こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!
現代文の勉強法が分かりません…。
現代文の勉強の仕方が分からないので、全然成績が上がりません…。
私ってセンスないのかな?
現代文は、最も勉強法が確立されていない教科だと言えます。
なぜなら「暗記するもの」が極端に少ないので、何を覚えれば得点できるのか分からないからです。
そんな現代文にもしっかりとした勉強法があり、着実に成績を伸ばしていけると現役の国語教師の僕が保証します。
・大学受験のおける現代文とは?
・現代文に必要な4つの力
・現代文の勉強法
ちなみに定期テストの現代文と、大学受験の現代文は別物です。
このページでは大学受験の現代文の成績を上げたい人に対して、確実な勉強法を解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
大学受験における現代文の勉強法
学校の定期テストで良い点を取れていても、模試や受験の現代文では全く点が取れないという人はかなりいます。
それは「定期テストの現代文は暗記」であり、「受験の現代文は実力」であるからです。
定期テストの勉強の仕方を続けても、受験の現代文では通用しません。
まずは、大学受験における現代文について理解するところが勉強のスタートです。
・評論と小説の2種類の問題
・初見の文章への対応力
・現代文のダメな勉強法
評論と小説の勉強法
大学入試の現代文(大学入学共通テスト)では「評論」と「小説」の2種類の問題が出題されます。
私学一般入試、国立二次試験では「評論」の出題が多く、「小説」が出題されるところは少ないです。
学校の教科書にある「詩」や「俳句・短歌」などは、ほとんど出題されません。
評論文のポイント
評論文において重要なことは、「筆者の主張を読み取る」ことです。
評論文というものは筆者が何かを主張するための文章なので、「筆者の主張」をとらえることができれば正解に一気に近づきます。
小説のポイント
小説において重要なことは、「登場人物の心情の変化を読み取る」ことです。
小説の問題は、基本的に長編小説の一場面を切り取って出題されます。
その場面中で必ず「登場人物の心情」が変わる部分があり、そこが出題のポイントになります。
初見の文章への対応力
あ、これ読んだことある文章だ!
大学受験の現代文では、読んだことのある文章が出ることはは99%ありません。
ここが定期テストの現代文との決定的な違いで、「初めて読む文章にどれだけ対応できるか」が高得点のカギになります。
加えて、大学入学共通テストでは「大量の文章を短時間に読む」ことも求められます。
現代文の授業のように「一つの文章を何時間もかけて読解して、それがテストに出る」という方式ではないので、完全なる実力が求められます。
現代文のダメな勉強法
・同じ問題集を何周もする
・漢字や語彙を軽視する
・解答の解説を読まない
これらの勉強法はNGで、当てはまっていたらもちろん成績は上がりません。
まず大学受験の現代文は「初見の文章への対応力」が重要なので、「一度読んだことのある文章」を何度やっても意味がありません。
問題集は1周したら次に行きましょう。
また、毎年1点差2点差で不合格になる人は大量にいます。
漢字や語句の意味は配点が低いので軽視されがちですが、ここで点を落としていると痛い目を見るのが大学受験です。
最後に、「問題集の解答の解説」は現代文の実力を上げるために必要不可欠です。
問題を解いたら答え合わせをして、解説はスルーしています。
これでは「なぜ間違ったのか」「問題の趣旨は何か」「どうすれば正解できたのか」が分からないので、実力がつきません。
解答の解説は熟読!が現代文の基本です。
大学受験の現代文に必要な力
大学受験の現代文では「初見の評論文・小説に対応する力」が重要ということを説明しましたが、具体的にどのような力を伸ばしていけば良いのかを解説します。
・漢字力
・語彙力
・読解力
・解答力
漢字力の勉強法
文章を読むうえで、漢字が読めなければ話になりません。
また漢字の書き取りや読みを答える問題も出題されるので、ここは確実に点が取れるようにならなければいけません。
漢字力って言われても、具体的にどれくらいの力をつければいいの?
例えば「漢検2級」を取得していれば「高校卒業程度の漢字」をマスターした証明になりますので、在学中の取得をおすすめします。
漢検2級を持っていれば、大学受験の願書にも書けますし漢字問題ではほとんど落とさなくなるのでぜひ取得してみてください。
語彙力の勉強法
・世俗化
・一義的
・形而上
・淘汰
「評論」ではこのような言葉が文中に当たり前のように出てきて、もちろん意味の解説などはありません。
これらの難しい言葉の意味を理解しておかなければ、筆者が何を言いたいのかが分かりません。
・気が置けない相手
・琴線に触れる
・すべからく
・やぶさかではない
「小説」では慣用表現など、普段の会話で使わないような言葉が出てきて、その意味を答える問題もよく出ます。
これらも意味を理解していないと、読解が難しくなります。
読解力の勉強法
「漢字」「語彙」は単体の言葉の意味ですが、文章の意味を理解する「読解力」が最重要です。
「読解力」の定義に関しては色々な意見がありますが、僕個人としては「自分の意味が分かる言葉に翻訳する力」だと考えています。
評論文の例をあげます。
日本の都市と西欧都市を比較して、その自然との関係における相違がしばしば指摘される。特に、江戸から明治の東京への変化を追跡する場合には、都市と自然との結びつき方は重要な着目点となる。
引用 「近代都市のレトリック」 陣内秀信
ザ・現代文って感じの文章で、ちょっと読むだけで頭が痛くなります…。
この文章を、そのまま読もうとするから難しく感じてしまうのです。
「日本の都市と西欧都市を比較して、その自然との関係における相違がしばしば指摘される。」
→日本の都市とヨーロッパの都市は、自然との関わり方が違う。
「特に、江戸から明治の東京への変化を追跡する場合には、都市と自然との結びつき方は重要な着目点となる。」
→江戸から明治の東京に変わる中での、都市と自然との関わり方が大切なポイント。
このように読解力がある人は、難しい文章でも脳内で瞬間的に自分が分かる言葉に置き換えます。
そのためには、言葉の意味をたくさん知っていることが前提なので、漢字と語彙は配点が低くても軽視できないということです。
解答力の勉強法
正確に減点されない解答を作成する力がないと、読解力が無駄になってしまいます。
基本的な現代文の解答の仕方は、3パターンです。
・記号を選択する問題
・本文中から抜き出す問題
・記述問題
記号問題では、消去法で正解を割り出す方法が最も一般的です。
抜き出し問題は条件や指定字数をおさえれば、比較的カンタンに答えの箇所を特定できます。
問題は記述問題で、「読めるけど書けない」という人が多いです。
大学受験の特に国立二次試験では、長文を書かせる記述問題も出題され、配点もかなり高く設定されるので、記述力をつけるのは絶対必要です。
➡【現代文の抜き出し】文中から答えを特定する方法を徹底解説!
偏差値を7上げる現代文の勉強法
大学受験の現代文の実力を上げるための、具体的な勉強法を解説します。
・読解系問題集で解法を覚える
・漢字力と語彙力をつける
・センター試験の過去問を解く
・記述対策をする
読解系問題集で解法を覚える
「読解系問題集」とは、問題を解きながら“現代文の解き方”を解説してくれるものです。
最初にも触れましたが、「学校の授業の現代文」と「大学受験の現代文」はまるで別物です。
まずは1冊解いてみて、入試現代文に慣れることが大切です。
現役の国語教師の僕が受験生の頃に使っていて、今もなお大人気の超定番の問題集をおすすめしておきます。
【難易度】 基礎・標準
【偏差値】 40~55
【到達レベル】 センター6割
【対象者】 現代文が苦手な人
【問題数】 例題4+基礎6+応用6 計16題
「入試現代文へのアクセス」基本編は評論・小説のどちらの問題もあり、入試現代文を勉強し始めるならコレ!といった決定版です。
レベルに合わせて「基本編」「発展編」「完成編」と3つの段階があり、このアクセスシリーズだけでも大学受験の現代文に十分に対応できます。
➡【入試現代文へのアクセス】で偏差値を10上げる使い方を徹底解説!
\志望校別参考書ルートも解説!/
漢字力と語彙力をつける
読解系問題集と同時並行で、漢字と語彙にも取り組みましょう。
これにも大学受験用の「よく出る参考書」があり、それを使うのが効率的です。
大学入試に必須の約1800語を収録しています。
漢字問題での失点が合否を左右することは、毎年よくあることなのでここを軽視してはいけません。
現代文頻出キーワードを160語を精選し、科学・哲学・近代などのテーマ別で図解やイラストなどで視覚的に理解できます。
これも僕自身が受験生の時に使っていた参考書で、何周もすることで現代文の読解がかなり楽になりました。
言葉の意味を覚えることは現代文では直接得点につながりにくいですが、必要不可欠な基礎です。
参考書だけでなく、問題集の文章中に出てきた分からない言葉も調べる癖をつけると、さらに語彙力にブーストがかかるのでオススメです。
センター試験の過去問を解く
実は「センター試験(現大学入学共通テスト)」と「国立二次・私学一般入試」も別物の試験なのです。
・マーク式(選択問題のみ)
・短時間に大量の文章読解
選択問題のみのマーク式試験には、正解を絞り込むためのコツがあり、これは過去問演習を繰り返すことでできるようになってくるので、ある程度現代文の勉強を進めたら「センター試験」の過去問に取り組みましょう。
また、センター試験の特長として「超長文」を数分で読んで問題に答えるという、情報処理能力が求められる点があります。
これは読解力を加速させる練習にもなりますので、私学一般入試しか受けないという人もセンター試験の過去問に取り組むことは大いに意味があります。
センター試験の過去問題集で、21年25回分収載されています。
大学入学共通テストはまだ始まって間もなく過去問も少ないので、共通テスト対策としてセンター試験の過去問を解くことは間違いではありません。
さらに今のところセンター試験と共通テストで大きな違いはないので、センター試験の過去問で十分対策できます。
記述対策をする
・問われていることの確認
・設問条件の確認
・文末表現
・正しく自己採点する
「記述問題」は国立二次・私学一般入試において、配点がかなり高く設定されているので合格するなら最重要です。
コツとしてはまず「何を問われているのか」をしっかり確認することです。
「(傍線部)~とはどういうことか(説明せよ)」
「~はなぜか」
「傍線部~それ(これ)とは何か」
そして、「設問の条件」を確認してそれに沿った解答を組み立てます。
「本文に即して答えなさい」
これは、本文中の言葉を組み合わせて答えなさいということです。
ほとんど本文を写した表現になっても構いません。
「主語を補って答えなさい」
この場合は必ず「誰が」や「何が」等の主語を本文中から探して解答に含めてください。
「○○という語を使って」
この場合も、必ず指定された語句を全て解答に含めてください。
指定された語句を全て解答に含めて、意味の通る文章にできれば正答に近づきます。
最後に文末表現で減点されないように、しっかりと確認しましょう。
「どういうことか説明しなさい。」
「~ということ。」
「簡潔に説明しなさい。」
「~ということ。」
「~とはどういう~か答えなさい」
「~という~。」「~のような~。」
「どういう意味か答えなさい。」
「~という意味。」
最後に「自己採点」をしっかりとできないと、記述力はつきません。
でも、自分の解答が合っているかどうかって、解答を見ても分からなくないですか?
まずは「模範解答の書き写し」をしてみてください。
正しい答えの型を知ることによって、確かに記述の力はつきます。
➡【現代文の記述完全対策】現役国語教師が徹底的に解説します!
正しい現代文の勉強法で偏差値アップ!
・読解系問題集で解法を覚える
→「入試現代文へのアクセス」がオススメ!
・漢字力と語彙力をつける
→よく出る参考書を何周かする
・センター試験の過去問を解く
→最低でも10年分!
・記述対策をする
・問われていること
・設問条件
・文末表現
・正しい自己採点
現代文は、時間をかければ必ず成績が上がる科目です。
焦らずじっくり勉強していきましょう。
現代文のお悩みをすべて解決します!
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!