から2級までの検定料は以下の通りです。
検定級 | 検定料 |
2級 | 3,500円 |
準2級 | 2,500円 |
3級 | 2,500円 |
2級から1,000円高くなるので、注意が必要です。
英検などと比べるとかなり割安ですが、できれば一発で合格したいですよね。
申し込み方法
受験申し込みの方法は個人受験の場合は4つあります。
・インターネット
・コンビニ
・取り扱い書店
・取り扱い機関(新聞社など)
漢検の公式ホームページから申し込むことができます。
学生の場合は団体受験で学校が試験会場になることがほとんどなので、学校の漢検案内を見て応募してください。
受験日程
検定試験は基本的に年3回実施されます。
2024年度の試験日程は以下の通りです。
・2024年6月16日(日)
・2024年10月20日(日)
・2025年2月16日(日)
申し込みから結果の発表まで
すべての受験級に共通している、検定日の1ヶ月前~検定日の40日後までの流れを解説します。
・検定日1ヶ月前
1ヶ月前までに申し込みを完了しなければ、直近の検定を受けることができませんので忘れず申し込みましょう。
・検定日1週間前
受験表が自宅に届きます
※検定日4日前になっても自宅に届かない場合は、教会へ問い合わせてください。
・検定日当日
各受験会場で検定試験を受けます。
・検定日約5日後
標準解答が漢検ホームページに掲載されるので、自己採点が可能になります。
※2級の合格点は160/200が目安です。
・検定日約30日後
漢検ホームページで合否結果が発表されます。
・検定日約40日後
検定結果資料・標準解答・合格証書・合格証明書が届きます。
※満点合格の場合は「満点合格証明書」という普通の合格証明書よりも豪華な賞状が届きます!
以上が漢検取得の流れです!
漢検取得は高校生にオススメ!
漢字検定は知名度抜群で、比較的取得難易度も低いので高校生のうちに取得することをオススメします。
検定試験に「合格」することは、定期テストで良い点を取ることとはまた別の達成感があります。
資格として一生残るものであり、合格証を受け取ることで勉強に対する自信を持つことができるので、漢字が苦手な人に、特に受けて欲しいと思います。
あなたの合格を応援しています。
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!