こんにちは!
高校教師の新堂ハイクです!
古文常識って勉強する必要ある?
結論から言うと、古文常識を勉強する必要は十分あります。
古典文法も単語も一通りやったのに、古文が読めません…。
こういう人が多いのは、古文常識をおろそかにしているからです。
・古文常識の重要性
・古文常識の勉強法
・古文常識おすすめ参考書
私立高校で現役の国語教師をしている僕が「古文常識」の重要性と勉強法を分かりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください!
著者 新堂ハイク 29歳 ・現役高校教師 勤続8年(特進クラス担任) ・難関大受験、小論文指導実績500人以上 ・教育メディア運営6年(月間10万PV) ・執筆300記事以上、掲載企業50社以上 実際の教育現場にいる現役教師にしか分からない、リアルな情報をお届けします!
古文常識の重要性
最初にも触れましたが、古典文法と重要単語を一通り勉強したのに古文が読めない原因の一つに「古文常識の知識が欠けている」ということがあげられます。
逆に言えば、古文常識をしっかりと理解していれば、文法と単語の勉強が生かされて古文がスラスラと読めるようになります。
その「古文常識」っていったい何なんですか?
古文常識とは現代の常識とは違う、1000年前の日本の常識のことです。
古文常識とは1000年前の常識
例えば、現代の日本では「気になる異性」がいた場合、どのようにアプローチするのが一般的でしょうか。
うーん、連絡先を聞くのが一般的ですかね?
しかし、古文の世界ではスマホや電話などはもちろんありませんので「連絡先」を聞いてやり取りするという現代の常識は通用しません。
古文の世界では「歌」を相手に贈るのが一般的です!
「気になる異性に歌を贈る」という古文の世界の常識を理解していなければ、「なぜ急に短歌を詠みだしたのか」という疑問から進めずに、読解がうまくいきません。
「異性へのアプローチ方法」以外にも、古文の世界では現代とまるで違う常識がたくさんあります。
これらの古文常識を理解することが、正確な古文読解につながるというわけです。
フィーリングで古文を読むと危険
1000年前って言っても、日本語は日本語だし。
嬉しさとか悲しさとか、人間的な部分は同じでしょ?
そういう風に、フィーリングで読むと間違えるのが古文です。
例
Aはあるとき夢に気になっている異性Bが出てきた。
Aは喜んだが、Bから何の音沙汰もないので、怒って体調を崩して寝込んでしまった。
Aの心境を答えなさい。
え、夢に気になっている人が出てきたくらいで、その人から何もなくて怒って寝込む?
よく分かりません…。
実は「夢」の考え方も現代の常識とは違っていて、古文の世界では
相手が自分のことが好きだから、わざわざ夢にまで会いに来る
と思われていたのです。
なので、Aの心境は「自分の夢に出てくるくらいBが自分のことを好きなはずなのに、何も音沙汰がないので怒ってしまった」というのが正解です。
いや、そんなの知ってないと分からないじゃないですか!
そうなんです、だから古文常識を理解する必要があるんです。
古文常識を勉強する前に
古文常識を勉強する前に、取り組まなければならないことが3つあります。
・古典文法
・古文単語
・古典敬語
これらは古文読解の基礎中の基礎です。
この3つの基礎があって初めて、古文常識が理解できるようになるので、まずは基礎の定着に取り組みましょう。
古典文法の暗記
古典文法では特に「助動詞」の暗記が重要です。
これは現代語の文法の助動詞と違う働きをするため、文法問題になりやすいからです。
また、助動詞が理解できていないと、そもそも古文が読めないです。
古文の勉強を始めるならまず「古典文法の助動詞」の暗記から行うようにしましょう。
古典文法・識別解説記事一覧はこちらから
古典文法・助詞 3分読むだけ解説シリーズ
古典文法・助動詞 3分読むだけ解説シリーズ
古典文法・識別 3分読むだけ解説シリーズ
【3分でわかる】古典文法・助動詞の接続一覧
古文単語の暗記
古典単語の暗記で大切なのは「現代語と同じ発音で違う意味の言葉」です。
例
1.あからさまに
2.あした
3.ありがたし
4.おどろく
こうした言葉は、現代語の感覚で読むと間違えるので問題になりやすいです。
古文単語は重要語句でも300語程度なので、英単語などと比べてもはるかに覚えやすいので、文法と同時並行で覚えていきましょう。
例の答え
1.仮に
2.翌朝
3.極めてまれだ
4.目が覚める
古典敬語の暗記
古文の世界は現代よりも「上下関係」がかなり厳しく、敬意を間違えるだけで殺されるような絶対的な世界です。
なので「敬語」が文章中にかなり多く出てくるので、敬語の理解と暗記も重要です。
敬語が苦手な人は、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の考え方自体は、現代の日本語と同じなので、そこの理解から始めましょう。
古文常識の勉強法
「文法」「単語」「敬語」を一通り理解したうえで「古文常識」の勉強を始めましょう。
1.参考書を1冊選び、読み込む
2.志望校の過去問を分析する
3.古文常識をまとめたノートを作る
これらの勉強は、あくまで「古文を読みやすくする」ためのものなので、あまり時間をかけずに問題演習の方に時間を使いましょう。
1.参考書を1冊選び、読み込む
古文常識そのものが問題になることはほとんどありませんので、ガッツリと暗記しようとしなくて大丈夫です。
古文常識の参考書を1冊用意して、「古文の世界はこういうものなんだな」くらいの感覚で読んでいく程度で大丈夫です。
・衣食住
・価値観、考え方
・儀式、しきたり
・和歌
・有名な書物(随筆・物語など)
上記の点について、ある程度の背景知識を得られればOKです。
2.志望校の過去問を分析する
効率的に勉強していくなら、ゴールからの逆算が必要です。
自分の志望校の問題を解いて分析して、何を中心に勉強すればよいかを割り出します。
・頻出のテーマ(源氏物語など)
・和歌は出るか
・教訓系の話か、恋愛系の話か
上記の点について過去5年分くらいを見れば、志望校の傾向が見えてきます。
3.古文常識をまとめたノートを作る
・暗記できていない重要事項
・志望校に出やすい古文常識
・後で調べたい語句や考え方
こうしたことをまとめたノートを作り、移動時間などのスキマ時間に暗記していって死角をなくしていきます。
入試本番の直前に見るための参考書として、こうした自分で作ったノートは自信につながるのでおすすめです。
古文常識は、時間をかけずに効率的に勉強していきましょう!
古文常識おすすめ参考書
国語図説や便覧などでも古文常識を勉強することは可能ですが、量がかなり多く、重要なポイントが分かりにくいので「要点だけまとめた参考書」を1冊用意するのが無難です。
・マドンナ古文常識217
・速読古文常識
・源氏で分かる古典常識
すべて市販の参考書で、僕の生徒たちも使っているものをピックアップしました。
マドンナ古文常識217
古文常識の参考書でおすすめと言えばこの「マドンナ古文217」です。
著者が個性的で面白く、文章も柔らかいので「古文が嫌い」という人はこの参考書がおすすめできます。
スラスラと内容が入ってくる上に、受験レベルの古文常識を身につけられるのでスキマ時間の勉強に最適です。
・古文の世界観
・風習や価値観
・身分制度
このような重要事項、イラスト付きで解説されているのでイメージがつきやすく頭に入ってきやすいのも特徴です。
サイズがコンパクトなのもメリットです。
速読古文常識
英語の参考書で有名な「速読英単語」の古文バージョンなので、同じシリーズを使っている人はかなり使いやすいと思います。
1つの言葉に対して、周辺知識や時代背景まで丁寧に解説してくれるのでかなりの知識量が付きます。
この1冊を一通り読み込めば、受験レベルの古文常識を網羅することができます。
・古文常識の解説・参考知識・類義語
・周辺知識
このような重要語句を体系的にまとめてあるので、情報量が多いわりに暗記がしやすいのが特長です。
源氏で分かる古典常識
参考書ではなかなか頭に入ってこないという人は、マンガで古文常識を勉強するのがおすすめです。
マンガで大まかな流れを読みながら、古文の世界の価値観を覚えられるので「本当に古文が苦手な人」におすすめです。
「源氏物語」は共通テストでも頻出のテーマなので、物語の流れや「登場人物を理解しておくことは直接対策につながります。
マンガという形式ですが、重要な語句は赤字で書かれていたり、当時の文化についてわかりやすい解説がついていたりするので、古文常識を楽しみながら学んでいくことができます。
勉強の息抜きに読むマンガとしてオススメです!
古文常識の勉強法まとめ
〇古文常識の勉強法
1.参考書を1冊選び、読み込む
2.志望校の過去問を分析する
3.古文常識をまとめたノートを作る
〇古文常識おすすめ参考書
・マドンナ古文常識217
・速読古文常識
・源氏で分かる古典常識
以上で本記事は終了です!
最後までご覧いただきありがとうございました!