こんにちは！
高校教師の新堂ハイクです！
「ものとことば」のテストで高得点を取りたい！
現代の国語テストで鈴木孝夫の「ものとことば」が範囲なんだけど、さっぱり分からなくて困っています…。
現役国語教師の僕が、「ものとことば」をわかりやすく解説します！
現在私立高校で国語の教師をしており、実際に「ものとことば」の授業を何度も担当し、テストも10回以上作っている僕が徹底解説します。
このページを読めば「ものとことば」のテスト対策はバッチリなので、テスト前に何度も読み返してください。
・「ものとことば」のテストに出る問題
・「ものとことば」の本文解説と要約
・「ものとことば」の感想文の書き方
実際に「ものとことば」のテストを作っている国語教師が、重要ポイントを徹底解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
著者 新堂ハイク 30歳
・現役高校教師 勤続9年（特進クラス担任）
・難関大受験、小論文指導実績500人以上
・教育メディア運営7年（月間10万PV）
・執筆500記事以上、掲載企業80社以上
実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします！
「ものとことば」のテスト対策問題
実際に「ものとことば」のテストを何度も作っている、現役国語教師の僕がテストによく出る問題を徹底解説します。
基本的に出題する問題は決まっているので、これを完璧にすればテストで8割は固いと思います。
解説するのは「重要漢字」「重要語句」「内容問題」の3つです。
「ものとことば」重要漢字10選
次の太字部分の漢字を書きなさい。
①ボウダイな量の課題。
②話のショウテンが合わない。
③キョコウの世界に浸る。
④ユイメイロン的な考え方。
⑤条件をテイジする。
⑥内容をハアクする。
⑦ユウイギな時間が流れる。
⑧フウリンを玄関にかける。
⑨自分のシンネンを貫く。
⑩犯人をカクホする。
これらの問題は、僕が実際にテストに出した漢字です。
もちろん、書き取りだけでなく読みも出題していますが、書ければ読めますので、上記の10問は完璧にしましょう。
解答
①膨大 ②焦点 ③虚構 ④唯名論 ⑤提示
⑥把握 ⑦有意義 ⑧風鈴 ⑨信念 ⑩確保
「ものとことば」重要語句5選
「ものとことば」には難しい言葉も出てくるので、意味を問う問題も出題されます。
僕が意味を問う問題としてテストに出した語句は、以下の通りです。
多岐にわたる
（たきにわたる）
多方面に分かれている
森羅万象
（しんらばんしょう）
天地間の一切のもの
あらしめる
あるようにさせる
混沌
すべてが入りまじって区別がつかない様子
あるいは、天地がまだ開けず不分明である状態を指す
「混沌」とも表記する
虚構
（きょこう）
実ではないことや実際にはないものを、あたかも事実であることや実在するもののように見せかけること
実際にはない作りごと
「ものとことば」テスト対策問題10選
「ものとことば」のテストのメインとなる内容問題について解説していきます。
記述や抜き出しなど問題の形式は先生によって様々ですが、要点をおさえておけば、どのような形式で出題されても対応できます。
では、「ものとことば」のテストを10回以上作ってきた現役国語教師が実際にテストに出した問題を厳選して10個解説します。
問一
「ものとことばは、互いに対応しながら人間を、その細かい網目の中に押し込んでいる」とは、どういうことか。
解答
人間は、すべてのものに名がつけられた世界の中に存在させられているということ。
問二
「同じものが、言語が違えば別のことばで呼ばれる」と同じ意味を表した部分を抜き出しなさい。
解答
同じものが、国が違い言語が異なれば、全く違ったことばで呼ばれる
問三
「このような前提」とは何か。
解答
ものがあれば必ずそれを呼ぶ名としてのことばがあるという考えと、同じものが言語が違えば別のことばで呼ばれるという認識。
問四
「レッテルを貼る」とは、どういうことか。
解答
名前のラベルを貼りつけるということ。
問五
「第一の問題」とはどのような問題か。
解答
すでに存在するものにことばをつけるのか、ことばがものを存在させているのか、という問題。
問六
本文における「唯名論」と「実念論」をそれぞれ説明せよ。
解答
「唯名論」＝ことばがまずあって、それがものを存在させる。
「実念論」＝ものという存在がまずあって、それに後からことばがつけられる。
問七
「初めにことばありき」を言い換えた表現を、本文中から十二字で抜き出しなさい。
解答
ことばがものをあらしめる
問八
机を「外見的具体的な特徴から定義すること」が「ほとんど不可能」なのはなぜか。
解答
机の外見的な特徴は無数にあり、一つに特定することはできないから。
問九
「渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界」と同じ意味を示している箇所を、これより前の本文中と後の本文中からそれぞれ一つずつ抜き出しなさい。
解答
・空々漠々としていた世界
・絶えず生成し、常に流動している世界
問十
「虚構の分節を与え」るとは、どういうことか。
解答
本来は渾沌とした連続的で切れ目のない素材の世界を、人間にとって有意義な仕方で、ことばによって恣意的に区別してものを存在させるということ。
手っ取り早く80点取りたいなら、この問題を押さえておけばOKです！
「ものとことば」の本文解説・要約
「ものとことば」は全部で五段落に分かれています。
一段落ずつあらすじと解説をします。
「ものとことば」100字要約
私たちはことばを通して初めて世界を認識できている。ことばは、連続的で切れ目のない素材の世界に、人間にとって有意義と思われる仕方で、分節を与え、整然とした事物が存在するように見せる虚構性を持っている。 （99字）
要約の問題が出たら、こちらを参考にしてください。
第一段落の解説
世界にはたくさんの「もの」や「こと」が存在し、それぞれにそれを呼ぶ名としてのことばがある。
私たちは普段、数えきれない「もの」に囲まれて生活しています。
「名前のないものはない」それが世界の真理だというのが一般論ですよね。
第二段落の解説
多くの人は「同じものが言語が違えば別のことばで呼ばれる」という認識を持っている。
「名前のないものはない」という考え方と同じくらい疑いようのない考え方として、「同じものが、国が違い言語が異なれば、全く違った言葉で呼ばれる」というものがあります。
例として本文では、「イヌ」があげられます。
日本語…イヌ 英語…dog ドイツ語…Hnud
中国語…狗 フランス語…chien などなど
これらは全て同じ「イヌ」を表します。
第三段落の解説
ものとことばの関係は「ことばがものをあらしめている」と言える。
また、異なった名称は、程度の差こそあれ、かなり違ったものを提示していると考えるべきである。
ことばは、世界認識の手がかりであり、私たちが素材としての世界を整理して把握する時に、どの部分、どの性質に認識の焦点を置くべきかを決定するしかけに他ならない。
・名前のないものはない
・同じものが、国が違い言語が異なれば、全く違った言葉で呼ばれる
この二つの大前提のような考えに、疑いを持つ人々（哲学者や言語学者）は次のように主張します。
「ことばがものをあらしめている」
これは「言葉があるからモノを認識できる」という考え方です。
言葉がなければ「イヌ」も「ネコ」も区別することができず、言葉によってのみ、世界を認識できるということです。
こうなると、「言語が違うと、違うモノとして認識している」という考えが成り立ちます。
日本には「クジラ」を食べる文化があり、「捕鯨」というクジラ漁が行われている地域があります。
日本人にとって「クジラ」は食べ物とも言えます。
西欧にはそのような文化はなく、「whale（クジラ）」は神聖な生き物として考えられています。
日本人と西欧人で同じクジラを見ても、その認識は果たして同じなのでしょうか。
第四段落の解説
「机」というものを定義するにあたって大切なのは人間側の要素である。
つまり、机というものをあらしめているのは、人間に特有な観点であり、そこに机というものがあるように私たちが思うのは、ことばの力によるものである。
「机」を定義する（他と区別できる明確な基準を定める）のは、意外と難しいです。
色々考えた結果「その前で人がある程度の時間、座るか立ち止まるかして、その上で何かをする、床と離れている平面」となりました。
でもこれって、人間が使う前提の要素しかないですよね。
犬や猫からしたら「机」も「イス」も「棚」も一緒です。
人間は「机」という言葉があるから、目の前の「机」を「机」だと認識できるのです。
第五段落の解説
ことばというものは、渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界に、人間の見地から、人間にとって有意義と思われる仕方で、虚構の分節を与え、そして分類する働きを担っている。
すなわち、ことばは虚構性を本質的に持っている。
「ことば」は人間が世界を区別して認識するために、必要不可欠です。
「机」は「机」として生まれてきているわけではありません。
「机」にできる形の「もの」に人間が「机」や「Table」などと、他と区別できるように名前をつけているだけです。
これが「ことばの虚構性」です。
「ことば」はもともと名前などついていない「もの」を分節し、虚構の名を与える性質を持っているのです。
「ものとことば」の感想文の例文
「ものとことば」の授業が終わる頃に「感想文」を求められることはよくあります。
こうした感想文も実は成績評価の1つに含まれているので、できれば高評価を取りたいですよね。
ここでは、「ものとことば」の授業を何度も行い、200人以上の感想文を採点してきた僕が「高評価をもらえる感想文」の書き方を解説します。
まずは、筆者の言いたいことを整理しましょう！
筆者の主張
筆者の主張（言いたいこと・伝えたいこと）を踏まえた上で感想を書くと「本文の内容を理解しているな」と思われて高い評価を得ることができます。
・言葉は人間が世界を認識する唯一の窓口である
・言葉は虚構性を持っている。
「言葉の虚構性」は感想文に書くにはやや難しいテーマなので、もう少し身近なところで「言語の違いは異なったものを見せる」を焦点に書くと書きやすいと思います。
これは「言葉は人間が世界を認識する唯一の窓口である」の主張を踏まえているので、本文の内容を理解していると評価されます。
英語学習など、多科目と関連づけるとさらに良いでしょう。
「ものとことば」感想の例文（200字）
「ものとことば」で興味深いと思ったことが「同じものでも言語が違えば異なったものを見せている」という筆者の主張である。
同じ犬を見ていても、日本人にとっての犬はペットの枠を超えた家族のような親しさのある動物だが、中国人は犬を食べる習慣があるので食べ物として認識しているのだろう。そう考えると今学習している英語で発音するdogもまた違う認識をもたらしていると考えられる。
違いについてもっと知りたいと思った。（200字）
現代文のお悩みをすべて解決します！
以上で本記事は終了です！
最後までご覧いただきありがとうございました！
