漢字検定

【社会人が漢検を受けるなら何級から?】国語教師がメリットやレベルを徹底解説!

新堂ハイク

こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!

大人は漢検を何級から受ければいいのか?

漢字検定は中高生が受ける検定に思われがちですが、大人が受けてもたくさんメリットがあります。

漢検は知名度が高く、有効期限もないので取得すれば一生ものの資格として使えます。

漢検を主宰している日本漢字能力検定協会も、大人の受験に積極的で年々社会人の受験者も増加しているように思われます。

このページでは、高校で国語の教師をしている僕が、社会人が漢検を受験するために必要な全ての情報を徹底解説します。

このページの内容

社会人が漢検を受けるメリット

社会人が漢検を受けるなら何級?

漢検は何級から履歴書に書けるか

漢検の勉強法と勉強期間

漢検の受け方

新堂ハイク

このページを読んで、漢検に一発合格しましょう!

著者 新堂ハイク 29歳

・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任)
・難関大受験、小論文指導実績500人以上
・教育メディア運営6年(月間10万PV)
・執筆300記事以上、掲載企業50社以上

実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!

社会人が漢検を受けるメリット

漢字検定を勉強するためのモチベーションを上げるために、社会人が漢検を受けるメリットを理解しておきましょう。

漢検は英検などと比べても転職などでメリットが少ないように思われがちですが、社会人が仕事をしていくうえで大きなメリットがあります。

社会人が漢検を受けるメリット

社会人の学びなおしに最適

書類作成に強くなる

教養のある人物として評価される

社会人の学びなおしに最適

総務省統計局が2016年に実施した「平成28年社会生活基本調査」では、社会人の1日の勉強時間の平均は6分という結果が出ています。

日本の社会人は世界的に見て、かなり勉強時間が少ないと言えます。

そんな中、「漢字検定を受けようかな」と考えてこのページに来たあなたは、意識が高く学び続ける意欲のある数少ない社会人です。

漢検はその取得難易度の低さから、社会人が自主的に始める勉強の足掛かりとして最適です。

2級・準2級の英検と漢検の合格率の比較が以下の表です。

2級準2級
英検26.4%36.7%
漢検29.7%40.6%

漢検は計算やスピーキングなどの実技はなく、完全に暗記のみで取得できるので資格としての難易度はかなり低いです。

いきなり高難度の資格に挑戦して挫折するよりも、比較的カンタンな漢検を通して、社会人でも学んでいく習慣をつけることができるのは大きなメリットといえます。

新堂ハイク

社会人になって「何か行動したい!」と思ったら、まず漢検を取得して自信をつけるのがオススメです。

書類作成に強くなる

・誤字、脱字が極端に少なくなる

・漢字の読み間違い、言い間違いをなくせる

・漢字を一々調べなくても良い

一見メリットとしては弱いように思えるかもしれませんが、日本人が一番使う日本語の漢字に強くなることは日常生活やコミュニケーションを円滑にしてくれる点でかなり大きいです。

社会人になると学生の頃に比べて、書類作成の機会が増えますよね。

提出書類に誤字脱字があったりすると、やり直さなければならなかったり印象が悪くなったりします。

漢検は2級取得で、日常生活で使う全範囲の漢字(常用漢字)をカバーできるので書類で使う漢字に困ることもなくなります。

教養のある人物として評価される

・日本人なら全員知っている検定

・基礎的な漢字力の証明

・資格取得に励む過程の評価

漢字検定は日本人なら知らない人はいないくらい、知名度抜群の検定ですよね。

さらに、漢字の基礎的な能力を身につけているという証明になるので、漢検を取得していると「教養のある人物」として社会的な評価をもらうことができます。

もちろん、漢検を持っているだけでつける仕事などはありませんが、漢検取得という勉強過程で「目標に向けて努力できる人間である」という風に見てもらえます。

資格欄に特に書くことがない、という人は漢検の取得に励んでみましょう。

新堂ハイク

漢検は有効期限がないので、取得したら一生資格欄に記入することができます!

社会人は漢検を何級から受けるべき?

「漢検を受けよう」と思っても、初めての方なら「何級がどのくらいのレベル」か分からないですよね。

ここでは漢検の級ごとのレベルを解説しますので、自分が受けるべき級の目安にしてください。

漢検の級ごとのレベル

レベル出題漢字数
4級中学校在学程度1339字
3級中学校卒業程度1623字
準2級高校在学程度1951字
2級高校卒業・大学・一般程度2136字
準1級大学・一般程度約3000字
1級大学・一般程度約6000字

ちなみに公式では2級が「常用漢字がすべて読み書き活用できるレベル」といわれていますので、教養として取得するなら2級まで受けましょう。

準1級以上からは、出題範囲も難易度も格段にレベルアップするので注意が必要です。

社会人が初めて受験するなら準2級

社会人で初めて漢検を受験するなら「高校在学レベル」の準2級がオススメです。

準2級までは合格基準が低く、200点中140点程度(70%)の得点率で合格できます。

2級は200点中160点(80%)取らなければならないので、はじめて受験するにはハードルが高いと言えます。

ただ、難易度は低いと言っても漢字の書き取り・四字熟語の配点が高く、しっかりと漢字を書く勉強をしなければいけません。

漢検準2級の例題

コウキュウ(恒久)
コジ(誇示)
シバイ(芝居)
トウコウ(投稿) など

➡漢検準2級に一発合格するための勉強法はこちら

自信があるなら2級でもOK

過去に漢検を受けたことがある、漢字に強い自信がある、という方なら「高校卒業レベル」の2級から受けても問題ないと思います。

ただし、前述の通り2級から合格基準が高くなり、200点中160点(80%)の得点率を取らないと不合格になります。

漢検2級の例題

モウラ(網羅)
ホンロウ(翻弄)
カイジュウ(懐柔)
ニョジツ(如実)

出題範囲は日常生活で使う漢字(常用漢字)のみですし、暗記のみの試験内容なので余裕をもって勉強すれば2級でも1発で合格するのは十分可能です。

➡漢検2級に一発合格するための勉強法はこちら

いきなり準1級以上は無謀

・日常生活で使わない漢字がメイン

・準1級以上は漢字マニアの世界

・国語の先生でも普通に落ちる

「どうせなら準1級以上を目指そう!」という心意気は良いのですが、漢検は準1級以上から別世界のように難しくなります。

国語の先生でも、準1級以上を持っている人はあまりいません。

さらに普段使わないような漢字や熟語を大量に暗記していかなければならないので、漢字が大好きな漢字マニアでなければ勉強が苦痛になると思います。

出版業界を目指す人は最終目標としても良いかもしれませんが、それ以外で準1級を取得するメリットはほとんどないと言えます。

漢検は何級から履歴書に書ける?

日本漢字能力検定協会の正式な回答は以下の通りです。

Q.何級から履歴書に書けますか?

A.何級からでもお書きいただけます。

しかし何級から書けるといっても、低い級をわざわざ履歴書に書くとかえって印象が悪くなります。

転職などで履歴書の資格欄に漢検を書く場合は、何級から書くのが良いのか解説します。

漢検は2級から履歴書に書ける

一般的に漢字検定を就職の履歴書に書く場合は、2級以上が望ましいです。

また、「漢検を履歴書に書いても良いのか」という疑問もあると思います。

日本漢字能力検定協会が公式に行った「企業における『漢検』資格活用状況調査」では以下のような結果が出ています。

調査対象数2334社
活用企業数468社
活用率20.1%

調査結果から468社の企業が、漢検を新卒採用や社内教育に活用していることが分かるので、多くの企業が漢検を評価していることが分かります。

漢字検定協会では2級が「常用漢字がすべて読み書き活用できるレベル」とされているので、就職活動において一定の漢字能力を証明するには2級以上の取得が望ましいです。

出版業界などは準1級以上を目指す

文章に関わる仕事につく場合(出版業界など)は級が高いほど、正確に漢字を扱う能力があるとみなされるので有利になります。

なので文章を扱う業界を目指しているのであれば、準1級以上の取得は就職や転職の助けになる可能性が高いです。

どのような企業が漢検を活用しているかは、漢検公式HPの「企業における「漢検」資格活用状況調査 結果報告」からご覧になれます。

漢検を履歴書に書く場合の注意点

漢検を履歴書に書く場合の注意点を解説します。

漢検の正式名称

令和(平成)〇年〇月 日本漢字能力検定〇級取得

履歴書にはこのように記入しましょう。

取得年月日を忘れてしまったら

・受験日程から逆算する

・漢検協会に問い合わせる

取得年月日を忘れたらまずは、受験日程から逆算します。

漢字検定は通常年3回行われており、6月・10月・2月ごろに試験があります。

合格証明書が届くのは検定日から1ヶ月後で、記載されている取得月も1ヶ月後のものになります。

6月受験→7月が取得月
10月受験→11月が取得月
2月受験→3月が取得月

ただ、取得年は分からないので、その場合は漢検協会に問い合わせる必要があります。

➡漢字検定の取得年月日を確認する方法はこちら

漢検の勉強法と勉強期間

仕事が忙しい社会人が、漢検に最小限の時間で効率よく一発で合格するための勉強法とオススメの参考書を解説します。

漢検は暗記メインなので参考書を見て覚えるのが主体の勉強になりますが、漢字の書き取りの配点が高いので書いて覚える練習も必要です。

日中は仕事で忙しい人は、スキマ時間を有効活用して勉強時間を増やしていきましょう。

漢検の勉強期間は2ヶ月ほど

漢検2級・準2級の取得時間の目安が50~80時間と言われているので、勉強期間は余裕をもって2ヶ月は見ておきましょう。

漢検の個人受験は年3回行われており、6月・10月・2月ごろに試験があります。

ご自分の仕事の繁忙期と重ならないように調整しながら、2ヶ月前を目安に勉強の計画を立てていきましょう。

ちなみに「漢検CBT」という受験方法なら、予約すればいつでも受験できるので忙しい社会人にはそちらがオススメです。

➡漢検のCBT受験について詳しくはこちら

書いて覚える勉強は必須

漢字は覚えているつもりでも、正確に書けないことがあります。

さくら

あれ、ここって「日」だっけ?「目」だっけ?
ここの横棒って一本だっけ?二本だっけ?

漢字を書く際にこういった経験は誰にでもあるはずです。

「覚えていること」と「正確に書けること」は別なのです。

試験本番でこういったことを避けるために、必ずノートなどに書き取りの練習をしましょう。

暗記はスキマ時間で効率的に

漢検は計算や実技なしの100%暗記試験なので、覚えていないと話になりません。

暗記は休日に一気にやっても定着しにくく、こまめに何度も確認した方が効率的です。

・朝起きてからの10分程度
・通勤中
・休憩時間
・トイレ
・風呂
・歯磨き中
・夜寝る前の10分

こうした時間を利用して暗記を行いましょう。

暗記用の参考書は何冊も用意せずに、1冊を何周もして完璧にする方が覚えやすいのでオススメです。

社会人にオススメの漢検参考書

漢検の参考書で用意すべきは以下の3つです。

・暗記用の参考書

・書き取り練習用のワーク

・漢検公式の過去問

これ以上用意するものはいりませんし、最悪「書き取り練習用のワーク」はなくてもOKです。

分野別漢検でる順問題集 準2級

暗記用の参考書として「分野別漢検でる順問題集」をオススメします。

短期間で合格するためには、2000字程度の漢字全てに対応するのは難しいので出る順に構成されている「分野別でる順問題集」が断然おすすめです。

僕の学校の生徒はだいたいこれを使って勉強しています。

この参考書は過去約10年間の漢字検定で出題された漢字を分析し、頻出度順にランク付けされた問題(A、B、Cランク)が分野別で掲載されているもので、本当によく出ます

使い方は以下の通りです。

①A,B,Cすべてのランクを1巡
②間違った問題にチェックをつける
③A,Bランクの正答率を高める
④Cランクの要点をおさえる
⑤試験直前にチェックした問題の確認

➡分野別漢検でる順問題集2級はこちら

漢検 準2級 漢字学習ステップ

書き取り練習用のワークとしてオススメなのが「漢字学習ステップ」です。

これは漢検を主宰している日本漢字能力検定協会が公式に出している、書き込み式のワークブックです。

漢検は書き取り問題の配点が高いので、漢字を正確に書ける必要があります。

書き込み式のワークを通して、書き取り問題で点数を落とさなくなれば合格はグッと近づきます。

使い方は以下の通りです。

①まずは書きこまずにノートにする
②1巡したらワークに直接書き込んで2巡目
③「総まとめ」問題に取り組む

➡漢検2級漢字学習ステップはこちら

漢検 準2級 過去問題集

漢検の過去問は同じ問題が何度も出題されているので、過去問演習がそのまま問題演習につながるので、必ず取り組むようにしましょう。

こちらも日本漢字能力検定協会が出している過去問題集で、過年度実施の検定問題13回分がすべて収録されており、実物大の解答用紙が付属しています。

過去問に取り組むタイミングとしては、受験級を決める前・勉強を開始する前・検定日の1週間前などがおすすめです。

実際の試験と同じ60分の制限時間を守って解くことで、本番の時間配分や戦略を立てていきましょう。

➡漢検2級過去問題集はこちら

s新堂ハイク

最後に「漢検の受け方」について解説します!

漢検の受け方

漢検受けることを決めたら、具体的な受け方や日程、検定料などを確認しましょう。

漢検を受ける際の確認事項

個人受験の日程

各級の検定料

申し込み~受験までの流れ

漢検の個人受験は年3回行われていますが、なかなか予定を合わせずらい方は「CBT受験」がオススメです。

社会人には漢検CBTがオススメ

「漢検CBT」とはコンピューターを使って漢検を受験することで、通常の試験より日程や会場の自由度が高いのが特長です。

・検定日が限定されない
・検定会場がたくさんある
・10日で結果が分かる

検定日の4日前にまでにウェブサイトから申し込めば、検定会場で試験を受けられます。

検定会場は47都道府県に150以上設置されていますので、自分の住んでいる地域から一番近いところを選べます。
(実施日と開始時間は会場によって異なります。)

➡漢検のCBT受験について詳しくはこちら

漢検の日程・検定料

第1回検定試験
・受付開始日 2024年4月19日(金)
・申込締切日 2024年5月10日(金)
・検定日 2024年6月16日(日)

第2回検定試験
・受付開始日 2024年8月16日(金)
・申込締切日 2024年9月14日(土)

・検定日 2024年10月20日(日)

第3回検定試験 
・受付開始日 2024年12月10日(火)
・申込締切日 2024年1月11日(土)

・検定日 2025年2月16日(日)

各級ごとの検定料は以下の通りです。

受験級検定料(税込み)
1級5,000円
準1級4,500円
2級3,500円
準2~4級各2,500円

申し込み~受験までの流れ

すべての受験級に共通している、検定日の1ヶ月前~検定日の40日後までの流れを解説します。

・検定日1ヶ月前
 1ヶ月前までに申し込みを完了しなければ、直近の検定を受けることができませんので忘れず申し込みましょう。

・検定日1週間前
 受験表が自宅に届きます

※検定日4日前になっても自宅に届かない場合は、教会へ問い合わせてください。

・検定日当日
 各受験会場で検定試験を受けます。

・検定日約5日後
 標準解答が漢検ホームページに掲載されるので、自己採点が可能になります。

※2級の合格点は160/200が目安です。

・検定日約30日後
 漢検ホームページで合否結果が発表されます。

・検定日約40日後
 検定結果資料・標準解答・合格証書・合格証明書が届きます。

※満点合格の場合は「満点合格証明書」という普通の合格証明書よりも豪華な賞状が届きます!

新堂ハイク

以上が漢検取得の流れです!

漢検は社会人の学び直しにオススメ!

社会人になってからも学び続けようという意識のあるあなたは、日本人の中でも確実に上位に入る存在です。

難しすぎる資格検定で挫折してしまう前に、取得難易度の低い漢検で自信をつけましょう。

漢字に強くなると日常生活やコミュニケーションが上手くいくようになり、教養のある人として評価されるようになります。

社会人にも多くのメリットがある資格なので、国語教師の僕は本当にオススメします!

あなたの合格を応援しています。

➡漢検2級の合格体験記・合格点10人分!

➡漢検準2級の合格体験記・合格点10人分!

➡漢検おすすめ問題集5選はこちら

➡漢検の勉強に使えるおすすめ無料アプリ5選

➡【漢検の勉強法】一発合格するためにすべきこと!

新堂ハイク

以上で本記事は終了です!

さくら

最後までご覧いただきありがとうございました!