こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!
読書感想文は何を書けばいいの?
読書感想文の宿題が出たけど、800字も原稿用紙を埋められません…。
読書感想文の書き方を国語の授業では習ってないのに、夏休みなどに読書感想文の宿題が出て大変な思いをしている人は多いですよね。
そこで毎年100人以上の読書感想文を読んで採点している現役教師の僕が、国語の先生の目線から簡単に書ける読書感想文の構成の方法を徹底解説します!
・読書感想文の段落構成(テンプレ例文あり)
・読書感想文が簡単になる読み方
・年齢別の高評価ポイント
読書感想文に困っている人は、このページを読めば1日で読書感想文が終わると思いますので、ぜひ最後までご覧ください!
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
読書感想文は4つの段落構成で書く
読書感想文は4つの段落構成を使えば、誰でも簡単に書くことができます。
1.オープニング
2.あらすじ
3.メインパート
4.まとめ
あまり聞いたことがない段落構成だと思いますが、この1~4の流れに沿って書けば評価の高い読書感想文を書くことができます。
1.オープニング
読書感想文の書き出しの段落です。
・本との出会い
・本を読む前の気持ち
・読もうと思ったきっかけ
最初の段落では基本的に「本を読む前の自分」について書きます。
例文
私がこの本と出会ったきっかけは、友人からの紹介です。普段からあまり本を読まないので、感想文を書くなら正直どんな本でもいいと思っていましたが、この本はそんな私でもスラスラと読めてしまうほど面白く、引き込まれる内容でした。表紙絵も独特で、読む前と読み終わってからだと印象が違って見えるような不思議な絵でした。 (152文字)
この例文に本の題名などを入れていけば、現時点で152文字程度なので800字の感想文なら20%程度終わります。
・印象に残ったフレーズから書く
・最も心に残った教訓や学びから書く
・読み終えて思ったことから書く
このような書き出しから始めても、面白い読書感想文が書けると思います。
オープニングの分量は10%~20%程度でOKです。
例 原稿用紙2枚(800字)→80字~160字くらい
2.あらすじ
あらすじは長くなり過ぎないようにシンプルにまとめます。
・いつの話か、舞台はどこか、主人公はだれか
・ストーリーの流れを簡単に
あらすじは簡単な本の説明なので、本の裏表紙にある説明書きを参考にすると書きやすいです。
例文
この本の題名は「○○」で、作者は「✕✕」さんです。舞台は東京の高校で主人公の△△と友人の☆☆が、学校で起こる事件に巻き込まれては解決していくという推理小説です。事件を通して主人公の△△が人間的に成長していき、☆☆との友情を深めていくという内容です。最初は小さな事件だったのですが、そのうち色々な人を巻き込む大事件に発展していくところ私が引き込まれたポイントです。 (181字)
この例文は架空のものですが、このような感じでカンタンに内容をまとめればOKです。
あらすじもオープニングと同じくらいの分量(10%~20%程度)にして、長すぎることのないようにしましょう。
え~、あらすじで水増しする作戦だったのに~。
原稿用紙3枚以上となるとなかなか埋められずに、あらすじで文字数を稼ごうと思う人も多いと思いますが、採点者の先生目線では「この子はサボっているな」と分かります。
僕の解説するテンプレに沿って書けば、あらすじで水増しせずとも埋められますし、サボっているとは分かりません!
どうせなら、楽して良い評価をもらいたくありませんか!?
ここまでで、333字/800字なので41%が埋まりました。
次の3のメインパートは、書くことがてんこ盛りなので、ここで字数を稼いでいきましょう。
3.メインパート
ここで「自分の感想」という読書感想文のメインの内容を書いていきます。
・心に残ったシーン、言葉とその理由
・登場人物が好きな理由や嫌いな理由
・自分ならどうするか
・自分の体験談
・読んでいるときの気持ちの変化
メインパートには「読んでいるときの自分」について詳しく書いていきます。
例文
「心に残ったシーン、言葉とその理由」
私が一番印象に残ったシーンは、○○です。理由はその時に主人公の△△が言われた「□□」という言葉を私も言われたことがあったからです。私はその時すごく落ち込んでしまいましたが、△△は心が折れることなく事件解決のために一生懸命に頑張っていました。その精神力の強さが主人公らしく、とても魅力的だと思いました。 (150文字)
印象に残ったシーンと言葉は、セットにすると書きやすいです。
さらに自分が言われたことがある言葉・言ったことがある言葉を抜き出すと理由につなげやすいです。
例文
「登場人物が好きな理由や嫌いな理由」
私はこの物語の▲▲という登場人物のことが嫌いです。なぜなら、主人公の行く先々に現れて邪魔をするからです。ただ、敵なのですが野良猫を助けたり、子どもには手を上げなかったりと憎めない部分も多くあります。なので、人物的には嫌いですが読んでいて不快に思うことはありませんでした。そのような登場人物の魅力も、この物語を面白くしている要素だと思います。 (170字)
嫌いな場合はただただ嫌いな理由を上げるのではなく、登場人物の魅力につなげるようにしましょう。
例文
「自分ならどうするか」
私はこの本を読みながら、「自分ならどうするか」を主人公の行動と照らし合わせて進めていきました。しかし、読み進めていけばいくほど「自分には主人公のようにはできないな」と思うようになりました。△△の行動力や発想力には驚くばかりで、もしこの本の主人公が自分だったら事件は解決できなかったと思います。でも、△△のおかげで私も勇気をもって行動しようと思うことができました。 (181字)
登場人物とは違う発想を持ってもかまいませんし、「自分にはそんなことはできない」と書くのもかまいません。
「自分ならどうするか」という視点で読んでいる、ということをアピールできるの高い評価をもらえますよ。
例文
「自分の体験談」
実は私も△△と同じ体験をしたことがあります。その時私は〇歳で、□□を体験したときは△△と同じように考えました。今同じ体験をしたら、今の自分ではまた違った考え方になると思います。自分の体験と本の主人公の体験が重なることは、なかなかないことだと思うので、この場面は印象に残っています。 (140字)
登場人物と同じ体験があったなら、使わない手はありません。
貴重な体験でなくとも例文のように「本の登場人物と同じ体験をしたこと」自体が印象に残っている、といえば違和感なく書くことができます。
例文
「読んでいるときの気持ちの変化」
私はこの本を読む前は、表紙とタイトルのイメージで明るい話だと思っていましたが、読み進めていくうちに楽しいだけの物語ではないんだと気づきました。いつも明るく振舞っている主人公にも暗い過去があったりして、普通の高校生なんだなと実感しました。自分の友達にも辛い過去を隠して、無理に明るく振舞っている子はいないだろうか。そのようなことを考えさせてくれる話だと思いました。 (181字)
読む前の自分のイメージと、読んだあとのギャップを書けば気持ちの変化について書くことができます。
意外と書くことってたくさんあるんですね!
このメインパートは全体の60%くらい(480字/800字)を目安に、できるだけたくさん書きます。
4.まとめ
最後にまとめを書いて感想文は終わりです。
・本から学んだこと、教訓
・自分の人生にどう生かすか
まとめには「読み終わった後の自分」について書いていきます。
例文
「本から学んだこと、教訓」
私はこの本を読んで学んだことがあります。それは「友人を信じること」です。これは言葉にすると簡単ですが、ギリギリの状況でも同じことが言えるかといえば難しいと思います。この本の主人公は、どんな状況でも友人を信じて、裏切られたこともありましたが、最後には信じたことで報われています。この本を通して「信じること」の力は大きいのだと勉強になりました。 (170字)
最後に本を通して学んだことを書くのは定番です。
例文
「自分の人生にどう生かすか」
私はこの本を読んで学んだことを、部活動でも生かしていきたいと思っています。私の所属する○○部はチームスポーツなので「友人を信じること」はとても大切です。前の大会では、チームが一つになり切れていないところがあったので、次の大会ではチーム一丸となって勝ち進めるように頑張りたいです。 (189字)
学んだことを実際の行動につなげる、という書き方ができたら高評価です。
例文
「最後のフレーズ」
この本は間違いなく私にいい影響を与えてくれたと思います。普段本を読まない私ですが、これからは積極的に本を読んでいきたいです。 (62字)
最後のフレーズで、オープニングで書いたことにつなげられれば完璧です。
さらに、積極的に読書をしていきたいと書いたら先生にも好印象でしょう。
最後にこれまでの例文をつなげて、そのまま使えるテンプレートを紹介します。
そのまま使えるテンプレート例文
オープニングの例文
私がこの本と出会ったきっかけは、友人からの紹介です。普段からあまり本を読まないので、感想文を書くなら正直どんな本でもいいと思っていましたが、この本はそんな私でもスラスラと読めてしまうほど面白く、引き込まれる内容でした。表紙絵も独特で、読む前と読み終わってからだと印象が違って見えるような不思議な絵でした。 (152字)
あらすじの例文
この本の題名は「○○」で、作者は「✕✕」さんです。舞台は東京の高校で主人公の△△と友人の☆☆が、学校で起こる事件に巻き込まれては解決していくという推理小説です。事件を通して主人公の△△が人間的に成長していき、☆☆との友情を深めていくという内容です。最初は小さな事件だったのですが、そのうち色々な人を巻き込む大事件に発展していくところ私が引き込まれたポイントです。 (177字)
メインパートの例文
私が一番印象に残ったシーンは、○○です。理由はその時に主人公の△△が言われた「□□」という言葉を私も言われたことがあったからです。私はその時すごく落ち込んでしまいましたが、△△は心が折れることなく✕✕のために一生懸命に頑張っていました。その精神力の強さが主人公らしく、とても魅力的だと思いました。
私はこの本を読みながら、「自分ならどうするか」を主人公の行動と照らし合わせて進めていきました。しかし、読み進めていけばいくほど「自分には主人公のようにはできないな」と思うようになりました。△△の行動力や発想力には驚くばかりで、もしこの本の主人公が自分だったら事件は解決できなかったと思います。でも、△△のおかげで私も勇気をもって行動しようと思うことができました。
私はこの本を読む前は、表紙とタイトルのイメージで明るい話だと思っていましたが、読み進めていくうちに楽しいだけの物語ではないんだと気づきました。いつも明るく振舞っている主人公にも暗い過去があったりして、普通の高校生なんだなと実感しました。自分の友達にも辛い過去を隠して、無理に明るく振舞っている子はいないだろうか。そのようなことを考えさせてくれる話だと思いました。 (510字)
まとめの例文
私はこの本を読んで学んだことがあります。それは「友人を信じること」です。これは言葉にすると簡単ですが、ギリギリの状況でも同じことが言えるかといえば難しいと思います。この本の主人公は、どんな状況でも友人を信じて、裏切られたこともありましたが、最後には信じたことで報われています。この本を通して「信じること」の力は大きいのだと勉強になりました。
私はこの本を読んで学んだことを、部活動でも生かしていきたいと思っています。私の所属する○○部はチームスポーツなので「友人を信じること」はとても大切です。前の大会では、チームが一つになり切れていないところがあったので、次の大会ではチーム一丸となって勝ち進めるように頑張りたいです。
この本は間違いなく私にいい影響を与えてくれたと思います。普段本を読まない私ですが、これからは積極的に本を読んでいきたいです。 (371字)
このテンプレート例文で1210文字あるので、原稿用紙3枚分の読書感想文の完成です。
原稿用紙3枚以上の場合はメインパートの「登場人物の好き嫌い」「自分の体験談」などを入れれば、必要な文字数に到達します。
「あらすじ」や「自分の人生に生かすこと」など細かい部分は変えなければなりませんが、このテンプレートにそって書けば、1日で読書感想文が終了しますので、ぜひ活用してください。
【読書感想文のコピペがバレる理由】
なぜコピペがバレるのかというと、普段あなたが書かないような言葉を使っているからです。
日ごろの授業で提出しているプリントやテストの解答から、国語の先生はあなたの語彙力(使える言葉)を知っています。
例えば「不快感を露わにする」などの難しい言葉をいきなり使うと一発でコピペがバレるので、簡単に「気持ちが悪い」などと書きましょう。
言葉が難しいか簡単かは、読書感想文の評価にはあまり関係ありませんので心配なく。
読書感想文が簡単に書ける方法
構成の方法は分かっても、実際に本を読まなければ書く内容が分かりません。
ここでは本を読む際に意識すると、読書感想文が簡単に書けるようになるポイントも紹介します。
・メモを取りながら読む
・線を引いたり、ふせんを張る
・言葉の意味を調べる
メモを取りながら読む
・印象に残った場面
・グッときた言葉
・疑問に思ったところ
・勉強になったところ
読書感想文を書く上でのネタを読みながら探していくと、読み終わったころにはすぐに書けるようになっています。
文章にしなくとも箇条書きで大丈夫なので、使えるネタを読みながらどんどん書きだしていきましょう。
線を引いたり、ふせんを張る
メモを取るのがめんどくさい、という人は本に線を引くだけでもOKです。
この際、どこのページに線を引いたか分からなくなるのを防ぐため、ふせんも同時に貼るといちいち探さなくてもよくなります。
借りた本ならもちろん線は引けないので、ふせんを貼るにとどめておきましょう。
言葉の意味を調べる
自分が知らない言葉が物語に出てきたら、意味を調べてみると国語力が上がるのでおすすめです。
ちょっとしたテクニックとして「自分が本を読んで初めて知った言葉」を読書感想文に書いて、文章量を増やすということもできます。
例文
私はこの本を読んで「僥倖」という言葉を初めて知りました。この言葉は「思いがけない幸福」という意味です。私にとってこの本と出会えたことが「僥倖」だと思いましたし、自分の知見を広げてくれるいい機会になりました。
もし文章量が足りなければ、試してみてください。
年齢別の高評価ポイント
どうせ書くなら良い評価をもらいたい!
という人に向けて、高評価がもらえるポイントを年齢別で解説します。
小学生の読書感想文
・慣用句やことわざを入れる
・作文のルールを正しくする
小学生はまだ人生経験が豊富ではありませんので、使える言葉の数やしっかりとルールを守って書けているかが高評価のポイントになります。
中学生の読書感想文
・漢字が多く使えている
・最近のニュースなどに触れる
中学生になるとできるだけ漢字を使えているかどうか、が高評価のポイントになります。
ただし、闇雲に漢字を使えばよいというわけではなく、正しく書けているかが大切なので、まずは習った漢字が書けるように頑張ってみましょう。
最近のニュースに絡めた内容が書けていると、さらに高評価です。
これも闇雲に取り入れるのではなく、関連性の高いニュースがあれば書いてみる程度にしておきましょう。
高校生の読書感想文
・体験談の充実
・自分以外の体験談(有名人・偉人など)
高校生になると、人生経験も小学生の時よりは豊富になっていますので「自分の体験談」と上手く絡めて書くことができれば高評価です。
また、自分だけでなく有名人(スポーツ選手など)や偉人(歴史上の人物)のエピソードを書けると、知識のアピールにもなりますし、文書量が増えておすすめです。(書きすぎ注意!)
社会人の読書感想文
・具体的なデータ
社会人で読書感想文を書くことがあれば、小~高のポイントに加えて「具体的なデータ」などを示せると効果的です。
まとめ
〇読書感想文の4つの段落構成
1.オープニング
2.あらすじ
3.メインパート
4.まとめ
〇読書感想文が簡単に書ける方法
・メモを取りながら読む
・線を引いたり、ふせんを張る
・言葉の意味を調べる
〇年齢別の高評価ポイント
・小学生
・慣用句やことわざを入れる
・作文のルールを正しくする
・中学生
・漢字が多く使えている
・最近のニュースなどに触れる
・高校生
・体験談の充実
・自分以外の体験談(有名人・偉人など)
・社会人
・具体的なデータ
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!