新堂ハイクの旅する教室へようこそ!
この記事は
・「助動詞はしっかり覚えたけど、
助詞は正直さぼってるなぁ・・・」
・「もう全然古典が苦手で、
基礎からやり直したい!」
・「古典はある程度できるけど、
今一度復習したい!」
という方に向けて基本からわかりやすく解説する記事です。
この記事を読み終わるころには
女子校ならぬ助詞校に行きたい。
となるくらい助詞が分かってしまうかもしれませんので、ぜひ最後までご覧ください!
では、ハイク先生お願いします!
はい!
今回は古典文法の中でも後回しにされがちなジャンルである「助詞」の格助詞の「にて」「して」について基礎からわかりやすく解説するよ!
その前に簡単な助詞のおさらいをします。
助詞とは
活用しない付属語です。
全部で50数個あります。
活用しないので活用形などを覚える必要はなく、文法上軽視されがちですが、助詞をマスターしてこそ、古典が読めるようになるスタートラインに立てるのです。
その50数個は用いられる位置や動きによって6つに分類されます。
・格助詞
・接続助詞
・係助詞
・副助詞
・終助詞
・間投助詞
今回は「格助詞」の「にて」「して」についての解説です。
格助詞「にて」「して」

格助詞「にて」の意味は4つ、
「して」の意味は3つあるよ!
どちらも現代語にはない使われ方をするからよく覚えておこう!
格助詞「にて」の意味と訳
1.場所・時(年齢) | ~で |
2.手段・材料 | ~で |
3.原因・理由 | ~で・~によって |
4.資格 | ~として |
1.場所・時(年齢)
例 場所
千住といふところにて舟を上がれば、
(奥の細道)
訳
千住というところで舟から上がると、
例 年齢
忠盛、三十六にて初めて昇殿す。
(平家物語)
訳
平忠盛は、三十六歳で初めて昇殿した。
2.手段・材料
例 手段
深き川を舟にて渡る。
(更級日記)
訳
深い川を舟で渡る。
例 材料
女のはける足駄にて作れる笛には秋の鹿必ず寄る。
(徒然草)
訳
女のはいた足駄で作った笛の音には、秋の鹿は必ず寄ってくる。
3.原因・理由
例
われ朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて知りぬ。
(竹取物語)
訳
私が毎朝毎夕見ている竹の中にいらっしゃることで分かった。
4.資格
例
昔、男、伊勢の斎宮に、内裏の御使ひにて参れりければ、
(伊勢物語)
訳
昔、(ある)男が、伊勢の斎宮(の所)に、天皇の使者として参ったところ、
「にて」の接続
格助詞「にて」は体言と連体形につくよ!
「にて」の補足説明
古語の「にて」がつづまって現代語の「で」ができたので「にて」の4つの意味はどれも「~で」と訳すことができるんだ!
「にて」は”つけたし説明”
格助詞「にて」は、主たる分の要素(主語・目的語・補語・述語)から外れた、つけたし説明として使われます。
「~にて」以外の主文を先に訳し、「~にて」を最後につけたして訳してみます。
意味が分かれば格助詞「にて」というわけです。
例
忠盛、三十六にて初めて昇殿す。
↓
忠盛は、初めて昇殿した。 ”三十六歳で”
深き川を舟にて渡る。
↓
深い川を渡った。 “舟で”
格助詞「にて」はつけたし説明で、「~で」と訳せばいいんですね!
格助詞「して」の意味と訳
1.手段・方法 | ~を使って・~で |
2.使役の対象 | ~を使って・~に |
3.動作の共有者 | ~と一緒に |
1.手段・方法
例
そこなりける岩に指の血して書きつける。
(伊勢物語)
訳
そこにある岩に指の血を使って書きつけた。
2.使役の対象
例
御使ひして申させ給ふ。
(源氏物語)
訳
御使い(の者)を使って申させなさる。
3.動作の共同者
例
もとより友とする人ひとりふたりして行きけり。
(伊勢物語)
訳
以前から友人と(して親しく)する人、ひとりふたりと一緒に行った。
「して」の接続
格助詞「して」は体言と連体形につくよ!
「して」の訳し分け
「して」の3用法の訳し分けは次の基準で行います。
1.「物」+して=「物」を使って
2.「人」+して=「人」を使って
3.「複数・団体」+して=「みな」一緒に
「単体」の場合は「使って」、「複数」の場合は「一緒に」って言う風に覚えればいいね!
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