こんにちは!
国語教師の新堂ハイクです!
✔漢検の級ごとのレベル
✔合格率・合格基準
✔自分は何級から受けるべき?
✔級ごとの勉強法
「漢検」とは正式名称「日本漢字能力検定」のことで、10級~1級の全12段階(準2級、準1級を含む)のレベルがある検定試験です。
資格としての知名度も抜群で、高校・大学入試や就職活動において、持っておくと有利になる資格でもあります。
「漢検」の他にも「英検」や「数検」などの教科別検定試験がありますが、取得する難しさは「漢検」が一番低く、はじめて資格取得を考える小中高生におすすめの検定です。
僕の勤務する高校でも多くの生徒が受験しています!
このページでは「漢検」を受験するすべての方に、漢検の級ごとのレベルの解説や「自分は何級から受けた方が良いか」という疑問の解決をおこないます!
ぜひ最後までお読みください!
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
漢検の級ごとのレベル
各級ごとのレベルは以下の表の通りです。
級 | レベル | 出題漢字数 |
10級 | 小学校1年生修了程度 | 80字 |
9級 | 小学校2年生修了程度 | 240字 |
8級 | 小学校3年生修了程度 | 440字 |
7級 | 小学校4年生修了程度 | 642字 |
6級 | 小学校5年生修了程度 | 835字 |
5級 | 小学校6年生修了程度 | 1026字 |
4級 | 中学校在学程度 | 1339字 |
3級 | 中学校卒業程度 | 1623字 |
準2級 | 高校在学程度 | 1951字 |
2級 | 高校卒業・大学・一般程度 | 2136字 |
準1級 | 大学・一般程度 | 約3000字 |
1級 | 大学・一般程度 | 約6000字 |
10級~5級が小学校レベル、4級・3級が中学校レベル、準2級・2級が高校レベル、準1級・1級が大学・一般レベルです。
ちなみに公式では2級が「常用漢字がすべて読み書き活用できるレベル」といわれていますので、教養として取得するなら2級まで受けましょう。
準1級より上は「漢字マニア」の世界です。
もしあなたが「漢字が好きで覚えることが全くの苦痛にならない!」という人であれば趣味で1級を目指しても良いと思います。
受験や就職活動で漢検を活用したい場合の取得目安は以下の通りです。
・高校受験→4級以上
・大学受験→3級以上
・就職活動→2級以上
これらはあくまでも願書や履歴書に書いた場合、加点される最低限の級です。
自分の志望校や志望企業が漢検を入試に活用しているかどうかは、以下の漢検公式ホームぺージから確認できます。
高校学校における「漢検」資格活用状況調査
大学における「漢検」資格活用状況調査
企業における「漢検」資格活用状況調査
また、ここでのレベルとはあくまで目安であり、対象漢字数もそれをすべて覚えればよいというわけではなく、四字熟語・部首・漢字の構成などの知識も必要になるので「高校生だから3級は余裕だろう」のように考えるのは要注意です。
特に2級から難易度がかなり高くなるので、しっかりとした対策が必要です。
漢検の合格率・合格基準
合格率は2023年度第3回検定結果のものです。
(2024年2月11日最新)
級 | 合格基準 | 合格率 |
10級 | 150点満点中80%程度 | 96.0% |
9級 | 150点満点中80%程度 | 92.2% |
8級 | 150点満点中80%程度 | 85.9% |
7級 | 200点満点中70%程度 | 89.1% |
6級 | 200点満点中70%程度 | 83.1% |
5級 | 200点満点中70%程度 | 76.5% |
4級 | 200点満点中70%程度 | 54.2% |
3級 | 200点満点中70%程度 | 48.8% |
準2級 | 200点満点中70%程度 | 40.6% |
2級 | 200点満点中80%程度 | 29.7% |
準1級 | 200点満点中80%程度 | 30.1% |
1級 | 200点満点中80%程度 | 9.9% |
10級~8級は150点満点中120点程度で合格です。
7級~準2級は200点満点中140点程度で合格です。
2級~1級は200点満点中160点程度で合格です。
”○○点程度”という表現は合格基準±1~3点の変動幅があるということです。
この変動幅はその回の平均点により上下します。
なので「140点あれば絶対に合格」や「139点だから落ちたかも」という風に考えないようにしましょう。
漢検の平均合格率は63.4%です。(2023年度第3回)
2023年第3回試験では約60万人が受験し、約36万人が合格しています。
自分は漢検を何級から受けるべき?
小学生~社会人まで、漢検を受けようと思う人が「何級から受ければよいか」を解説します。
まず最初に「漢字が苦手」か「漢字が得意」かで同じ学年・年齢でも受ける級が変わってきます。
漢検公式ホームページにも「受験級の目安チェック」というものがあるので、利用してみてください。
➡【中学生は漢検を受けるべき?】国語教師が数々のメリットを徹底解説!
➡【社会人が漢検を受けるなら何級から?】メリットやレベルを徹底解説!
漢字が得意な人の漢検受験級
漢字が得意な人の場合は、自分の在学する学校のレベルより上のレベルを目指した方が良いです。
小学校1~6年生
はじめて受けるのであれば6級、小学校卒業までに5級取得を目指しましょう。
中学校1~3年生
はじめて受けるのであれば3級、中学卒業までに2級取得を目指しましょう。
高校1~3年生
はじめて受けるのであれば準2級、高校卒業までに2級取得を目指しましょう。
大学生・社会人
履歴書に記載できるのは2級からなので、2級から受けましょう。
準1級、1級を取得するのは自由ですが、あまり就活でのメリットは期待できません。
編集者などの文章に多く触れる業界を志望の場合は、1級取得は強みになります。
それ以外の業界では、一般教養としての2級取得が望ましいです。
漢字が苦手な人の漢検受験級
漢字が苦手な人の場合は、自分の在学する学校のレベルより少し下のレベルを目指した方が良いです。
小学校1~6年生
はじめて受けるのであれば10~8級、小学校卒業までに5級取得を目指しましょう。
中学校1~3年生
はじめて受けるのであれば4級、中学卒業までに準2級取得を目指しましょう。
高校1~3年生
はじめて受けるのであれば4級、高校卒業までに2級取得を目指しましょう。
大学生・社会人
はじめて受けるのであれば3級、最終的に2級取得を目指しましょう。
漢検の級ごとの勉強法
ここでは受験のメインとなる4級~2級までの4つの級について、各級ごとの勉強法を解説します。
漢検の勉強は主に「漢字や熟語を覚える」ことが中心になります。
一口に”覚える”と言っても方法は様々で、「書いて覚える」「見て覚える」「声に出して覚える」など自分に合った方法があると思います。
ただ、漢検4級~2級は筆記問題が200点中130点程度あるので、「書いて覚える」ことが重要になります。
まずは「書いて覚える」ことを意識しましょう。
漢検4級の勉強法
4級は中学校在学程度の漢字知識が問われます。
まずしっかりと中学で習った漢字の復習をおこないましょう。
特に小学校と中学校では、同じ漢字でも出題される読み方が違う場合があるので、気をつけましょう。
過去問を解いてみて合格点まであと50点以内なら参考書等は特に買う必要はありません。
合格点から50点以上得点が離れている場合は、参考書を買って苦手分野を徹底的に復習しましょう。
漢検3級の勉強法
3級は中学校卒業程度の漢字の知識が問われます。
中学卒業程度とはいえ、高校生でも全く勉強しないで解けるようなものではありません。
まずは過去問を解いて、自分の苦手な分野を把握してください。
苦手分野が分かったら問題集を1冊買って、2周程度解くことをおすすめします。
漢検準2級の勉強法
準2級は高校在学程度の漢字の知識が問われます。
ここからレベルが一気に上がります。
覚える漢字や熟語の量がかなり増えてくるので、隙間時間を生かして暗記をしていくことをおすすめします。
学校での対策に加えて、参考書を必ず1冊は買って2周程度解くようにしましょう。
僕のおすすすめする参考書は「分野別漢検でる順問題集 準2級」です。
赤シートが付属しているので、通学・通勤中にも使えて便利です!
漢検2級の勉強法
2級は「常用漢字がすべて読み書き活用できるレベル」の漢字の知識を求められます。
一般教養としての最終目標の級なので、レベルがさらに上がります。
確実に合格するためには、「暗記に活用できる参考書」「書き込み式のワークブック」「過去問題集」の3つが必須です。
勉強期間も1ヶ月程度を取れるように余裕をもって準備しましょう。
自分に合ったレベルから始めよう!
一般教養としての漢検の目標は2級取得です。
ただ、その過程で漢字の魅力に目覚めて、1級取得を目指すのも良いです。
資格としての漢検の知名度は圧倒的に高く、取得の難しさも比較的やさしめなので「はじめて受ける検定試験」としてちょうど良い検定といえます。
自分に合ったレベルから始めて、合格という結果を手にすることができれば自信につながりますし、一生残る資格なのでぜひ受験してみてください!
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!