こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!
授業中に内職すると受験に落ちるって本当?
授業中に内職した人が先生に「受験に落ちる」って言われてたけど本当なのかなぁ?
結論から言うと、内職が受験に影響するかは本人次第です!
僕は現在私立高校で教師をしていますが、授業中の内職について思うことは「内職するくらいなら学校休めばいいのに」です。
もちろん、「授業中に内職するような奴は学校に来るな!」ということではありません。
僕自身高3の受験期に非効率な授業に嫌気が差し、学校に全く行かず独学で受験勉強していたので、内職する人の気持ちはとても分かります。
ただ自分自身が先生となった今、内職について現役の教師が思うことを書いていきます。
このページでは、
・内職する理由
・内職のメリット、デメリット
・内職に対する先生の本音
・内職を確実に成功させる方法
これらのことを徹底解説します。
内職される教師側の気持ちを知って、ぜひ授業中の内職を成功させてください。
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
内職とは?
まず授業中の“内職”という言葉の定義について確認しておきます。
学校の授業時間中に、授業内容とは別の課題に取り組んだり、参考書を用いて勉強すること。
元々の「内職」という言葉の意味は「本職のほかに(家計の補助として)行うかせぎ」です。
授業(本業)とは別の勉強(かせぎ)という使われ方で、いったい誰が言いだしたのか、とても面白い言葉だと思います。
ただし授業中に漫画を読んだり、ゲームをするといった“勉強以外のこと”は内職の定義には当てはまりません。
あくまで、自主的な学習がメインであることが内職の条件です。
「自分で学習したい」という気持ちが強いからこそ起こる行動なので、教師側としても少し対応に困るところがあります。
では、なぜ授業中に別の学習に取り組もうと思うのでしょうか?
内職する理由
内職する理由は主に以下の3つです。
・授業の効率が悪い、つまらない
・勉強したい内容と違う
・課題提出が間に合わない
では上から順番に解説していきます。
授業の効率が悪い、つまらない
この授業の効率の悪さ、つまらなさが内職の一番の理由です。
これは高3の受験生に特に多い理由で、実は仕方がないことなのです。
同じ50分
・40人向けの40人ペースの授業
・自分のペースで行う自主学習
高3で志望校もやることもはっきりしていると、どうしても授業の効率が悪いことに気が付きます。
正直教師の僕も授業の非効率さには「どうしたものか」と思うところがあります。
他には単純に「授業がつまらない」という理由もあり、これに関しては半分くらいは教師側の問題でもあります。
勉強したい内容と違う
授業の進み具合や単元を決めるのは教師です。
自分が苦手としている範囲や、伸ばしたいところとは違う内容の授業でも受けなければならないのが生徒で、こうした“やりたいことのすれ違い”から内職をする生徒が出てきます。
特に生徒個人にとってすぐに理解できて、簡単だと思える授業だと時間内にヒマを持て余してしまい、内職に走る傾向にあります。
この場合は、同じ教科内で別の範囲の学習をすることが多いので、内職がバレにくいという点もあります。
課題提出が間に合わない
これは前述の2点とは少し理由が違います。
本日中に提出するべき課題などが終わっておらず、休み時間を使っても間に合わないときに内職をする生徒が出てきます。
これは自己管理ができておらず、学習意欲からくるものではないので、基本的には指導対象になります。
たまに日直日誌を書いている生徒などもいますが、それは確実に注意されます(笑)
内職のメリット・デメリット
では内職のメリットとデメリットについて解説します。
内職のメリット
✅勉強時間を増やせる
✅自分のペースで勉強できる
✅マルチタスクが身につく
では上から順番に解説していきます。
勉強時間を増やせる
内職の最大のメリットです。
非効率でつまらない授業を受けている時間を、自分の勉強に当てることができるので他のクラスメイトよりも勉強時間を多く確保できます。
仮に全授業時間内職をした場合、50分✕6回で300分(5時間)も勉強時間を増やすことができます。
僕自身は授業中の内職は、受験で使わない科目の授業でやっていました。
自分のペースで勉強できる
受験で使う科目の授業だとしても、すでに理解できている単元の場合、たいていの時間はヒマを持て余してしまいます。
そこで内職をすることで「自分の勉強したい単元」に取り組むことができます。
例えば日本史の授業で、得意な室町時代の授業を受けるより、苦手な安土桃山時代の勉強をした方が効率的に暗記が進むというような具合です。
僕が高校の時は、センター試験までに日本史の範囲が終わらないという授業があったので、内職するしかないという状態もありました(笑)
マルチタスクが身につく
一度に複数のことを同時並行していく力のことを“マルチタスク”と言います。
内職は本来の授業内容を把握しながら、自分のやりたい勉強を進めていくので、このような能力が育ちます。
基本的に学校でやっていることはシングルタスクで、会社で働きだすとマルチタスクを求められるので、社会でも通用する能力といえます。
授業の内容、先生の位置・目線、自分の参考書といった要素を常に気にしながら作業を行うので、意外と集中力が必要なのが内職です。
内職のデメリット
✅心理的ストレス
✅中途半端に終わる
✅推薦入試の場合影響が大きい
では上から順番に解説していきます。
心理的ストレス
先生に見つかったらどうしよう…怒られるかも…。
内職にはこのような「心理的ストレス」が付きまといます。
「心理的ストレス」は体調面にも影響を及ぼす場合があるので、体の調子が悪いときは内職をしない方がよいと思われます。
中途半端に終わる
先生の目を気にしてたら、内職しようとしてた英単語も全然覚えられないし、授業も何言ってたかわからなかった…。
内職を成功させるにはメンタル面の安定が大切です。
前述の「バレるかもしれないという心理的ストレス」に意識が行き過ぎて、肝心の内職の内容も授業の内容も入ってこないという、中途半端な結果に終わってしまうケースもあります。
こうなると50分丸々時間の無駄になってしまうので、気をつけましょう。
推薦入試の場合影響が大きい
あまりいないと思いますが、成績を提出する系統の入試方法を利用する場合、内職がバレたときのリスクはかなり大きいです。
・学校推薦型選抜(旧指定校、公募推薦)
・総合型選抜(旧AO入試)
これらの入試形式の場合、受験に与える影響は大きいです。
一般入試以外の入試方法は、学力よりも人物評価の割合が高いので、教師の印象を悪くすると最悪の場合推薦取り消しにもなりかねないので、絶対にやめましょう。
では次に「内職に対する先生(一個人)の本音」を言いたいと思います。
内職に対する先生の本音
実際のところ「先生は内職に対してどう思っているか」を正直に言いたいと思います。
僕自身学生の時に内職を経験していますし、教師となった今では自分の授業で内職する生徒も見ています。
先生全体の意見ではなく、あくまで一個人の意見として聞いてください。
お話しするのは以下の3点です。
・先生は内職をどう思うか
・内職は100%バレているという事実
・先生がよく言うセリフの真実
では順番に解説していきます。
先生は内職をどう思うか
僕個人としては内職は肯定派で、教員としては否定派です。
まず肯定的な意見として、「授業の効率が悪いのは紛れもない事実」だからです。
僕自身これに嫌気が差して、高3の秋から全く学校に行かず独学で大学受験を成功させたので、「自分で勉強できる生徒は集団授業を受ける必要はない」とさえ思います。
授業中に教師を無視して内職してるオレかっけえ…。
時々このような「目的と手段が入れ替わっている典型的な人」がいますが、これは完全に頭悪い人なので普通に授業を受けましょう。
まぁ意味はなくとも内職をやってみたくなる気持ちは分かります。
教員としての否定的な意見としては「自己都合でやるべきことができない人間は社会で評価されにくい」ことです。
教員としての目標は生徒の志望校合格もありますが、「社会で通用する人間を育成する」ことです。
なので、授業中の内職は見つけ次第注意しています。
内職は100%バレているという事実
これは生徒の人は驚くかもしれませんが、あなたの内職は100%先生にバレています。
先生として教壇に立ち、授業をして分かったのですが、生徒の怪しい動きは先生からは本当に筒抜けです(笑)
バレていないのではなく、「注意するのがめんどくさい」「あきれられている」「無視されている」というのが本当のところです。
なので内職をすると確実に教科担当の先生の印象は悪くなり、平常点は下がります。
先生がよく言うセリフの真実
「内職するやつなんて受験に落ちる!」
これは内職がバレた人は一度は言われたセリフだと思いますが、完全に人によります。
特にメンタルが弱く思い込みの強い人は、この言葉が引っかかりストレスとなって受験に影響が出て最悪の場合落ちる可能性はあります。
しかし冷静に考えれば、「内職をすること」と「受験に落ちること」には何の関係性もないので、本番で点を取った人が受かるというそれだけの話です。
「授業を受ける気がないなら帰れ!」
これは先生として言いたい気持ちはすごく分かりますが、このセリフを言ってしまえば先生として終わりだと思います。
なのでこのセリフが出て来るということは、相当頭にきているということです。
言われたら余計な反論はせずに、受け流すようにしましょう。
ただ高校は義務教育ではないので、言われた生徒側にも問題はあるということを覚えておいてください。
僕も「学校に来ないやつは絶対大学に落ちる」と教師に言われても受かったので、つまるところすべては本人次第です。
先生が教える内職を成功させる方法
最後に内職を成功させる方法を教えます。
よくネット上ではこのような方法があげられていますが、これは悪い例です。
・適度に顔を上げて板書を写すふりをする
・参考書のコピーをプリントに紛れさせる
・教科書で隠しながらする
・あえて堂々とやる
これは「バレるかもしれないという心理的ストレス」が常にかかり、集中できないので効果は薄いです。
僕はこの方法が確実でかつ効果的だと思います。
先生に直接内職していいか相談する
さすがにそれはマズいんじゃないの…?
と思うかもしれませんが、実は先生側も授業の効率が悪いことは分かっているので、正直に言ってくれた方が助かります。
その場合気を付けて欲しいことは以下の通りです。
・受験に真剣だということを伝える
・他の生徒には言わない
・断られたら食い下がらない
とにかく自分が志望校合格に真剣だという気持ちを伝えます。
先生は生徒の真剣な気持ちには、真剣に答えてくれるものなので、許可は下りなくとも何かしらの配慮はしてくれます。
思い切って直接相談しましょう!
僕も相談された方が、隠れて内職されるよりも助かります。
まとめ
・結論
授業中の内職が受験に影響するかは本人次第
・内職のメリット
✅勉強時間を増やせる
✅自分のペースで勉強できる
✅マルチタスクが身につく
・内職のデメリット
✅心理的ストレス
✅中途半端に終わる
✅推薦入試の場合影響が大きい
・内職を成功させる方法
先生に直接内職していいか相談する
内職しても落ちる人は落ちますし、しなくても受かる人は受かります。
くれぐれも「内職することが目的」にならないように、先生と信頼関係を築きながら内職を行ってください。
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!