こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!
檸檬のテストで高得点を取りたい!
テストで梶井基次郎の「檸檬」が範囲なんだけど、さっぱり分からなくて困っています…。
現役国語教師の僕が、檸檬をわかりやすく解説します!
現在私立高校で国語の教師をしており、実際に「檸檬」の授業を何度も担当し、テストも6回以上作っている僕が徹底解説します。
このページを読めば「檸檬」のテスト対策はバッチリなので、テスト前に何度も読み返してください。
・檸檬のあらすじ解説
・檸檬のテストに出る問題
・檸檬の感想文の書き方(例文)
実際に檸檬のテストを作っている国語教師が、重要ポイントを徹底解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
檸檬のあらすじ解説
「檸檬」は梶井基次郎の小説で、1925年に文芸雑誌「青空」の創刊号の巻頭を飾った作品です。
檸檬の主人公である「私」は、作者である梶井基次郎の人物像が反映されています。
ちなみに、檸檬に出てくる「丸善」という雑貨屋は、実際に京都にあります。
夏目漱石の「こころ」や芥川龍之介の「羅生門」と並んで、高校現代文の定番作品です。
檸檬の簡単なあらすじ(200字)
檸檬の内容を200字程度でざっくり要約すると、以下のようになります。
得体の知れない不吉な塊に圧迫され、街から街へ浮浪していた「私」は、みすぼらしく美しいものに引かれ、また非現実の錯覚に慰められていた。
ある日、好きだった果物屋で一個の檸檬を買った。それはそれまでの憂鬱を紛らわし、幸福感をもたらしたが、丸善に入るとまた憂鬱にとらわれた。
積み重ねた画本の頂に檸檬を据えた「私」は、檸檬の爆弾が気詰まりな丸善をこっぱみじんにするという想像を熱心に追求しながら、店を後にした。
(200字)
檸檬って読んでも全然主人公に共感できないし、正直なにがしたいのか意味不明なんですけど…。
確かに、檸檬は冒頭から「得体の知れない不吉な塊」に悩まされる主人公という、イマイチ入り込みずらい内容で始まります。
最終的に檸檬を爆弾に見立てて、雑貨屋を爆破する妄想をするという着地点は「…は?」という感じでしょう。
(わかります。国語教師の僕も正直意味不明です。)
ただ、檸檬は登場人物が一人しかでてこなくて、場面展開も店から店に移動するだけなので、ややこしくはない話ではあります。
それになんといっても「文章表現が美しい」というのが、檸檬の魅力でしょう。
主人公「私」の内面を描いた表現や、雑貨屋・果物屋の描写はやはり日本最高峰の文学と呼ぶに相応しい、美しい情景が浮かんでくるような文章です。
文章の美しさとか分からんし…。
とにかくテストに出るから、対策がしたいです。
もちろん、このページではテストで効率よく高得点を取るための対策を解説します。
ではまず、檸檬の登場人物をおさえておきましょう!
檸檬の登場人物
檸檬の登場人物は「私」という主人公ただ1人しかいません。
この「私」の名前は出てこないのですが、作者の梶井基次郎をモデルにしているからだという説もあります。
「私」について、理解しておくと問題が解きやすくなる要素をまとめたので参考にしてください。
主人公「私」について
・肺尖カタルという病気にかかっている
・正体のわからない「不吉な塊」に悩まされている
・みすぼらしくて美しいものが好き
・妄想癖がある
主人公は「得体の知れない不吉な塊」に悩まされており、それが何なのかすら自分にもわからないという状況から物語は始まります。
檸檬という物語はこの「不吉な塊」をどう解消するか、というテーマのもと話が展開していきます。
ここでカギになるのが「みすぼらしくて美しいもの」が好きという、主人公の趣味嗜好です。
あなたも気分が落ち込んだ時には、好きな音楽を聴いたり、好きな人と話したり、好きなことをして気分を紛らわせますよね。
そういったある種の「ストレス解消」が「私」にとっての、「妄想しながら街を浮浪する」や「雑貨屋や果物屋に行く」ということなのです。
そして「檸檬」に出会って、それがストレス解消のカギになったというわけです。
ざっくりいうと「私のストレス解消法」という見方もできる物語です。
檸檬のテーマ(主題)
檸檬のテーマに関しては、作者のみ知るところなので個人の考察の域を出ませんが、国語教師の僕の一意見として見解を述べておきます。
檸檬のテーマを問う問題は、テストにほとんど出ませんので、急ぎの人は次の「テスト問題」に進んで大丈夫です!
ただ、授業でグループワークのテーマになったりするので、知っておいて損はないかなと思います。
檸檬の主題(テーマ)
・過去との決別
主人公は「得体の知れない不吉な塊」を払拭しようとあれこれ行動し、「檸檬」に出会って一時は幸福な気持ちになるのですが、「丸善」という雑貨屋に入るとまた憂鬱になってしまいます。
この「丸善」というのは「私」が以前好きだったものがたくさん置いてあります。
また、丸善で画本という画集を積み上げてその上に檸檬を置いて爆弾に見立てるのですが、この画本は「古い価値観の芸術」と見ることができます。
そうした「過去の芸術」を積み重ね、新しく出会った「檸檬」をきっかけに「好きだった丸善」ごと爆破する(妄想をする)。
ここに、梶井基次郎の「過去との決別」というテーマが込められているのでは無いかと現役国語教師の僕は考察します。
僕はいつも檸檬の最後の授業で、本物のレモンを持ってきて生徒の教科書を積み重ねてその上に置き、教室を出て爆破した想像をするという梶井基次郎体験をみんなとしています(笑)
檸檬の作者(梶井基次郎)について
檸檬の作者である梶井基次郎について、テストで問われることはあまり無いと思いますが、一応まとめておきます。
梶井基次郎
・文学活動 新興芸術派
・代表作
「檸檬」 1925年
「城のある町にて」 1925年
「冬の日」 1927年
「櫻の樹の下には」 1928年
「闇の絵巻」 1930年
「のんきな患者」 1932年
デビュー作の檸檬が一番有名かつ最重要なので、その他の作品の出題率はかなり低いと思われます。
では、テストに出る問題を解説します!
檸檬のテスト問題
実際に檸檬のテストを何度も作っている、現役国語教師の僕がテストに出る問題を徹底解説します。
基本的に出題する問題は決まっているので、これを完璧にすればテストで8割は固いと思います。
解説するのは「重要漢字」「重要語句」「内容問題」の3つです。
檸檬の重要漢字10選
次の傍線部の漢字を書きなさい。
①ショウソウに駆られる。
②目のサッカクを楽しむ。
③なんとも言えないキョウラクだった。
④クウキョな気分に陥る。
⑤ロコツな態度を示す。
⑥ユウワクが多い世の中だ。
⑦アワただしく動く。
⑧シンボウ強く待つ。
⑨急なコウバイの坂を登る。
⑩のりのよくきいたユカタ。
これらの問題は、僕が実際にテストに出した漢字です。
もちろん、書き取りだけでなく読みも出題していますが、書ければ読めますので、上記の10問は完璧にしましょう。
解答
①焦燥 ②錯覚 ③享楽 ④空虚 ⑤露骨
⑥誘惑 ⑦慌 ⑧辛抱 ⑨勾配 ⑩浴衣
先生によっては「レモンを漢字で書きなさい」という問題を出す人もいます。
僕です(笑)
檸檬の重要語句5選
檸檬は難しい言葉が多く出てくるので、意味を問う問題も出題されます。
僕が意味を問う問題としてテストに出した語句は、以下の通りです。
享楽
快楽にふけって楽しむこと。
典雅
(てんが)
整っていて上品なこと。
逆説
真理では無いように見えるが、実は真理を表していること。
ついぞ〜ない
今まで一度も〜ない。
例:そんな話はついぞ聞いたことがない。
尋常
(じんじょう)
他と異なるところがなく、通常であるさま。
檸檬のテスト対策問題13選
檸檬のテストのメインとなる内容問題について解説していきます。
記述や抜き出しなど問題の形式は先生によって様々ですが、要点をおさえておけばどのような形式で出題されても対応できます。
では、檸檬のテストを6回以上作ってきた現役国語教師が実際にテストに出した問題を厳選して13個解説します。
第一段落の問題
問
「えたいの知れない不吉な塊」わかりやすい言葉で言い換えなさい。
解答
正体はわからないが、これからよくないことを予感させる不安な何か。
問
「私」の心理を押さえつける「不吉な塊」の背景にあるものを抜き出しなさい。
解答
連日の飲酒・肺尖カタル・神経衰弱・背を焼くような借金
問
「想像の絵の具を塗りつけていく」とはどういうことか。
解答
自分が行きたいところに行くという想像を次々に重ねていき、膨らませていくこと。
問
「無気力な私の触覚にむしろ媚びてくる」とは、どういうことか。
解答
心身ともに弱っている「私」の感覚に優しく寄り添ってきて、「私」を慰め、癒そうとしてくれるということ。
第二段落の問題
問
「私の知っていた範囲で最も好きな店」であったのはなぜか。
解答
決して立派な店ではなかったのだが、果物屋固有の美しさが最も露骨に感ぜられたから。
問
「裸の電灯が細長いらせん棒をきりきり目の中へ刺し込んでくる」とあるが、これはどのような様子について述べているのか。
解答
裸電球の光が、直視できないほどにまぶしく目に飛び込んでくる様子。
問
「逆説的な本当であった」とあるが、なぜ「逆説的」といったのか。
解答
しつこかった憂鬱とたかが一顆の檸檬とが釣り合ったという、常識的には考えにくいことが起こったから。
問
「私」は「檸檬」のどのような点が好きだというのか。
解答
単純な色・紡錘形の格好・冷たさ・匂やかな空気・重さ
問
「思いがった諧謔心」とはどういうものか。
解答
一個の檸檬の重量に本来重量のない善と美の象徴を見ようとするような、突拍子もない戯れを思いつくユーモア。
第三段落の問題
問
「そのときの私にはやすやすと入れるように思えた」のはなぜか。
解答
檸檬の快さによって憂鬱から解放されていたから。
問
「試していたら」とあるが、どういうことを試すのか。
解答
積み上げた画本の上に檸檬を置いて、憂鬱な気分が紛れるのかどうかということ。
問
「第一のアイディア」の内容を説明しなさい。
解答
さまざまな色彩の本を積み上げ、その上に檸檬を置いてみること。
問
「第二のアイディア」の内容を説明しなさい。
解答
積み上げた本の上に檸檬を置いたまま、丸善から立ち去ること。
以上の問題をおさえておけば、テスト8割は硬いと思います!
檸檬の感想文の書き方
檸檬の授業が終わる頃に「感想文」を求められることはよくあります。
こうした感想文も実は成績評価の1つに含まれているので、できれば高評価を取りたいですよね。
ここでは、檸檬の授業を何度も行い、200人以上の感想文を採点してきた僕が「高評価をもらえる檸檬の感想文」の書き方を解説します。
主人公に共感できる内容を書く
・普段見慣れている物事が、心身の状態で異なった見え方をした経験がないか。
檸檬の感想文はなかなか難しいですが、主人公「私」の状況と自分を重ねて共感できることを探して書いてみましょう。
「私」も「不吉な塊」のせいで以前好きだったものに魅力を感じなくなってしまいました。
同じような経験が自分にはないか考えて書くと、高評価がもらえる可能性が高いです。
檸檬の感想文の例文(400字)
私は檸檬を読んで、主人公と同じように普段見慣れていたものが異なって見えた経験はないかと考えてみました。
私の家の庭には毎年芍薬の花が咲きます。私は花が好きで芍薬が咲くたびに写真を撮ったりして楽しんでいました。しかし、去年の年末に一緒に住んでいる祖母が病気で倒れ、入院してしましました。祖母もこの花が好きで、咲くのを楽しみにしています。しかし、祖母が芍薬を見る前に散ってしまいました。祖母のいない今年の芍薬の花は、はかなく見えてなんとなく嫌な予感を私に感じさせました。
その後、祖母は無事に退院できて私の嫌な予感は外れて安堵しました。いつもは楽しみにしていた芍薬の花が祖母の入院により楽しめなくなっていた私と、主人公の状況や心情が重ねるところがあるなと思いました。
私はそんな時、お気に入りの曲を聞いて気分を紛らわせます。さすがに爆破願望はないですが、自分の不安の解消の仕方を持っていてよかったなと思います。(400字)
「檸檬が爆弾になるのが面白かった」
「自分も雑貨屋が好きで共感できる」
これは内容の薄いNG感想文で、評価が低くなるので注意してください。
現代文のお悩みをすべて解決します!
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!