古文の識別が苦手なあなたはこの記事を３分読んで、サクッと理解してしまいましょう！
こんにちは！
高校教員の新堂ハイクです！
古典文法の「識別」は入試問題で頻出の項目なので、「識別」ができないと文法学習は終わりません！
ということで今回は「けれ」の識別を解説します！
この記事は
・古典文法は覚えたけど、文法問題が解けない
・古典文法は覚えたのに、古典が読めない
・文法は完璧だけど、もう一度復習したい
という方に向けて基本からわかりやすく解説する記事です。
この記事で
読んだら「けれ」の識別が分かった！
となることを保証します！
では、ハイク先生お願いします。
はい！
今回は古典文法の最終地点である識別の「けれ」を解説していくよ！
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年（特進クラス担任） ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年（月間10万PV） ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします！
古典文法「けれ」の識別とは
初めに「けれ」について何をどう識別するのかを説明するよ！
まず、「けれ」には3種類の形があります。
文章中に出て来る「けれ」は下の3種類のどれなのかを見分けるのが「けれ」の識別です。
①過去の助動詞「けり」の已然形
②四段動詞の已然形語尾「〇〇け」
+
完了の助動詞「り」の已然形・命令形
③形容詞型活用の已然形の一部
①過去の助動詞「けり」の活用表
| 基本形 | けり |
| 未然形 | (けら) |
| 連用形 | 〇 |
| 終止形 | けり |
| 連体形 | ける |
| 已然形 | けれ |
| 命令形 | 〇 |
| 接続 | 連用形 |
「けれ」一語の形ですね。
接続は連用形です。
過去の助動詞の「けり」を忘れてしまったという方は下の記事に詳しく解説していますので、復習代わりにどうぞ👇
3分で読めます！
②四段動詞と完了の助動詞「り」の活用表
| 基本形 | 四段動詞 | り |
| 未然形 | a | ら |
| 連用形 | i | り |
| 終止形 | u | り |
| 連体形 | u | る |
| 已然形 | e | れ |
| 命令形 | e | れ |
| 接続 | サ変の未然形 四段の已然形 |
「〇〇け」+「れ」の二語の形ですね。
四段動詞の已然形は「書け」「咲け」「叩け」などe音で終わる形です。
完了の助動詞「り」の接続はサ変の未然形と四段の已然形です。
完了の「り」・四段活用を忘れてしまったという方は下の記事に詳しく解説していますので、復習代わりにどうぞ👇
3分で読めます！
③形容詞型活用の活用表
| 未然形 | (く) |
| 連用形 | く |
| 終止形 | し |
| 連体形 | き |
| 已然形 | けれ |
| 命令形 | 〇 |
形容詞型の活用は、「形容詞」と過去の助動詞「き」の已然形があります。
形容詞は「をかしけれ」「さみしけれ」「おおきけれ」などの形です。
形容詞を忘れてしまったという方は下の記事に詳しく解説していますので、復習代わりにどうぞ👇
3分で読めます！
①「けれ」
②「〇〇+けれ」
③「○○けれ」
という3つの形の「けれ」を識別していくことになります！
「けれ」の識別
「けり」の識別をするためには、まず語の切れ目に注目します。
語の切れ目に注目するとは、「けれ」の直前の語の活用形を見ることです。
①過去の助動詞「けり」の已然形
②四段動詞の已然形語尾「〇〇け」
+
完了の助動詞「り」の已然形・命令形
上記の①②の識別が特にややこしいので、まず①と②の識別から解説します。
では、具体的に「咲きけれ」と「咲けれ」の例で解説します。
その前に「咲く」という四段動詞の活用表を見てください。
| 基本形 | 咲く |
| 未然形 | か |
| 連用形 | き |
| 終止形 | く |
| 連体形 | く |
| 已然形 | け |
| 命令形 | け |
「咲き」+「けれ」なのか、「咲け」+「れ」なのかを判別します。
「咲きけれ」
↓
咲き+けれ
↓
四段動詞「咲く」の連用形
+
過去の助動詞「けり」の已然形「けれ」
①のパターンですね。
訳 「咲いた」
「咲けれ」
↓
咲け+れ
↓
四段動詞「咲く」の已然形
+
完了の助動詞「り」の已然形or命令形「れ」
②のパターンですね。
訳は文脈によって変わります。
次に③のパターンである
③形容詞型活用の已然形の一部
を形容詞「をかしけれ」の例で解説します。
| 基本形 | をかし |
| 未然形 | (しく) |
| 連用形 | しく |
| 終止形 | し |
| 連体形 | しき |
| 已然形 | しけれ |
| 命令形 | 〇 |
「をかしけれ」は「をかし」の已然形なので、
③形容詞型活用の已然形の一部である。
過去の助動詞「けり」は連用形接続なので、
「をかし(終止形)」+「けれ」はあり得ない。
以上の語の切れ目を見る方法で3つの「けれ」を識別します。
実践問題
さくらさん、実際に問題を解いてみましょう。
はい！
語の切れ目を見るんでしたね！
例題
芥川といふかわを率て行きければ、
上の「けれ」を文法的に説明しなさい。
「けれ」の直前の語は「行き」ですね。
「行き」は「行く」という四段動詞の連用形ですね。
「行かァ+ず」で四段動詞。
上から「a、i、u、u、、e、e」なので連用形ですね！
つまり「けれ」は連用形接続の助動詞です。
では答えはどうなりますか？
過去の助動詞「けり」の已然形です！
正解です！
このように語の切れ目に注目することで「けり」を識別することができます。
例題
芥川といふかわを率て行きければ、
訳
芥川という川を(女を)引き連れて行ったところ、
文法を完璧にしていればどんな問題が来ても解くことができますので、識別の前に必ず文法は完璧に覚えておいてください。
特に助動詞の接続は絶対ですよ！
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